東赤石ピークから東は、私にとっては未知の領域です。
まだ歩いたことのない道を歩くのはいつになってもわくわくします。
山頂出発は14時20分頃。
やはり樹林を潜り抜けたり岩の上を歩いたりの繰り返しです。岩場歩きは通常の山道と違って足をぐっと上げないといけないので翌日の筋肉痛が怖いね~などと皆で言います。Iさんが「翌日に出てくれるといいけど、月曜に出そうだな~」と言います。私達の年ですとそれもそうですね。
タカネバラは赤石山荘手前で見かけて以来、ずっと咲いているのですが、東赤石山頂から少し東に歩いた比較的広い岩場の上でも綺麗に咲いていました。どんな花でも、岩場の上で咲いているものは一段と可憐に見えます。
ピンクの濃いタカネバラも素敵ですが、こんあ淡い色のも素敵だな~と思いました。
先客の男の方が二人、熱心に撮影されています。ここまで三脚も担いで上がられたようで,三脚を据えて頭には防虫ネットをかぶり準備万端のようです。ここでもIさんんの一眼デジがザックから出てきました。ブヨがいなければどんなに快適だろうと思うような良い場所ですが、ちょっとじっとしているとブヨが襲ってきます。Iさんは先ほどからアウトドアショップで買ったという防虫ネットをかぶっていますが私とS君は何もなし・・・。下りは暑そうだったので、私はここで長袖シャツは脱いで半袖Tシャツのみになります。
この岩場にもイヨノミツバイワガサが咲いています。と言うか、イヨノミツバイワガサもタカネバラも東赤石一帯ではごく普通に咲いている花です。
ここからは樹林帯の中を下るようになります。
やがて樹林帯の間から権現越えらしき草原が見え始めました。ルートはあまり歩きやすいとは言えませんが、藪コギと言うほどでもなく、よく踏まれた山道よりは少し時間がかかるという程度。
その足元を見てびっくりしました。なんとゴゼンタチバナが咲いているではないですか。四国の山でゴゼンタチバナを見るのは初めてです。これは携帯カメラとは言え、気合を入れて撮影しないと・・・ミズキ科ゴゼンタチバナ属。「花弁状の4個は総苞で、小さな4弁花は中央に集まる。葉が4枚のものは若い株」と私の図鑑にあります。ミズキ科の花というのは今回初めて認識したのですが、そう言われると,花の作りはヤマボウシやハナミズキの花とよく似ていますね~。花はどうやら葉が4枚の株にはつかないようです。
草丈はここのは10センチ足らずで,とても可愛かったです。事前の勉強不足でゴゼンタチバナが東赤石に咲くとは知りませんでしたが、分県登山ガイドなど見ると、ちゃんと東赤石の花として書いてありました。しかし、咲いていると知らずに出会うのは今はやりのサプライズとでも言おうか、喜びは大きいものがありましたね。
因みに去年、北岳で見たゴゼンタチバナをアップしてみます。
場所が変わっても同じ花が見られるというのは、何か嬉しいものですね。
15時15分、権現越えまで下ってきました。7月末にはナンゴククガイソウやシモツケソウなどが乱れ咲くそうですが,今の時期はカノコソウが咲いています。
でもカノコソウは初めて見るので、クガイソウを見るよりも嬉しかったです。
権現越えの道標です。ここから東に進むと権現山やエビラ山経由で二ツ岳方面に縦走できますが、S君の話によればちょっと大変なルートらしいです。
15時半、権現越えを出発です。私の手持ちの地図のコースタイムでは床鍋まで1時間40分の下りです。
ほんとなら途中で休憩を一回取っ手良い距離でしたが、かったるいので一気に床鍋まで下りました。
床鍋着は4時55分。
別子街道沿いに立っていた道標ですが,ちょっとわかりにくかったです。ここから少し上がった道沿いのブルーの屋根の家まで登山道が降りてきています。
向かいには丁度、大座礼山が「今度は登ってね」とでも言うようにそびえています。
汗をかいたけど、どこかで汗を流す時間の余裕がないほど、花を堪能できた山歩きでした。四国の山の良さをまたまた再認識した山歩きでもありました。