15時50分二股を通過後。トラバース道に入ると、今までの雪が嘘のようになくなり、辺りは針葉樹などの樹林帯に変わる。地図上では等高線とまったく平行についている道で、アップダウンはほとんどないようだが、それでもまったく平坦な道というわけではない。二俣からのコースタイムはわずか30分なので、そのまま休憩を取らずに行くことにする。Oさんも、幸い、その後は体調も戻ったようだ。
樹林帯の陰になるような場所にはマイヅルソウや、ときに、キバナノコマノツメも咲いている。
画像はサンリンソウ。
キンポウゲ科イチリンソウ属。
所々でこじんまりとまとまって咲いている。目が慣れてないとイチリンソウやニリンソウと区別がつきにくいかも知れないが、慣れれば花も葉もどちらとも違うと言うことがわかる。
再び、ツマトリソウが出てきた。ツマトリソウは四国の山や仙丈ケ岳でも見かけるが、小さな群落で咲いているのをたまに見かけるという程度。個体数としてはそれほど多く見ないので、やはり見かけるとどうしても撮影したくなる。画像下方に写っているのはマイヅルソウ。
クリックしていただくとほんのり赤味を帯びているのがおわかりいただけるはず。
リンドウ科ツマトリソウ属。
道の傍らの倒木にマイヅルソウが群生している。なんともいえないほど可愛い。
広河原から歩き始めてしばらくのところでも葉は見えていたのだけど、すでに実をつけた株ばかりだった。しかし標高2200のこの樹林の中では今が花盛りらしい。
八幡平でも四国でも、そしてここ南アルプスでも変わらぬ花を見せてくれる。
ところどころで、ゴゼンタチバナの葉っぱも見かけるようになった。
約40分の巻き道歩きの後、16時25分、白根御池に到着。思っていたより小さな池だ。
ここまで来れば小屋に着いたようなものだ。
6月半ばに出来上がったばかりの白根御池小屋だ。学生時代は一気に肩の小屋まで登ったので、こんな場所に小屋があることなど知らなかった、今回の一日目の歩きはバスの時間上、どうしても午後からの歩き始めなので、どこか途中で止まれる小屋は?と地図を見たらこの小屋があったと言うわけだ。
受付を済ませてから、付近を少しだけうろうろしてみた。
水場のすぐ横の岩の裏にはゴゼンタチバナが可愛く咲いている。去年北沢峠で見たのはもっと背が高かったけど、ここのはどれも草丈が4センチほどでとても可愛い。
ここからだと左の緑色の小ピーク赤抜沢の頭に遮られてオベリスクが見えないのだった。
小屋は寝具もトイレも真新しくて清潔で、何より大部屋の真上の灯りが明々としているのが、まるで山小屋とは思えない。山小屋がこんな風に快適になれば、南アルプスを訪れる人も、より多くなるだろう。管理人の方の話では建設費用は4億、うち、ヘリの費用が1億だそう。トイレなども最新の技術を駆使しているそうだ。因みにトイレは入ると自動的に点灯、消灯するという、下界以上のもの。
食事をした食堂では窓際に座ったので、この鳳凰三山の眺めを楽しみながら食事することが出来た。遠くだけははっきり見える私は、白鳳峠というのだろうか、広河原方面から鳳凰三山の少し西にある鞍部に至る山道まで見ることが出来た。夕食時には寝つきを良くするためと称してビール350mlを飲む。(^^;) 500円也。
就寝は8時前。前夜はフェリーで2時間ほどしか寝ていなかったので、横になるなり爆睡。