貴峰山に登った後、Tさんの車で、今度は奥白方へと向かいます。
1月11日に雨霧山に登った際に、弥谷越から奥白方へと下るへんろ道が通行可能という情報をいただいてから、この冬の間に、ぜひともルートを確認しておきたいと思っていたのでした。つまり、私にとってはこの冬の宿題とも言うべきコースでした。
問題は登山口ですが、山渓の分県ガイドに少し目を通してきたので大体はわかります。
それによると、虚空蔵寺というお寺の近くから登るらしいのです。もっと北にある林求馬邸(はやしもとめてい)付近までは何度か行っているので、その辺を東に向かって走ります。すると、丁度、弥谷越の麓の辺りにお寺らしきものが見えています。あれだ、ということで、そちらに向かって車を走らせました。
この画像は後日、奥白方付近から撮影した画像ですが、画像中央から少し右に最低鞍部が見えていますが、その場所が弥谷越です。
上の画像を一部拡大したものですが、クリックしていただくと、向かって右に弥谷山からの尾根が延びていますが、その麓の辺りにお寺の建物が見え、池の土手が見えています。その付近が登山口になります。
尾根の後ろはちょっとした谷になっていて小さな沢もありますがその沢沿いに登っていくようです。
鉄塔が立っていますが、あの鉄塔のある小ピークが、11日に見てきた隠し砦付近です。
地図に簡単なラインを書き込んでみました。ブルーのラインが1月11日に歩いたコースで、紫のラインが1月23日に歩いたコースです。
コンクリートの道までは車が入りますし、一台ぐらいは路上に駐車しても迷惑にはならないようです。
弥谷寺まで1.6キロとなっています。
しかし、弥谷越にはあれだけ立派な道標がたくさん立っているのに比べて、こちら奥白方側の道標はずいぶん粗末なものでした。
歩き始めは14時28分です。
この先も、弥谷越に着くまで、約30体近くの石仏が立っていたようです。
よく見るとヤブムラサキの木があちこちにあるようです。
この付近の里山には多いサルトリイバラも、しっかり見つけましたが、この後は沢筋の薄暗い場所を歩いたので、見かけることはありませんでした。
サルトリイバラは日当たりの良い乾燥した場所を好むようですね。
堰堤横には階段がついていて、数十段の階段は見ただけでため息が出ます・・。
数年前にこの道は恐らく台風のために通れなくなったので、この階段の道がついたのも、最近のことかもしれません。
やがて、沢は林の中では水量もほとんどあるかなしかというほど少なくなります。
道にはところどころで赤テープもつけられていて、迷うようなことはありません。
ただ、途中からは沢そのものがルートになっているようなので、大雨が降っているようなときや雨後は避けなければいけません。
数年前の台風のときに荒れてしまったのか、道は石がごろごろして、決して歩き易い道とは言えません。Tさんも「これがへんろ道?」とびっくりしたほどです。へんろ道というのはたくさんの人に踏み固められて、普通はずいぶん歩き易い道なのですから・・。
しかし、弥谷寺~海岸寺というルートは一般的なへんろ道ではないので、最近では歩く人もほとんどいないようです。
こんなしっかりしたお堂まで経っているということは、往時はそれなりに歩く人も多い道だったのでしょうね。
今ではすっかり荒れ果ててしまっているようです。
ノイバラのようですが棘もないようだし・・・。Tさんが「ヤマブキ?」といってくれたので、それに違いないということになりました。
他の場所ではヤマブキは見かけませんでしたが、お堂の近くなので、以前植えられたのかもしれません。
この画像からも分かると思いますが、こんな低山なのに、この辺りだけ杉が植林されているのでした。
この沢筋が台風で荒れたのは、杉の植林と無関係ではないように思えました。
セリ科の葉は瑞々しくて好感が持てますね。
こんな石仏を30体近くも持ち上げるのも、人の背にくくりつけて持ち上げたんでしょうか?
昔の人はずいぶん力があったものです。
もうすぐ弥谷越に着きそうです。
しかし、ほとんど消えていて、何の説明もありません。
「白方へ へんろみち」とある矢印が、今登ってきた道です。
この道標はこんなに立派なのに、登山口のほうは、道標などの整備がお粗末ですね。
確認すると、堰堤からここ弥谷越までの登りは標高にして約210mほどです。
弥谷越からちょっと下までは道もはっきりしているのですが、中腹から下は荒れているという印象を持ちました。やはり沢が決壊したか何かでしょう。
隠し砦付近まで行き、風を避けてTさん持参の熱いコーヒーとケーキをいただきます。熱い飲み物を飲むと、こんな低山とはいえ、冬場の山歩きではほっと一息つけますね。
下り始めはは15時45分でした。
丁度、前日と前々日に雨が降ったせいもあって、下りは滑らないように慎重に歩きます。
堰堤の下まで下ってきたのは16時30分でした。
私たちは撮影しながらのゆっくり歩きでしたが、普通に登れば40分ほどで登れるはずです。下りも雨の後でなければ、もっと早く下れるでしょう。
寂れてしまったへんろ道という印象が強いルートでした。
次回は黒戸山から見立不動院までの下りを下ってみたいと思っています。