翌朝、4時、携帯のけたたましいアラームの音で、一気に目覚めました。
起きると同時に、窓から外を見ます。やった~。晴れているではありませんか。それも雲ひとつなさそうです。
Kさんも起きました。同じ部屋で寝ていた東京からのパーティーの人たちは笠が岳に行くそうで、5時起きと言ってましたが、何人か起こしてしまったようです。申し訳ないですが、この朝の眺めを見られるのですから、早起きも悪くはないはずです。
雨具の上衣を着込み、急いで下に下りて靴を履きます。日の出と槍穂を見るために稜線付近まで登るのです。
鏡平から20分ほど急登を登ると、まず南に乗鞍岳が見えてきました。撮影時刻は4時40分になっています。勿論、登っている間にも、後ろを振り返ると、槍の姿は見えているわけですけど・・・。
去年、ちょうど双六小屋から下山していたとき、ガスが見る見る間に消え、槍穂がいきなり姿を現した、丁度その場所へと急ぎます。
お日様は西鎌尾根の上から出るらしく、その辺りが赤く染まってきました。
逆光になるので、シルエットに近い槍の姿です。
こんな光景は一体、何十年ぶりに見るのでしょう。
大学二年のときの北アルプスでの夏合宿は7泊8日のすべてが快晴だったという記憶がありますが、そのとき以来かもしれません。
あの時は毎日3時起きの4時出発だったのでした。日の出を見ながら歩いた記憶があります。
とにもかくにも、こんな夏山らしい夜明けは久しぶりに経験しました。これだけでも、ここまで来て良かったと思いました。
40分ほども槍穂を眺めた後、ようやく鏡平に帰る事にしました。
山々を見ながら早朝の空気の中を歩く気分は爽快そのものです。
山を下る最終日にこんな御褒美をもらえようとは思ってもいませんでした。
朝の光の中で見るコバイケイソウの新芽は、いつもよりずっとみずみずしく感じます。
Kさんの姿が槍穂の姿の前で見る見る間に小さくなっていきます。
乗鞍岳を望遠で撮影してみます。
右に別の山が見えているのが御嶽山かどうか気になります。
位置的には合っていると思うのですが・・。
この付近のコイワカガミは色が淡くて上品ですが、朝日の中で撮影してみました。
ヒメイチゲはまだお目覚めしていませんでした。
ほぼ下りきる頃、鏡平を出発する人たち大勢とすれ違いました。恐らく5時に朝食を食べて、出発されたのでしょう。
朝から快晴なので、陽射しを遮るもののない稜線歩きは暑くて大変でしょうね。
前日に西鎌経由で槍に行くといっていた愛媛のパーティーが、気になります。
鏡平山荘には6時丁度に帰ってきました。