駐車場から遍路道を10分ほど歩くとさすがにオドリコソウも見かけなくなった。
代ってツボスミレなどが見られる。そして道の左手にすごく古そうな墓地。
もうお墓参りに来る人もいないのだろう、恐らく数百年前のお墓かと思う。
墓地にはスミレが二種類と、アマドコロ、ワラビがいっぱい生えていた。
↑画像は一面が紫色に見えるほど群生していた。草丈7センチほど、葉っぱの小さいタチツボスミレだ。コタチツボスミレではないかとその時思ったが、帰宅して確認したところ、間違いなさそうだ。ただ、コタチツボスミレといいうのは分布が九州となっていて、四国に分布するのはサンインタチツボスミレとあるが、サンインタチツボスミレは葉に切れ込みがない。ここは強引にコタチツボスミレと同定してみる。
それにしてもちょっと下には普通のタチツボスミレも咲いているのだ。
まったくスミレはてこずる。が、可愛いんだね、これが。
こちらは道端に生えていたツボスミレ(ニョイスミレ)ピントが合ってないので、一枚の画像の中からピンとの会っている部分を切り抜いた。比較的湿り気のある場所でよく見るスミレ。
ミツバツツジはあまり見かけなかったがそれでも淡いピンクの花をつけた株が一株だけあった。
この幼苗はウリハダカエデだ。香川のちょっとした山には多い。成木の芽吹きも綺麗だったが、残念ながらうまく撮影できなかった。
実家近くの弥谷寺も遍路道沿いにこんな風な古いお墓がある。
奥に赤いのが見えるのはヤマツツジ?
近付いてみた。
樹高2m近くの木で、ヤマツツジとしてはかなり大型のように思う。近付いてみたいが、登山靴ではないので、足元も悪いことだし諦めた。
お墓のすぐ前手にアマドコロが咲いている。斑入りではないから、どうやら自生のものだろうか。自宅のものは草丈が60センチもあるが、これは野のものだから草丈は20cmちょっと。アマドコロも自生のものは今年の初見。
お墓とお墓の間にはワラビがニョキニョキと生えている。さすがに墓地のワラビは採る気にかれないなぁ。そう言えば、雲辺寺にもワラビがたくさん生えていたけど、八十八ヶ所のお寺はだいたいが山に建っている事が多いのだ。
これも墓地にたくさん生えていたアリアケスミレ。林を切り開いて日当たりが良くなると、こんなにいろいろな植物が生えるものなんだと感嘆した。普通ならこんな山の中の墓地で一人というのは気味が悪いと思うかも知れないが、それよりも植物に対する興味のほうが勝ってしまうようだ。
デジカメのバッテリーがなくなってしまったし、時間も迫ってきたので下ることにする。
お寺の敷地近くまで来ると、やはりあたりはオドリコソウの大群生。
斜面にはスミレやセントウソウが可憐に咲いている。
ヤマキケマンだろうか?普通のキケマンだろうか?画像がピンぼけではっきりしない。
ウラシマソウのようだけど、まだ花の時期には少し早かったようだ。
そして、山の斜面にも竹やぶの間からも、畑の地面からもオドリコソウの姿が見える。
ここは正しくオドリコソウの山だった。
こんなにオドリコソウがたくさん見られる山は四国にもちょっとないだろうと思う。
オドリコソウをたっぷりと見られて良い散策だった。