時刻はすでに14時を過ぎました。樹林帯の中を歩いているので、暑くて汗がダラダラ流れます。途中で、上から下ってくる初老の男性に会いました。私たちが目指している白馬大池から下ってこられたようです。「まだ、かなりの道のりですよ」と言われ、ちょっと落ち込みます。コースタイムでは丁度3時間の登りですが、ザックが重いので速くは歩けません。
いつもなら、最初の1本がしんどくても2本目からは体が慣れて楽になるのですが、今回はどうも調子が良くありません。Yさんには先に歩いてもらい、私は撮影したりしながら、自分のペースでゆっくりと歩くことにしました。
白馬大池山荘に到着時刻が遅くなることを、どこかで電話しなければいけませんが、蓮華温泉ではすでに電波が通じなかったのでした。時々、携帯を確かめますが、相変わらず通じなくて、それが気がかりです。
標高1700ぐらいになると、キヌガサソウが出てきました。キヌガサソウを見るのも一年ぶりです。一昨年、去年と登った双六方面でも良く見かけた花です。雪の多い山に咲く花だそうですから、きっと今回の山行ではたくさん見かけるだろうなと思っていたら、案の定、毎日たくさん見かけました。
同じ画像の中に、エンレイソウの花後の株やウワバミソウも見えています。
四国では滅多に見かけないマルバイチヤクソウの株がありましたが、残念ながら開花していません。
歩き始めから55分経った14時30分に、1本入れることにしました。
数日間の山歩きでは、いつも初日がいちばん苦しいです。
深夜の運転で、どうしても睡眠不足になるのと、いつもの日帰り山行と違い、ザックが重いのもこたえます。
2年前の鏡平への登りで後輩のYさんが脱水症状でばててしまったのを思い出し、ポカリを意識して飲みました。10分休憩した後、14時40分、再び歩き始めます。
先ほどからゴゼンタチバナやマイヅルソウも咲いていて、この3種の白い花はアルプスに来るたびに、あちこちでいちばんたくさん見る花です。
帰宅してから調べるとミヤマツボスミレというのもあるようですが、ここで見かけたのは四国の低山でもよく見かけるツボスミレと、同じように見えました。
本格的な山登りは、今では私と一緒に歩くアルプスぐらいで、普段はしていないのですが、元気です。
大学時代はこのYさんと知床の羅臼岳や上越の山々を一緒に歩いたものでした。
ゴゼンタチバナとともに、北アルプスではもっとも普通に見られるマイヅルソウも、ここにきて群生で咲いています。
この時期の花は、ほんとに白い花が多いですね。
この辺りの標高2000m付近にはとても多いようでした。
やがて、道は山肌を緩やかに回り込み、それまで見えなかった西の方角の展望が開けてきました。
ここなら携帯が通じるかもしれないと思い、白馬大池山荘の連絡番号に電話してみると、うまく繋がりました。
山荘への到着が17時を過ぎることを伝えて、少し安堵しました。
やがて、西の方角に谷を隔てて雪倉岳らしい姿が見えてきました。
雪渓が豊富に残っています。
さすがに日本海に近い豪雪地帯の山だけあります。
15時45分、どうやら天狗ノ庭と呼ばれる場所に着いたようです。
そして、この場所は私がつい6月の末に登ってきた愛媛の東赤石山の様子とそっくりです。
赤茶けた岩の傍らには白いイワシモツケが咲いています。
違うのは東赤石で咲いているのはイヨモミツバイワガサですが、それだって肉眼で見る限り、ほとんど違いがわかりません。
やはりこの付近は珍しい植物が多いのか、ロープを張って保護してありました。
ここでザックを下ろして、珍しい花たちをゆっくり撮影することにしました。