下る前にもう一度、八巻山を見納めする。
これから下る森と、谷を隔てて聳える高知方面の山なみ。
ここを東に進めば東赤石に至るトラバース道だ。このルートを選べば八巻山の岩場登りをしなくてもよい。しかし、ロックガーデンの花が見たければ八巻山経由のほうがいいと思う。
下りは山荘から沢沿いに下るルートを取る。
下り始めてすぐにウスノキの真っ赤な実が目につく。この前お味見したので、今日は味見はなし。
見上げれば、シャラの木なのだが、残念ながら木で咲いている花は見当たらない。一度でいいから山で咲いているシャラを見たいと思っているのだけど・・。
ヤマアジサイも咲いているが、やはり陽光の下で見るヤマアジサイは今ひとつだ。これだけはガスの中で見るのがしっとりとしていて良い・・・などと勝手なことを考えながら下る。道は3年前に登り下り下道なので、記憶もかなりはっきりしている。沢沿いに下るので、沢が見えない場所でもせせらぎの音だけはずっと聞こえる。
綺麗な樹肌の木が見える。リョウブだろうか。登りも結構な登りだが、下りもどんどん下る。
13時45分。途中の沢で休憩。レモネードの粉末を持参していたことを思い出し、沢ノ水に熔かしてレモネードを飲む。日が照ってきて気温も高めなのでとても美味しい。下りは普通、あまり水分は取らないが、この日は珍しく多めに飲んだ。
分岐のある場所が沢を渡渉する場所にもなっているが、休憩は入れずにそのまま下る。
沢の近くの繁みになにやら白い小さな花。
ゲンノショウコだ。
四国の山にはテンニンソウガ多い。
花は8月の末か9月ぐらいかな?
八間の滝の近くも通過し、瀬場と筏津への分岐に近付いた頃、後を振り返ると東赤石山がはっきりと見えた。
この場所から東赤石の姿を見たのは初めてだ。
15時10分、瀬場登山口に帰り着く。
足の痛みは北岳の1700の下りに比べるとかなり楽だった。末っ子もこの3年間でずいぶん歩けるようになって、体力は私とはもう逆転しているようだ。
帰り道はすっかり天気が回復して、山々がびっくりするほどはっきりと見えた。
画像は肉渕登山口からの二ツ岳方面を見上げたもの。かなりの標高差があって、迫力のある眺めだった。
二ツ岳も一度は登ろうと思うけど、多分その前に来年の初夏、ユキワリソウやキバナノコマノツメを見るために再び東赤石山に登ることになりそうな予感がする。