小池新道を歩き始めてから30分も経った頃、東に穂高の姿が見えてきました。こんなに早く穂高が見え始めるとは思ってなかったので、少なからず感激しました。去年の小池新道の登りでは、標高1500m以上はすべてガスの中でした。それに、前日、わさび平で見た天気予報ではこの日は曇りのち晴れだったはずなのに、良いほうに外れて、素晴らしい晴天です。
北穂だけはまだ姿を現しませんが、くっきりはっきりと見える西穂や奥穂が素晴らしいです。
秩父沢の少し手前に来ると、私たちが朝食を食べていた時に出発された熟年パーティーの方たちが、休憩をとっているようです。私たちは秩父沢で休憩するつもりなので、先に行かせてもらいました。
行く手に雪渓がちらっと見えていますが、そこが秩父沢のようです。そしてその上の大きな雪渓がシシウドガ原なのでしょう。
視界が利くというのは、ほんとに素晴らしいですね。
進行方向に向かって左上を見上げると、そこは秩父平付近の稜線のようです。雪渓の白、岩、そして緑が素晴らしいコントラストです。
しかし、標高200m以下では、雪の量は去年より少なそうです。
登っていると、ちょうど目線の少し上あたりに緑色の小花がたくさん見えます。
この春何度か見かけたツリバナの花のようです。
これも今年は四国の山でいやというほど見かけたコヨウラクツツジが咲いていて、懐かしいです。四国の山では5月、6月によく見ましたっけ。
わさび平小屋でも確認してはいましたが、秩父沢には橋がちゃんとかかっていました。
秩父沢到着は6時40分です。
コースタイムでは1時間半のところを1時間10分で来ていますから、まずまずのペースです。
去年はこの付近一帯は大きな雪渓が残っていて、橋はかかておらず、雪渓を80mも高巻きして、かなりロスタイムしてしまった場所です。
去年は、一旦、高巻きしてから、ふたたびもとの登山道に出るのに30分近くもかかったのです。
今年はこの通り、雪はほとんどありません。
去年の苦労が嘘のようです。
休憩していると、先ほど追い抜いた熟年パーティーの人たちがやってきました。
ここは水も豊富だし、穂高が良く見えるので、絶好の休憩場所です。
私も穂高を携帯で写して、山友達や学生時代の先輩に写メールしたりしました。
右上に見えているのが秩父岩でしょうか。
しかし、雪は腐っていて、トラバースの距離も短いので、どうということはありません。
雪解け後、まだ時間が経ってないようです。
すでに赤い実をつけています。
去年もこの付近で咲いていました。