念願の矢筈山に登る、その7、ブナ紅葉

再び剣山系の山々が見えてきたので、雨が降っていても、気分は上々です。秋山は一旦、雨が降ると、寒いわ、展望はないわで、大学3年の南アルプス赤石岳~塩見岳への縦走で、ずいぶんつらい目に遭ったことがあります。濡れた体で、稜線で風に吹かれようものなら、体温が奪われて下手すると遭難の危険も大きいのです。

しかし、この日はなにより幸運だったのは、稜線で風がほとんどなかったことでした。私の雨具は購入して5年ほどになりますが、最近は防水が少し利かなくなってきて、この頃には中に着込んでいた開襟シャツも濡れ始めました。靴の中も少し濡れてきたような?

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南に目をやれば、ブナの紅葉が見事です。雨のうっとうしさも忘れるような眺めです。

P1180210ブナの紅葉から上の方を見ると、今度は三嶺、西熊山、天狗、牛の背がはっきりと見えます。

ガスはまるで雲海のように下の谷間を漂っていて、標高1200mぐらいから上は綺麗に見えています。

P1180218 登りの時にも立ち寄った展望の良い岩の上に立ってみます。

素晴らしい眺めで、思わず歓声を上げてしまいました。

画像下のほうに見えているのはコメツツジの紅葉です。

全部すっきりと見えるのもいいでしょうが、ガスがあるのも風情があるというかいいものですね。

P1180216 これから下っていく西の方角を撮影したものです。一番奥に見えているのが落禿、前烏帽子、烏帽子ですが、これらの山は落合峠をはさんで矢筈山とは反対の方角に聳えています。

登りの時よりも天気は悪くて雨が降っているのに、展望だけははっきりと見えます。

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独特の形をした烏帽子山。形で直ぐにわかります。

P1180222 落合峠の上50mぐらいまで下ってきました。

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15時2分、落合峠に下ってきました。丁度5時間の山歩きでした。

峠には車一台も見えません。

幸い、駐車場に立っていたプレハブの作業小屋の鍵がかかっていなかったので、中で着替えました。

そして山頂で食べるつもりにしていたラーメンをプリムスで作って食べます。それほど体が冷えたというわけではなかったけど、熱いものを食べるとやはりほっとしますね。これからの季節はプリムスは必需品だと思いました。

乾いた衣類に着替えて、気持ちよくなったところで、15時40分、車で落合峠を後にしました。下りにも林の中で鹿の鳴き声を聞きました。

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車窓から撮影した紅葉の様子です。

山を下りきって、三加茂の町に出たところで、Tさんと運転を交代しました。

美馬から三頭トンネルに向かう頃にはあたりはとっぷりと日が暮れて、夕闇に包まれましたが、ぺちゃくちゃとおしゃべりに興じ、眠くなることもありませんでした。

最後になりましたが、念願の矢筈山とタイトルをつけた理由ですが・・・4年程前に自宅のある市内のあちこちから、阿讃山脈のまだ南にひときわ高く頭を覗かせている山があることに気付いたのです。地図を見て調べたり、人に聞いたりして、それが矢筈山だと知ったのでした。冬から早春にかけては雪に覆われて真っ白な姿を見せる矢筈山を見るたびに、いつかは登ってみたいという気持ちがふくらんできたのでした。

そんな4年越しの思いが叶って、矢筈山の山頂に立つことが出来、思いがけず剣山系の山々(石立山や中東山までも)も見ることが出来、おまけに素晴らしいブナの紅葉をも楽しむという素晴らしい山歩きが出来たのも、山友達のTさんのおかげです。ほんとにありがとうございました。

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