道の傍らにコヨウラクツツジが見えます。今年は一体何株のコヨウラクツツジを見たことでしょう。しかし、見るたびに撮影せずにはおれません。四国の高山では普通に見られるツツジですね。この後も良く見ました。
近くになにやら見慣れない葉っぱがありました。あまり見たことのない花ですが、どこかで見たような・・・必至で思い出します。そうしたらようやく思い出しました。薄い黄色の花は春に見かけたヤブサンザシの花にそっくりです。スグリの仲間で調べるとトガスグリなのでした。検索すると北海道の知床などに多いようです。スグリの仲間ですから実は食べられるのでしょうね。
相変わらず、コミヤマカタバミが苔の上にたくさん咲いていますが、中で一際ピンクの濃い花がありました。
これが開いてくれていたらな~と思ったことでした。
Tさんが「この葉は違う?」と言うので、見てみるとバイカオウレンの葉っぱです。
バイカオウレンは五葉オウレンと言うぐらいですから、間違いありません。それに私は自宅でバイカオウレンを育てているので、間違えようはないのですが・・。
種のサヤがついていて、すでに種は落ちてしまったようです。
高知では2月の初めに花が咲いているのを見たわけですが、ここ剣山ではこのぶんだと、花は5月半ば頃に咲いたようです。高知より3ヶ月遅れで咲くわけです。それでも、ネコノメやエンレイソウがまだ咲いている剣山で、すでに種になっているのですから、バイカオウレンは春一番の花には違いないですね。
やがて一の森方面への尾根道との合流点に着きました。時刻はすでに14時17分です。リフトの運行は4時までなので、一の森へ行くのは諦めて、ここでお昼を食べることにしました。
私はすでに西赤石山で見ていましたが、Tさんは初めて見るそうで、喜んでマクロレンズで丁寧に撮影しています。小さな花なので、マクロで撮影するのがぴったりです。
↑画像は一の森へと向かう道です。途中で二手に分かれていますが一方は尾根通しの道で、一方は巻き道になっています。
西の方角には三嶺方面が綺麗に見えています。
剣山系の尾根はたいていの山がこんな風な気持ちの良い笹原になっています。
先ほど通ってきたトラバース道とは植生が違うので面白いです。
蕾も可愛いですね。
剣山に行くには途中で二の森などを通過しますが、そのたびに少しずつ登って行きます。
その登り道で、またしてもバイカオウレンの葉っぱをたくさん見かけました。
これで花が咲いていたら、見事でしょうね。
しかし、撮影はなるべく控えて、ピッチを上げて登ります。リフトの時間が気になるからです。
東からガスが出てき始めました。山ではこんな風に、朝のうちは晴れていても、午後からガスが出ると言うのは良くあることです。
と思っていたら、少し後にはガスが早くもジロウギュウのほうに流れていきます。
剣山ピークはもう何度も来ているので、この日は寄らずに、山頂ヒュッテ横の巻き道を通って西島駅目指して下ります。
画像はヒュッテ横にある剣神社です。
この日は恐らく山頂にも人はほとんどいなかったのではないでしょうか。
下り道でもこのネコノメを見かけました。黄色くてとても可愛いネコノメでしたが、時間があるときにでもゆっくりと調べたいと思います。
ヒュッテから直ぐ下のあたりではコミヤマカタバミも結構咲いていました。
急いで下ったので、西島駅には15時40分には到着しました。やれやれ・・・。
ここで、私がリフトのチケットを落としていたことがわかり、探し回ったのですが見つかりません。しかし、事情を話したら、快くリフトに乗せてもらえました。
下りのリフトでは、途中で上りのリフトに乗ってくる人とすれ違いました。4時前に登ってくるので「山頂で泊まるのですか?」とすれ違いざまに尋ねたら「いえいえ、日帰りです」とのこと。こんな時間に今から日帰りなどと、山登りの常識からは大きくずれていますが、何か特別な事情でもあるのでしょうか??ちょっと不思議に思った次第です。
リフトから下った場所には大きな栃の木があって、その下に植栽のシャクナゲが良い色で咲いています。シャクナゲのバックの若葉が栃の葉っぱですが、樹高15mはあろうかという大木です。
帰り道は私の運転で帰りましたが、途中、岩戸温泉で汗を流して帰りました。
それにしても6月の剣山は春の名残の花にもたくさん出会え、尾根筋では初夏の花も咲き始めていて、花の端境期とはとても思えないほど、良い花旅になったのでした。やはり花の百名山と言われるんだけのことはあります。