おなかもいっぱいになり、デザートのミカンも食べたところで、そろそろ出発です。
すでに日は高く登っており、これからは森林限界を超えるので、日焼け止めをしっかり塗って、私も嫌いな帽子をかぶります。最近の方は皆さん長そで、帽子で完全防備されますが、私はどうも昔ながらの牧歌的な山歩きの習慣が身についていて、暑い時には半袖シャツで歩くほうが好きです。
鏡平でトイレを借りるというKさんを待つ間に樅沢岳方面を写しました。
東にそびえる槍穂は男性的な岩山で鋭角的なラインをしていますが、一方、北に目をやれば、そこは双六岳にしても樅沢岳にしても西鎌尾根にしてもなだらかな女性的な山々です。その対比が面白いといえば面白いですね。双六小屋で読んだ山渓には槍穂は浸食によってやわらかい部分が削り取られ固い岩の部分だけが残ったものとありました。
雪渓の横に単独の男性の方が一人見えます。
さて、ここから300mほどの登りで、いよいよ稜線に上がります。
天気が良いとついつい、同じような画像ばかりいっぱい撮ってしまいます。
鏡平山荘を10時37分出発です。
ちょっとアマドコロに似た葉っぱを見かけました。こういう植物の花は葉の裏に咲いていることが多いので、のぞきこむと・・・。
咲いてました。よく掲示板などで花を見せてもらう、タケシマランです。でも、私は実物を見たのはこれが初めてでした。
地味な花ですね。
なんだか雰囲気の違うオウレンの花が咲いていると思ったら、帰宅して調べてわかりました。
ミツバノバイカオウレンです。初見の花で、バイカオウレンと花は似ていますが、5枚葉のバイカオウレンに対して、こちらは三裂した葉です。
ミツバオウレンより可憐だと思いました。
日本海側に多いそうです。
花も葉もどこか雰囲気が違いますね。
この登りは槍がどんどんせり上がってきて、ほんとに見ごたえのあるコースです。
手前の白い花はナナカマドでしょうね。
岩の陰にミヤマキンバイが見えます。このコースではあまり多くはなく珍しいので撮影します。
西鎌尾根の向こうに北鎌尾根が見えてきました。
足元はコイワカガミやミツバオウレンなどのちょっとしたお花畑になっています。
山も見ないといけないし、花も咲いているわで、撮影が忙しいです。
去年は咲き残りの話か見られませんでしたが、今年は何とか見られる花がありました。
正面には槍穂が、そして、眼下には鏡平の池と小屋がかすかに見えます。
茶色の部分はおそらく、雪渓が解けたばかりの場所でしょう。
どんどんせり上がってくる槍穂の姿に圧倒されるばかりです。
しかし、乗鞍山頂には雲がかかり始めたようです。
単独の男性が撮影されているので、失礼してお先に行かせてもらいます。
アオノツガザクラの花も出てきました。
可憐な花姿に似合わず、笹の中でまでしっかり咲いていました。
素晴らしい槍穂の姿はクリックで大きくなりますので、どうかお楽しみください。
一服平までは急登ですが、それを超えると、あとはなだらかな山腹のトラバース道へと変わります。
この間、ずっと東を見ると槍穂が見えるのです。
ところどころ雪渓が残っていますが、さほど危険なところはありません。
振り返ると雪渓の向こうに山道がついていて、その付近が一服平と呼ばれるところのようです。
この付近が槍穂を眺める一番良い場所になっています。
こんな眺めをずっと眺めながら歩くわけですから、気持ちも昂るはずですね。