休憩途中で、営林署の方なのか、二人の男性が朝日岳方面に向かっていきました。ザックも小さく軽装なので、ちょっと上までしか行かれないようです。実際、この方たちには蓮華の森付近で、この後、追い越されたのでした。日々、山を仕事場にして歩かれている人は歩みも速いですね。
お昼休憩を終えて、私たちが最後の歩きにかかったのは11時半でした。
ここ白高地沢から蓮華温泉までのコースタイムは地図には細かく表示はされてなくて、ひっくるめて2時間20分となっています。また、朝日小屋から蓮華温泉までのコースタイムが7時間ですから、前日に続いてまずまずのロングコースなのです。
仮設の鉄橋を渡り終えて直ぐのところにウメバチソウを見つけました。朝日岳の山頂付近でも見つけましたが、まだ花芽が小さかったのが、ここではかなり膨らんでいます。このぶんだと10日か2週間後には咲きそうです。上手くすれば7月末にウメバチソウが見られる?私は毎年、高地の梶が森で9月末か10月初めにみているんですが、雪国では春が遅くて、それなのに、秋の到来は早いんですね。撮影はしませんでしたが白高地沢辺りではヒヨドリバナの仲間も花盛りでした。
6月中旬~9月中ぐらいまでしか、かかってないそうです。後は撤去されるとか・・。
前を歩いている人も仕事関係の方だろうと思います。荷物を持っていませんでしたから。
沢沿いに小さなプレハブの小屋が建っていて、中では登山者の人たちも休憩しているようです。小屋の前にストックやザックが置いてあるのは、作業の方のではないですよね。
こんなところに小屋があるとわかっていたら、ここで休憩させてもらっても良かったのですが・・・。でもこれは作業関係の方の休憩所か何かでしょうね。地図中には何の表示もないですから。
道はこの小屋の手前で右に曲がって、樹林の中に入っていきます。
見たことがない花ですが、レイジンソウに似ています。
帰宅して調べたらオオレイジンソウです。
四国ではレイジンソウは時々見ますが、これは本州(中部地方以北)と北海道にしか分布しないそうで、珍しいものを見られて良かったです。周囲にはトチの葉っぱも見えています。
この辺りからはアップダウンのあまりない樹林の道が続きますが、生えている木も草もえらく巨大で、ジャングルを思わせるような光景でした。同じ北アルプスでもワサビ平辺りではこれほど草木が巨大に繁ってはいませんから、雪解けの豊富な水と、海に近いため気温が高めなのが関係しているかなと、素人考えしたことでした。
渡り終わったYさんが対岸で待っています。
圧倒的な緑ですね。
2ヶ月ほど前にはさぞかし可憐なお花畑だったことでしょう。
後で山渓を読んで知ったのですがミズバショウの実はクマの大好物らしいです。
この先にはブナもありましたから、これだけの森ならクマもいておかしくはないのでしょうね。
これはオニノヤガラですね。去年もワサビ平で見かけましたが、ここでは花も咲き始めています。
珍しいそうですが、この後も数回見かけました。
少し向こうの木には見事なツルアジサイが真っ白に花を咲かせています。
雨はずっと小雨が降っているのですが、樹林の中なのでそれほど濡れません。
ウバユリの花も見かけました。ウバユリって四国ではたくさん見かけますが、本州ではあまり咲いていないようですね。
左上から時計回りにサンカヨウ、シラネアオイ、トチバニンジン、ユキザサの実です。
ユキザサとトチバニンジンの実は熟すると赤くなります。
サンカヨウの実は食べられると、どこかで読んだので、このとき1粒食べてみましたが、味は無味ですが喉が渇いているときには美味しいと感じるかも・・。
Yさんも食べてみましたが、彼女の感想は香りが良いとか・・。
いかにも美味しそうにいくつもいくつも実がなっていましたから、少し早い時期に歩くと、ここも結構お花が見られるんでしょうね。7月半ばはすっかり実りの季節になっていました。
キソチドリも見かけましたが、薄暗い樹林の中だし、雨も降ったりで、ろくな画像は撮れませんでした。
道は平坦で歩きやすいので、何か咲いてないかときょろきょろしながら歩いていると、アクシバの花が目にとまりました。
毎年、東赤石で見かける花ですが、今年は見てないので、丁度良かったです。
東赤石のは株が小さくて、30センチほどしかないのですが、ここのアクシバは木も大きくて、樹高1mぐらいもあって、びっくりしました。この辺りの植物は何でも育ちがいいです。
木の株元に白い小花がいっぱい咲いているので、何かと思えば、ツルアリドオシです。
四国でもたまに見かけますが、こんなに群生しているのを見たのは初めてです。
この辺りは咲いている花が少なかったので、こんな小さな花でも咲いていると嬉しくなります。
アリドオシのほうは去年、高知の室戸岬で見たのですが、アリドオシは低木、ツルアリドオシは草本のようです。どちらもアカネ科アリドオシ属で、花はそっくりですね。花後はどちらも赤い実をつけます。どちらかというと実の方が良く見るでしょうか。
やがて少し雰囲気が変わってきて、オニシモツケの花なども咲いています。
休憩時に地図確認したところ、白高知沢の後でもう一回沢を渡る場所があると思いましたが、それがこの橋のようです。
渡る川は瀬戸川というようです。
こんな山奥にしては立派な橋です。
沢の水量は雨の割にはそれほど多くはないようですが、それでも轟々と流れています。
後ろを見たら、沢の左岸が断崖絶壁になっていて、いろいろな花が咲き乱れています。
レンズを慌てて望遠レンズに換えます。
少しズームするとこんな具合です。白いのはオオバギボウシとして、オレンジ色の花はどうやらコオニユリのようです。
枝垂れて咲いているので、徳島の山中ドライブしたときに見かけたホソバコオニユリかもしれません。珍しい花を今年は2度も見ることになりました。
黄色い花はハクサンオミナエシでしょうか?距離が10mはあるので、ズームしてもこれが精一杯です。
橋を渡り終えたところで、もう一度、地図を出して確認します。実を言うと、今回はそれほど詳細なルート予習はしてなくて、ただ、朝日岳から蓮華温泉への行程は、最後に300mほどの登り返しがaって、それがきついと聞いていました。2年前からこのコースを歩きたいと考えていて、たまたま千葉の先輩に電話をかけたとき、奥様のほうの先輩が留守で、ご主人のほうの先輩が電話に出られたのですが、そのときに雪倉~朝日縦走のことを話したら「蓮華温泉への最後の登り返しでばてたよ」とのこと。この先輩は尊敬してやまない先輩で、山の知識は勿論、日高も2度も縦走しているぐらいの体力のある先輩です。その先輩がばてたというぐらいなので、戦々恐々としていたのです。このブログにリンクしている方で山歩きのブログを持っている方も、やはり同じ登り返しでばてたと書いていました。
瀬戸川が今回の3泊4日のコースの中で標高がいちばん低い場所で1200m弱です。ということは1470mの蓮華温泉までは300mほどの登り返し?そんなことを話していると、後ろから単独の若い女の子がやってきました。続いて、50代ぐらいの夫婦連れの方もやってきます。
若い女の子は地図を落としたというので、驚いて地図を見せてあげます。初めてのコースで単独で地図を落とすなんて、何かあったら、どうするんでしょう??幸いにもこの日は同じコースを下ったのが私たちも含めて7,8人はいましたが、初めてのコースでの無理は禁物です。
これからの登りに覚悟を決めて、いざ登り始めます。300mの登りですから、どんなにゆっくり登っても、1~2時間見ておけば絶対に着かないはずはありませんから・・。
最初は急登が続きますが、先ほどたくさん食べたせいか、足が思ったよりスムーズに上がります。
薄暗い樹林の中で、咲いている花もあまりないので、集中して登りました。
左上の白い花はバイカウツギで、これも四国では時々見かけますが、本州の山ではあまり見かけないようです。
タマガワホトトギスは蕾ばかりで、咲いているのが一輪もなかったのが残念でした。私はまだ咲いているタマガワホトトギスを一度も見たことがないのです。
急な登りも一段落して、湿原の兆しが見え始めます。そろそろ兵馬の平が近そうです。
小さな沢を渡ろうとしたら、こんな花が咲いていました。
これも去年の夏に九州をドライブした際、湯布院の町を散策していて見かけた花です。
丁度見頃で、綺麗な紫の花に最後の登りで元気をもらえました。
13時37分、「兵馬の平」に着きました。兵馬の平とは何かいわれのありそうな名前ですが、検索しても何も出てきませんでした。
辺りはオオバギボウシやクルマユリの咲き乱れる湿原で、良いところでした。
クルマユリも咲いています。
クルマユリの花を見るのはずいぶん久しぶりです。
コバイケイソウはすでに実になっていて、この日だけでコバイケイソウの芽だしの姿から実のなっている姿まで見られました。
ヒオウギアヤメは終盤でしたが、その代わりシモツケソウが咲き始めていました。
いろいろな花が咲いているようですが、望遠で引き寄せてもこれが精一杯で、よくわかりません。
やがて、兵馬の平を抜けて、道は再び樹林の中の道を登り始めます。
しかし、瀬戸川を渡った直後のような急な登りではなくて、緩やかな登りです。
登り返しがきついだろうと覚悟していた割にはあっけなく終わったので、ちょっと意外でした。
途中から雨がまた降り始めましたが、雨具を着ると蒸れて暑いので、私はその前から折りたたみ傘をさして歩いていましたが、Yさんも最後は折りたたみ傘を差します。
樹林の中を黙々と30分近く歩いたら蓮華温泉ノキャンプ場へ向かう道にひょっこりと出ました。
蓮華温泉に着いたのは15時丁度でした。
着替えやタオルなどは車の中なので、蓮華温泉の前を通って駐車場まで歩き、濡れた雨具や登山靴、靴下などを脱いでから、温泉に向かいます。
最後は雨もかなり激しくなって、山の中でこんな激しい雨に遭わずに済んでほんとにラッキーでした。
蓮華温泉は少し登ったところに露天風呂もありますが、混浴なので、さすがに35年前も今回も内風呂を利用しました。(^_^;男の人は露天風呂もいいでしょうね。
1日目の白馬大池への登りの途中で撮影した、蓮華温泉の露天風呂付近の眺めです。
温泉で4日分の汗を流した後、お風呂上りに乾杯といきたいところですが、その後、運転が控えているので、ここは冷たい沢の水で冷やしたコーラで乾杯しました。
後で気付いたのですが、温泉では雪倉から同じコースを歩いた若い男女連れの女の子も一緒でした。この若い男女が大きな荷物にもかかわらず、下山は一番手だったようです。
後の夫婦連れの方や単独の女の子なども無事に下山して、宿泊の手続きをしているようでした。バスの時間が限られているので、マイカーでない人は泊りになってしまうようです。
下山から1時間経った16時、蓮華温泉を後にしました。
翌日から3連休だというのに、天候不順なせいか蓮華温泉の駐車場は車も少なかったです。
車道を平岩の駅まで下る途中、山の姿が見えたので、車をとめて撮影しました。
これが朝日岳の姿かどうかはわかりませんが、長かった歩きもこうして下ってしまうと、もっともっと山にいたかったな~と思うから不思議です。
学生時代もやっぱり、そんな思いで登ってきた山を振り返ったのを思い出しました。
「まだ後3,4日は歩けるような気がする」」とYさんがポツリと・・。
私もそんな気がしました。
学生時代以来、何十年ぶりかでしっかり歩いた4日間でしたが、溢れるほどの花に出会い、長丁場のコースを歩きとおしたことに、なんとも言えない充実感に満たされました。
この後、小谷の道の駅で、お蕎麦を食べに寄りましたが、結局、その後Yさんを松本まで送りました。松本駅でYさんと別れた後、高速に乗って四国の自宅に着いたのは、翌18日の朝8時でした。途中、Yさんから携帯メールをもらい、大雪山系の遭難のことを知りました。
中央道は激しい雨でしたが、何とかやり過ごし、名神道に入ってからは何度か休憩&仮眠をしながら帰りついたのでした。
帰りついた四国の我が家では、その日は朝から猛暑でカンカン照りでしたが、雨に濡れたザックや靴も一日で乾き、たくさんの洗濯物も全部、その日のうちに片付いて、良かったです。
何歳まで山に登れるかわかりませんが、今回の山行は、長い人生の中で最も記憶に残る山行の1つになったように思います。