北アルプスの記事更新の前に、一言だけ、記しておきます。
今日、アクセス数が200000を超えたようです。検索から来られた方が多いようですが、正直、これほど長く続くことになろうとは、自分でも意外でした。いまのところ、山歩きにも花を見ることにも、まだまだ夢中なことには変わりませんので、これからも何か深刻な事態が起こらない限り、ブログ更新が続くと思います。どうぞよろしくお願いします。
さて、記事の続きです。
シシウドガ原と思われる箇所を越えて、再び、樹林の中を登り始めます。
この付近から、いろいろな花が多くなります。
ベニバナイチゴです。恐らく日本海側などの豪雪地帯に多い種類でしょうか。私は秋田駒では見かけましたが、南アルプスでは見てないように思います。
秩父沢に着くより前に見ていたのですが、花がまだ開いてなくて、ここでようやく開きかけたものに会えました。キイチゴ属の小低木で、白や黄色が多いイチゴの仲間には珍しく、赤い花です。北アルプスでは珍しくなく、歩いているといくらでも目に付きます。が、登る時期が毎年、この時期なので、実のほうはまだ見てなくて、勿論、お味見もまだですね。
黄色花は高山では結構多くて、シナノキンバイなども同じ仲間ですが、シナノキンバイは花が大きいのでなれると見分けがつきます。
もう少し下のほうでもみかけたものの、すでに種になっていたので、時期が遅かったかと心配していました。
それにしても、去年はこの付近の登りは、午後からの新穂高歩き始めで余裕がなく、オオバキスミレもようやく撮影したという程度でした・・。つくづく、花撮影には、時間的な余裕が欠かせないと痛感しました。
去年もこの付近で、初めて、キヌガサソウを見たのでした。
私は山に登るときに、取り立ててその山に咲く花のリサーチなどはしないので、去年はまったく意外な出現に喜んだものでした。
今年は雪渓の様子があまりにも去年と違っていたので、花の開花時期がずれているのでは?と心配したりしましたが、それは杞憂に終わったようです。
相変わらず、女王様のように見事な咲きっぷりです。
少しいったところでは、すでに花色がピンクに変わったキヌガサソウも見られました。
キヌガサソウは咲いてしばらく経つと花色がピンクに変わり、真っ白な花もいいですが、ピンクに変わったのも素敵です。
今回の山行では、キヌガサソウはずいぶん多く、去年見た数の倍ほども見たでしょうか。
ミネザクラも咲いています。ミネザクラは去年は秩父沢で見かけただけでしたが、今年はやはり稜線上でもよく見かけました。
一体に去年より花が多かったように感じました。
ミネザクラは高山性のサクラで、今でこそ、毎年南アルプスや北アルプスに登っているので、この時期にサクラを見ても驚かなくなりましたが、7月半ばを過ぎて、まだサクラの花が見られるのは、なんと言っても山歩きをするものだけが見られる特権でしょうか。
サンカヨウは雪渓が解けた場所に逸早く芽生え、花を咲かせるようです。雪渓とサンカヨウは私の頭の中ではセットになっています。
どうやらシシウドガ原が近くなったようです。
陽射しの下で咲いているオオバキスミレは、なんだか私のイメージするオオバキスミレとはちょっと雰囲気が違いますね。
やはりオオバキスミレはしっとりとした雰囲気が好ましいです。
時刻は8時12分。すでに一時間以上歩いていることだし、ここで一本とることにしました。
私たちの前を歩いている人は誰もいないようです。
休憩していると単独の男性が一人だけ、先に歩いて行かれましたが、ほかには誰もおらず、この見事な眺めを二人占めとはなんとも贅沢な話ですね。
ミヤマハンノキと思われる枝の向こうには大ノマ岳方面が見えます。
空はまるで秋空のような雰囲気です。
休憩している直ぐそばに、なんとテンナンショウの仲間が見えます。四国ではどこででも見かけますが、アルプスでテンナンショウを見たのは初めてかも・・。
一見、ミミガタテンナンショウに似ていますが、この仲間は固有種が多いのです。葉がまだ展開してないので、同定は難しいです。
辺りは雪解け後に出てきたいろいろな葉っぱが見られて興味深かったです。
エンレイソウなどもそこかしこに綺麗に咲いていました。
シシウドガ原は、去年は一面の大雪渓に覆われて、夏道はとても歩ける状態ではなかったのですが、今年は雪渓も小さく、去年とはずいぶん様相が変わっていて、驚きました。