ネムの花は山登りを再開するまではあまり見ることのない花でした。
私が住んでいるのは海に近い平野部ですし、実家もまたそうです。山間部に行くことなどは滅多になく、ネムの花は頭では知っていても、見かける機会が少なかったのです。
ところが、山歩きを再びするようになって、登山道までの車道沿いでよくネムの花を見るようになりました。
特に数年前の6月、7月は一時期、剣山に良く登っていたのですが、見ノ越までの道中でネムの花が何箇所もで咲いているのです。
丁度、梅雨時分のことですね。
ユウスゲを見に行った山でも、思いがけずネムの花を何箇所かで見ました。もっと高い場所でしか咲かないとばかり思っていましたが、意外でした。
ピンクの花がまるで夢見るように咲いていて、見かけたら撮影せずにおれない花です。
実は私、去年の今頃も車で走っていて、この花を見たのです。
だのに、去年はどうしても何の木だかわからなかったのです。
ところが、今年は葉っぱが良く見えたので、直ぐにわかりました。
これはハリギリの花なのです。
ハリギリというと樹肌にハリがあると思うでしょう?
ところが、若い木や幼木にはハリがちゃんとあるのですが、古い木になるとハリはなくなります。
最近は葉っぱのある季節なら、何とかハリギリは見分けがつくようになりました。
そうなんです。ヤツデの花にそっくりですよね。
ヤツデ、ウド、タラ、トチバニンジン・・・すべてウコギ科ですが、ウコギ科の花って、どういうわけかこんな形の花を咲かせるようです。
こういう形の花を放射状の散形花序というそうです。
そして、ウコギ科って、食べられる物が多いみたいです。
ハリギリの新芽は、よく一緒に山に行く山仲間のS君がいちばん美味しいといっている山菜ですす。コシアブラより美味しいとか・・。
山では良く見かけるので、来年は頃合の大きさの株を見たら、お味見してみたいものです。
ナンキンハゼは秋に真っ赤に紅葉するので、その頃は嫌でも目に付きますが、花は控えめな緑色の花でした。
例の「むべなるかな」のムベです。
ムベはこの辺りの低山には多いツル性の植物です。
アケビと違い常緑の青々とした葉っぱを繁らせます。
こちらはまだ小ぶりですが、たくさんの実をぶら下げたツルです。
秋にはアケビと同じように食べられますが、私はどちらかというとムベの方が好きです。
何やら赤い実がなっているので、思わず、キイチゴか何かの実かな?と思いながら近づきましたが、どうも様子が違います。
クワの実なのでした。
クワは正しくはヤマグワなんですね。初めて知りました。
クワの実といえば、小学校の頃、旧友たちがクワの実を食べるとよく話してましたが、私は不思議と食べたことがありませんでした。
父方の祖母の家は昔は農業の傍ら屋根裏部屋で養蚕もやっていたそうで、父の形見の兵児帯と私の子供時代に締めていた兵児帯は、祖母の家で飼っていた蚕から取れたものだそうです。いまどきの呉服屋ではなかなか売ってないような、ずっしりとした厚みのある絹地です。
そんなわけでクワとは縁が深かった父が、私にクワの実だけは山で教えてくれなかったのが不思議です。