お天気が曇り空ではっきりしないので、笹倉湿原から先の行程は湿原に着いてから決めようということになっていた。ここまで来るとせめて稜線まで出たいというのは人情というもの。これより先は笹の藪こぎになるかも知れないと聞いていた。ルートも2万5千図には記載がない。山と高原地図の「石鎚山」も5年前に購入した私のものにはルートは笹倉湿原までだが、Tさん所持の新しいものには一応、筒上山までのルートが点線で記載されている。どちらにせよ、はっきりとした登山道とはいえないようだ。S君が念のため鉈を腰につけた。最悪の場合は鉈で笹をぶった切る必要がある。〇十年前の山行を思い出す。
笹倉湿原を10時出発。ルートは赤テープが貼ってあって、それほど迷うことはないが、等高線に垂直に登るので、笹を掴んで体を引っ張り上げるという感じ。トップを歩くS君と距離が開いてしまう。いつも花の撮影をしながら、のんびり歩いているつけが回ってきたようだ。それでも20分も登ったら、頭上に空が見え始めた。待望の稜線だ。
稜線からは貼れていれば素晴らしい展望らしいが、この日は何とか周囲の山が見渡せるという程度。石鎚は生憎と雲の中。
嬉しいことに稜線には華やかな色のミツバツツジが咲いていた。この画像では色があまり出てないが、香川や徳島で見るミツバツツジとは色が違う。赤紫色といおうかずいぶん赤味の強い色で華やかだ。新緑の淡い緑と相まってとても美しい。
稜線に出てからしばらくは 道はほとんどアップダウンのない歩きやすいルート。
今度はシャクナゲが咲いている。しかも下が切れ落ちた断崖のような場予で咲いているので余計綺麗に見える。
7分咲きか8分咲きというところで、実に美しい。
バックにピンクに見えているのは勿論ミツバツツジ。
新緑に覆われた稜線上にちらほらと見えるミツバツツジのピンクが鮮やかだ。樹木はリョウブが多いが時折、丈の低いブナも見かける。そのほかにはガクウツギも咲いている。それにしてもリョウブはこちらの低山の標高200m以下でも見かけるが、ずいぶん適応力の強い木だ。ドウダンツツジの木もあっるが、ここのはサラサドウダンだそう。開花までにはまだ時間がかかりそうだ。
アケボノツツジの木も見られ始めたが、すでに花が終って葉っぱが出始めている。これは勿論S君からの受け売りで、去年、アケボノツツジの花を一度見ただけの私にはまだまだその時点ではアケボノツツジの木は見分けられなかった。
11時過ぎに平らな小ピークに着いた。1530m小ピークというそうで、休憩には絶好の場所だ。笹倉を出発して丁度1時間。時間的にもいいところだ。先ほどから休憩のときに行動食のチョコレートなどを齧っていたが、ここでおむすびを一個食べる。さすがに良く歩くせいかおなかが空く。↑画像は今から目指す筒上山。コルまではそれほど起伏がないようだが、ピーク手前ののぼりがきつそうだ。ルートは稜線をほぼ直登しているのだ。地図で見ると300mの登り。ジグザグに切ってあったり、巻き道なら大したことない登りだが、直登で300は結構な登りだ。南アルプス並みかも知れない。稜線伝いに反対方向からパーティーがやってくる。聞くと高知からだそうで、白猪谷を登ってきたとか。この筒上山は県境になっており、稜線の東が高知、西は愛媛だ。稜線上を歩くと右足が高知で左足が愛媛という按配。
出発しかけたところへ、またまたたくさんの人数のパーティーがやってきた。かなりの年配の方も見られる。きつい下りだったそうだ。ということは、当然、登りは相当きつい??
歩き始めてしばらくすると笹の中にエンレイソウが咲いている。しかも紫エンレイソウだ。二輪咲いているが二輪とも綺麗な紫色。
しかしこんな笹薮の中でエンレイソウを見たのは初めてだ。他にもツクバネソウなども咲いている。