初めての寒風山、その7、下山

時間の余裕は十分でしたが、12時20分に下り始めます。

この石鎚山系にはコースタイムを書き込んだ道標が立てられていて、登りでは桑瀬峠~寒風山が1時間、下りは寒風山~桑瀬峠が35分になっています。しかし、私の手持ちの地図には登りが1時間20分で下りが50分です。この道標のコースタイムはあまりにも短すぎるように思いました。

Tさんが一度、「このコースタイムは何を基準にして出した数字ですか?」と、管轄のお役所に尋ねたことがあるそうです。そうしたら「30代、40代、50代の年代の人に歩いてもらってその平均を出したものです」と、言われたとか・・。しかし、中には地図やガイドブックでコースタイムを調べずに登ってきた人が、この数字を信用して、笹ヶ峰まで1時間でいけるなら、ちょっと足を伸ばそうなんて話になって、実際はずいぶん余計に時間がかかって下りが遅くなるなんてこともありそうです。コースタイムは短目よりもむしろ長めに書いておいたほうがよいのでは?と話したことでした。特に最近は私達のような中高年の登山者が多いので速くは歩けないですね。

そう言えば、春にナスビ平から一の谷越~チチ山分かれ~中七番へと足を伸ばしたときも、昔の山仲間、S君がこのコースタイムは短めの設定だと言っていたような記憶があります。あのときも、同行の方が道標のコースタイムを見て、チチ山まで足を伸ばしたいと言ったのですが、S君は「時間的に無理」と言ってましたっけ。

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山道の傍らに咲くシコクフウロを、冠山を背景に入れて撮影してみました。

最近、背景を入れて撮影するのに凝ってます(^。^;)

シコクフウロもすでに実になりかかっています。

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山頂方面をもう一度振り返ります。登りのときと違って空が青空に変わっているので、笹の緑が引き立ちます。

P1150084アキノキリンソウもここではすでに花が終わっている株も見受けられました。

登山口付近ではまだまだ蕾ばかりでしたが、たった600mの登りでも、季節の相違が実感できます。

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笹原を抜けて樹林帯へと入ります。ここからは所々で岩場が出てきます。

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その岩場の一つに咲いていたミヤマヒキオコシです。ミヤマヒキオコシを撮影したのは初めてです。

普通のヒキオコシというのはやはり高知の梶ガ森でたくさん見ましたが、こちらのミヤマヒキオコシというのは絶滅危惧扱いの珍しい花のようです。

因みに香川の山で見られるのはタカクマヒキオコシです。これらヒキオコシの仲間はヤマハッカ属でどれもキツネみたいな顔をしています。

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岩場に咲いているダイモンジソウをもう一度見てみました。

岩肌のあちこちにいっぱい咲いていてほんとに可愛いですね。

良く見ると、中にちょっと変わった形の葉っぱもあって、なんだろうなと思っていたら、センダイソウというものらしいです。花はもうちょっと遅く咲くらしいです。

その他レイジンソウやメタカラコウなども咲いていたのですが、画像を失敗してしまいました。(^。^;)

この後、ハシゴ場の個所はちょっと遠回りですが迂回路を歩きました。

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桑瀬峠までもう一歩きというところまで下ってきました。

南の方角には6月に歩いた稲叢山や西角山が見えています。

丁度、峠になっているのがたぶん稲村トンネルから上がってきた分岐になると思われます。画像には写っていませんが、肉眼では鉄塔もはっきりと見えました。逆に稲叢山からはこちらの笹ヶ峰や寒風山がとてもよく見えます。

P1150098 もしかしたらこの辺から駐車場が見えるのではないかと思い、下を覗き込んだら、見えました。ほぼ真下といってよい場所に駐車場が見え、Tさんの車もはっきりと見えます。画像では中央の白っぽく見えている部分が駐車場です。

上から登山口が見える場所としては、南アルプスの北岳山頂直下から広河原を見たことがありますが、あそこは標高差1700m、ここでは標高差は400mぐらいでしょうか。400mの下りぐらいだと気も楽ですね。

P1150100 桑瀬峠近くまで下ってくるとさすがに笹ヶ峰はもう見えません。見えるのはチチ山から冠山に掛けての稜線だけ。

P1150101 不思議と桑瀬峠まで下ってくると、あれほどの青空が薄曇に変わって涼しいのです。ここはガスに巻かれることの多い場所なんでしょうね。

到着は13時30分。花を見るためにあちこちで時間を食ったとはいえ、山頂からの所要時間は1時間10分。やはり道標に書かれた30分という時間で下るには、わき目もふらずに小走りで下る必要があるかも?うちの末っ子と一緒に登れば、それぐらいの時間で下れそうではありますが・・・。その代わり、写真は一枚も撮れないでしょうね。

涼しいので、少し横になって目をつぶってみます。最近、すっかり山でのお昼寝が癖になってますね。

しかし、横になってたら、Tさんから梨の剥いたのが回ってきました。私などは、山に登る前は家族の食事をつくるので手一杯ですが、Tさんはいつもリンゴや梨の剥いたのを同行者の分も持参してくれるのです。頭が下がります。

1時55分、桑瀬峠を後にして歩き始めます。丁度良い時間、3時までには下れそうです。

何度もジグザグ道を折り返して、下ります。下っていても結構急登だったのだな~と思える登りなのですが、良く登ってきたものです。アサマリンドウは再び蕾が固い株になってきました。

P1150105_2 登山口付近で見かけた花です。

カニコウモリとよく似ているのですが、葉っぱがちょっと違うのです。剣山でカニコウモリは群生を見ましたが、カニコウモリなら花の時期がもっと早いはずだし、葉っぱも少し違うようだし・・・と思っていたら、どうやらウスゲタマブキという花のようです。キク科コウモリソウ属。花期は8月~10月となっています。

下山してきたのは14時40分。Tさんの膝が手術後なので、それにしてはまずまずの時間でしょうか。

登山口には朝よりも車が増えていて、峠越えのバイクなども見えました。

P1150106 登山口の横を通っている車道沿いには、朝は気付かなかったゲンノショウコが咲いていました。

P1150108 そして道をはさんだ反対側には赤花のゲンノショウコが・・。愛媛や徳島ではゲンノショウコは紅白の花が近くで見られます。

ゆっくりと荷物の整理などして、15時過ぎに車に乗り込みます。もしかしたらアケボノソウが咲いているかもしれないと思い、Tさんにゆっくり走ってとお願いしますが、残念ながらアケボノソウは見ることが出来ませんでした。途中、Tさんが眠いと言うのでKさんが運転を交代します。Kさんも運転がとてもお上手なのです。私も一応、免許書はウエストポーチに入れてましたが、出番なしで済みました。たまに人の運転だと、景色が良く見れて良いものですね。

この日はKさんが温泉セットを持ってきてなかったので、温泉には寄りませんでしたが、それほど大量の汗をかくこともなかったので、高速に乗る頃にはすっかり衣類も乾いていました。

早い時間に帰宅できそうなので、帰りは豊浜SAで名物の「伯方の塩ソフトクリーム」を食べました。トッピングに粒餡が乗った、塩味の利いたソフトクリームで、なかなか美味しかったです。

Kさんもご主人と歩くとすごくハードな山歩きになるけど、こんなデザート付きで写真を撮りまくりの山行ならまた行きたいとのことで、これからも時間さえ合えば、このトリオで歩くことになりそうな予感です。

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