山頂は晴天ならば360度の大パノラマだそうだが、ちょっと残念なことに近くの展望はあっても雲がかかってうんと遠くまでは見えない。
下りは車道を下ろうということになり下り始める。
梶ヶ森山頂は今ではアンテナが立っているが、その昔、私が中学のとき登った写真ではアンテナは勿論なかった。その代わりガスに巻かれた画像になっていたはずだ。
下りかけたら、山頂までワンボックスカーで登ってきたご夫婦に話し掛けられた。「途中で会いませんでしたが、どちらから来られたんですか?」どうやら登山道があることをご存知ないらしい。結局、この日ほかに梶ヶ森に来ていた人でお会いしたのはこのご夫婦だけ。
山荘の方からは山頂付近にウメバチソウが咲いているかも知れないと聞いていたが、登山道わきには咲いていなかった。それがアスファルトの車道を下っていると山頂直下にウメバチソウが咲いていた。Rさんの話では日当たりの良い草原のようなところに咲くと言う。私は野草店などでウメバチソウを見たことは何度かあるが、自生のものはこれが初めてだ。野草店でみたのより、花が大きいように思う。
ユキノシタ科ウメバチソウ属。ユキノシタ科というのはちょっと意外だった。
笹と一緒に咲いている様子は、可憐ながらもなかなかたくましい花だということを窺わせる。
リンドウの花もやっぱり点々と咲いていて、まさに花散策。
下りに歩いた車道は画像中で、白い車が走っている道。普段は山に登っていて車道を歩くのはあまり好きではないけど、ここは展望がすごくいいのと、曇りがちのお天気で風が爽やかに吹き抜けるのとで、とても気持ちがいい。因みにこの日の私は最初から最後まで半袖のTシャツでちょうど良かった。
道路わきの岩肌にリンドウが咲いている。草原で咲いているのはそれでも草丈が20センチほどになっているのもあるが、岩肌のは草丈5センチなのに、花だけは同じ大きさの花だ。頭でっかちのところがとても可愛くて、ちょっと高山植物っぽい雰囲気。
中にはこんなに花つきの良いリンドウもあって、環境によって花の姿も異なることが良くわかる。
遠くに見えるのが同行のRさん。
車道といったって、ほかに車など通らないので、道の真中を歩いたって平気。こんな気持ちのいい花散策も珍しい。
車道沿いに2,3輪だけ咲いていたカワラナデシコ。こんなに標高の高い場所で見たのは初めてだ。亜高山らしく、草丈は15センチ足らず。
まだ1時50分なので、下る途中の梶ヶ森の水場に立ち寄ることにした山荘の少し上で車道からほんの少し樹林に入ると水場がある。山荘のまろやかなコーヒーはこの水で入れているのだろう。確か霊水と書いてあった。
樹林入り口でテンナンショウの実がそろそろ赤く色付いているのに出会う。
水場付近の風景。オタカラコウがあちこちで咲いている。4年前、ここでトリカブトを見た記憶がある。
登山道は山荘の裏を通ってこの水場を通過しているのだ。
近寄ってみるとアサマリンドウだった。しかし、樹林の陰になる場所なので、花が開いてない。
直ぐそばの繁みにシコクブシが咲いていた。車道のそばで見たのはピンクだったが、こちらは普通の色をしている。
モリイバラというのだろうか?私はバラは門外漢なので、山で咲くノバラはタカネイバラぐらいしかわからない。標高1200で咲いているのだから、普通のノバラではないだろうし、葉も普通のノバラより小さい。