キレンゲショウマの花の季節には、この辺りは一方通行になります。道は行場付近をぐるりと周回するような感じです。
3,4年前まではそんなこともなかったのですが、年々、キレンゲショウマが有名になり、京阪神からはバスで団体さんが訪れるので、そんなことになったようです。実際、キレンゲショウマが咲く行場付近は道も狭く、中には足場の悪い岩場もどきの場所もあるので、数十人もの団体さんが歩くとすれ違うのが大変です。
今回もお盆明けで人は少なめでしたが、それでも、歩いている方がちらほらいます。キレンゲショウマを見に来る人は、やはり、朝の清々しい花を見に来る人が多いですね。
一方通行の指示に従って歩くと、まず目につくのはこの岩場のキレンゲショウマです。かなり険しい岩場の割れ目から出ている株で、鹿もさすがにここには近づけないようで。見事な大株です。
画像の向きが違うんじゃないの?と言われそうですが、そうではありません。ほぼ垂直に近い岩壁なのです。
道はこの岩場の下を回りこむようについていますので、真下から撮影してみます。
こちらは去年撮影した画像ですが、キレンゲショウマにはガスがよく似合いますね。実際、この行場付近は他が晴れていても、この付近だけはガスっていることが多く、この場所で青空を見るのは珍しいかも知れません。
その青空の下でのキレンゲショウマ・・とても珍しいと思いました。
手の触れる近さです。キレンゲショウマは草丈が1.5mほどもあるので、登山道わきの株は丁度目線の高さで咲きます。しゃがみ込んで撮影する必要がないのです。
後方からのアップ画像です。花は一度に咲くのではなく20日間あまりもの間、次々と咲き続けます。ですから、蕾もあれば、見頃の花もあり、咲き終わった花もあるという具合です。しべが二本だけ突き出ているのは咲き終わった花で、今回はまだ実になったのは見ませんでしたから、咲き始めが遅かったようです。
花弁はかなり分厚くて、花の色の淡い黄色はユウスゲの花の色に似ています。
15分ほど歩くと、一方通行の始まりの場所に周回し終わります。その手前がもう一つの群生になっています。ここは3~4年前までは山道をはさんだ山側斜面と谷側斜面の両方にキレンゲショウマが一面に群生してそれは素晴らしい眺めでしたが、近年は鹿の食害がひどくて、ずいぶん減りました。去年から防護ネットで谷側の花は保護していて、少し回復しているようですが、山側の株は防護しておらず、ずいぶん哀れな様子でした。石鎚山系は鹿もあまりいないので食害はないようですが、ここ剣山系は山が深いので、熊、鹿、カモシカなど、まだまだたくさん棲んでいます。
Tさんもまたずっと以前のキレンゲショウマの見事な群生を見てる人なので、二人で「あの以前の群生を再び見てみたいね~」と話したことでした。
歩く人もほとんどいないので、少し広くなった山道のわきで、ザックをおろして少し休憩することにしました。毎年、人の少ない時期を選んで訪れるので、キレンゲショウマ自生地で休憩することにしています。周囲はナナカマドなどが繁る、とても気持ちよい森になっているのです。