広兼邸、見学

吹屋の家並みは当初から見学するつもりだったけど、吹屋で「是非、ここを見るといいよ」と教えていただいたのが広兼邸。

私は邦画は見ないので知らなかったが、映画「八つ墓村」のロケ地にもなったそうで、豊川悦史のファンだというSさんは、「あー、あの家ね」と、言う。

私は生憎と邦画はあまり見ない主義だが、どんな家なのか興味津々。

横溝正史の原作は小学6年か中学1年の頃に読んだことがあり(父の書棚の国民文学全集に入っていた)ストーリーは知っている。子供心にもすごく怖い話でドキドキしながら読んだものだ。

あれは原作では確か鳥取と岡山の県境辺りの山村が舞台だったはず。

しかし、この広兼邸も県境ではないにしても中国地方の山の中に存在する旧家という意味では舞台にぴったりだろう。

Dsc00657

↑画像は広兼邸の少し下にある駐車場から広兼邸を見上げたもの。

石垣がなんと言ってもすごい。

Dsc00659 ↑は広兼邸に関する説明文。

広兼邸にいたる道のりは吹屋から山道を約4キロ(吹屋のお年よりに道のりを尋ねたら、「一里はあるから歩くより車がいいよ」とのこと。この辺りのお年寄りの意識には、まだ尺貫法が生きているようだ。

山間を走る道路はきちんと整備された普通の道だが、時折、家が建っている。

四国の山の中にも家は建っているが、こういう建ち方はしてないなぁと思う。

どの家も立派な家で、今風のプレハブやツーバイフォーの家などは一軒もなく、この地方独特の様式にのっとって立てられた、郷土色豊かな家だ。

余談だけど、私は学生時代からあちこち旅するのが割合好きなんだけど、民家を見ていると地方によって特色があって、非常に面白い。

Dsc00663_1 母屋を土間から座敷まで通して撮影したもの。家の大きさなどは先日見てきた引田の井筒屋敷と同じぐらいだけど、井筒屋敷はいかにも海の近くの家でもあり、屋敷の周囲にすべて縁側をめぐらせてあるので随分明るかった。この広兼邸は屋敷の背後が山になっているので、家の中が薄暗く、そんなところも横溝のおどろどおろしい小説の舞台にぴったりなのかも。

Dsc00669_1 邸内には水禽窟があって、竹筒を通して可愛い音色を聞くことが出来た。

Dsc00674 受付にいた方のお話で初めて気付いたが、この屋敷の屋根瓦は普通より重なり部分が深いのだそう。なるほど、一枚の瓦の表に出ている部分が極端に小さい。

ということは瓦の枚数が多く必要であり、そのぶん土台の作りもしっかりしているということだ。

Dsc00675 最後にもう一度、下から見上げた屋敷画像を。

コメント(4)