阿讃山脈は最高峰の竜王山でも標高1060mという高さだ。
吉野川の南にそびえる剣山系と違って、昔から阿波と讃岐の間の行き来が頻繁に行われていて、生活道路が縦横に走っている。山容も穏やかなイメージを与える。
秋にこの山里をドライブしたときは蕎麦の花が 真っ白に咲いていた。
そして今は、一面のタバコ畑が広がる。
数年前にもぽつぽつとタバコが作られていたが、今年は見事なまでにタバコ畑一色となっていた。
私が子供の頃は近所でもタバコを作っている家が結構あり、タバコの刈り入れ後の乾燥作業は数夜を徹して行うそうで、それは重労働らしいと、母から聞いていた。タバコを乾燥させるための独特の納屋のような建物があり、タバコ農家は一目瞭然だったが、今では香川にはタバコを作る農家は少ないと思う。
ほとんどの株はまだ花が咲いてないが、中に数株だけ花が咲いている。あの百害あって一利なしといわれ、目の敵にされるタバコの花とは思えないような綺麗なピンクの花。
もしかすると我が家で育てているニコチアナ(花タバコの花)より綺麗かも知れない。
ガードレールから下を見下ろすと、転々と白く咲いているのはジャガイモの花。その下はキュウリ畑だろうか?どれもすくすくと育っている。
この準高原地帯の気候は野菜の生育にはぴったりのようだ。
収穫が終わった小さな玉ねぎ畑には、おそらく去年の秋に植えられていた蕎麦の種がこぼれたのだろう。白い蕎麦の花と赤蕎麦の花が咲いている。
数年前には道路ぶちの畑に赤蕎麦が一面に作られていて、それはそれは綺麗だったが、去年はとうとう作られなかったらしい。赤蕎麦はヒマラヤ原産らしいが、収量の点で普通の白い蕎麦に劣るとか。
私が見た中では一番高い場所で作られていた田んぼ。標高は600mはあるだろう。平地に比べると、10分の1ほどの広さだが、その農家の食べる量をまかなうのだろうか?
畦には早くも草が生い茂っていて、一株だけ、ホタルブクロが咲いていた。
帰りがけには思いがけず、展望が少し得られた。
画像ではほとんど見えないが肉眼では剣山方面がちゃんと見えた。
珍しい事なのか、近くのお年寄り3人ほどがガードレール越しに眺めていた。
こういう風景・・・なんとも言えず好きだな。