やがて山道はジグザグと斜面を上がり始めます。
この冬はほんとうにお恥ずかしいほどまともな山歩きをしておらず、最初のペースをゆっくりすることさえ忘れていた始末で、息が上がりそうになって苦しかったです。やがて、ちょっとペースダウンして、ようやくいつものペースで歩きます。
足もとにキノコを発見しました。
山を歩いていてよくキノコを見かけるのはやはり秋口ですが、こんな季節にキノコも珍しいです。しげしげと見ると、シイタケに似ています。
特にこのひび割れたような模様があるのは「どんこ」と言って、肉厚で美味しいしいたけです。乾燥品でも、普通のシイタケの倍ぐらいの値段です。
直ぐ近くにもう2個ついていました。木についているので、恐らくシイタケで間違いないだろうと思って採取します。香りもシイタケの香りですね。
因みに採取してきたシイタケは翌日のすき焼きに入れて食しましたが、歯ごたえのある美味しいシイタケでした。最初は気味悪がっていた主人もそのうち美味しいと言って食べました。ちゃんと生きているので、しいたけに間違いないですね。それにしても野生のシイタケを採ったのは初めてでした。
子供の頃から父にキノコ狩りに連れ歩かれた私は、小学生の頃にはかなり上手なキノコハンターでした。マツタケも見つけたり、ハツタケなどは幾らでも採ったものです。この辺だと松の葉っぱの積もったところなどを掻き分けると見つかります。
ヤマコウバシの木でしょうか。新芽と茶色い葉が同時に見られるというクスノキ科の樹木です。香りがあるらしいですが、今回は香りを確認するのを忘れました。
樹質が固く、ため池のユルに使われるということだけ、人に聞いて憶えています。
去年の3月の末に登ったときには花が咲いていたヒメハギの株も花芽さえまだ見当たりません。
ヒメハギはこんな乾燥した場所が大好きなようです。
コウヤボウキの綿毛はあちこちで見ましたが、さすがに春が来ようという季節ですので、風で飛んでかなり綿毛が減っているのも見受けられます。
少しピンクを帯びた美しい綿毛です。
細長いドングリも落ちています。長いのはシイの実だと聞いています。
この前高知の横倉山で、一番の見分け方は、生で齧ってみて、クリのような甘味があればシイの実だと聞きました。
齧ってみると確かにクリみたいな味がします。これもビニール袋に30個ほど拾って帰ります。帰宅して、炒っていただきました。
冬の山は何もないように思いがちですが、いろいろと見るもの採取するものがありますね。