徳島の山並みを見るドライブは蕎麦干しの光景を眺めるドライブでもあった。
何年か前に、やはりこの場所を通りかかったとき、ガードレールに刈り入れしたソバを干してある光景が見られた。
山間部に行くと、日当たりの良いガードレールは格好の干し場になるらしく、稲刈りした稲や布団やその他いろいろなものを干してある光景に出くわす。
車道から少し下側の山の斜面を切り開いた畑の中に農家が一軒建っていて、家の周囲にソバをハゼに干してあるのが見える。車道から下らないと画像は撮れないな~と思っていたら、もう少し車道を登ったところから道沿いにハゼが見えた。
車も入れそうな道だけど、歩いても直ぐ近くなので、車を車道の縁にとめてゆっくりと歩く。
初夏にはこの辺りでは珍しく、ちっぽけな田んぼがあった場所だ。
斜面に柿の木が一本生えていて、赤い実がまだ20~30個見えている。今年は山の木の実が少ないと言うけれど、この辺りの柿はまだまだ実をつけたのが多い。
空の青とオレンジ色の実のコントラストがたまらないほど綺麗。だが、肉眼でははっきりと見えるその様子をカメラで再現する事の難しさ・・・。
車道沿いに何本もの支柱を立てて横木には長い竹を渡してある。道は緩やかなカーブを描いて伸びているが、竹の横木もカーブに沿ってうまくしなるのだ。
農家の方の知恵に脱帽である。
画像奥に見えている農家の方が保存食用にこうしてハゼにソバや大豆を干してあるのだろう。
たぶん数十年もこうして毎年ハゼつくりをしてきたのだろう。昔からの農作業の光景は見ていてもほのぼのとしてどこか懐かしい。
刈り入れて綺麗に束ねられ干されたソバ。
讃岐では私が子供の頃には大豆は畦豆と呼ばれていて田んぼの畦に植えられたものだ。県土が狭い讃岐ではそんな風にして畦といえども土地を無駄にすることはなかった。ところが今では畦はすっかりコンクリートにとって代わられ、今では大豆は普通の野菜と同じように畑で作られるようになってしまった。水田の畦に枝豆が植わっているあの懐かしい光景は、もう見るべくもない・
ハゼの横木の竹の間から見える徳島の山々。
こんな光景が毎日見れたらどんなに素敵だろうと思う。
場所を変えて眺めた山里の畑。
今の時期はすでに収穫も終わっていて、特に植わっているものもないが、畑の描く曲線が美しいと感じたのは、画像を後でモニターで確認したときだった。