再び、車に乗って、別の場所に移動します。
最後に見に来た場所は、4月の初めからもう3度も見に来ている場所です。秋の野草は比較的長い間咲いているのですが、春は一週間ぐらいのサイクルでめまぐるしく変化するので、しょっちゅう見に来るようにしています。
4月上旬にはまだ葉が出ていなかったクロフネサイシンの葉っぱを確認したのは4月20日頃でした。そして、4月25日には花まで確認することが出来ました。この辺りで見かけることができるカンアオイの仲間はミヤコアオイとクロフネサイシンぐらいです。
クロフネサイシンは冬の間は地上部がなくなり、春になると葉っぱを出します。その出してきた葉っぱはスミレの葉っぱにちょっと似ています。スミレサイシンがサイシンとつくのは葉っぱの芽出しの様子がサイシンに似ているからと、どこかで読んだ記憶があります。
野草友達にこのクロフネサイシンの花を最初に見せていただいたときは、ずいぶん驚きました。こんな地味なものが花??という何とも不思議な思いでした。
ところが、このカンアオイの仲間にはどうやら熱狂的なマニアがいるらしく、やはり盗掘の対象になるというからびっくりですね。
ヤブレガサでしょうか、ニシノヤマタイミンガサでしょうか。可愛い芽だしの様子です。
因みにこちらは4月19日のニシノヤマタイミンガサの芽出しの様子です。
ヤブレガサ同様、ユーモラスな春の風物詩ですね。
19日に来た時には咲いてなかったアカネスミレがこの日は咲いていました。
アカネスミレの特徴はなんと言っても、全体に細かい毛が生えていて、葉っぱなども触るとビロードのような手触りがあるので、直ぐにわかります。また、花の色も明るい紫色で独特だと私は思っています。
アカネスミレの直ぐ手前に何かの芽がつんと出てきているのはチゴユリの芽ですね。ここはチゴユリが大群生する山でもあります。
しかし、葉の色が少し薄くなっています。ハグロスミレの葉っぱは時期によても色が変わるということを聞いたような気がします。
こちらは4月8日撮影のハグロシハイスミレですが、葉の色がずっと黒っぽいですね。
花の華やかな色と、葉っぱの黒さが妙にマッチしています。
因みに19日に撮影しているシハイスミレの中から、気に入ったものを紹介しましょう。
これはフイリシハイスミレの白花に近い花です。
こちらは葉っぱの中央に白いラインが入るもので、コンピラスミレと呼ばれているものです。
実際、私が時々行く、金比羅さん近くの山ではこのように葉にラインが入ったシハイスミレがとても多いです。
このようにシハイスミレは葉にも花にも変異が多いスミレだと、山歩きをしていると実感します。
トリガタハンショウヅルの花はもう少しで完全開花というところです。
そして今年も3月末から、ずいぶんあちこちで見かけたシュンランが、4月末だというのにまだ咲き始めの姿も見せてくれたのでした。