サイヨウシャジンの花に寄せて
お盆に実家のお墓にお参りに行って以来、半月ぶりで実家方面へと行ってきました。
お盆には娘の車に乗せてもらっていったので、いつもの野草ウオッチのポイントに寄ることが出来なかったので、今日は忘れずに車をとめて見てきました。
今年は草刈がずいぶんしてあって、いつも見ている田んぼの畦のサイヨウシャジンは、見事に刈られてしまい、花を見ることが出来ませんでした。しかし、草刈後に伸びた花茎がちゃんと蕾をつけているので、9月末には花が見られることでしょう。
道の反対側にかろうじて、草刈を免れた株が数株あって、花を見ることが出来ました。県内で咲くシャジンはいかにもツリガネニンジンという花の形のもありますが、この場所で咲くのは花冠の先がすぼまっていて、サイヨウシャジンに近いように思います。
実は今日は半年ぶりに高校時代のバレー部の仲間との集まりがあって、実家近くの友人宅に行ってきました。
今日お邪魔していた友人宅のエントランスです。築70年の民家を骨組みをそのまま利用してリフォームしたそうです。
友人宅が手狭になり駐車場を確保するために物件を探していたら、たまたま自宅直ぐ北側の築70年の家が売りに出ていたそうで、即決で買ったとか・・。もともとの自宅には彼女のご両親がそのまま住んでいいますが、ご両親とも病後なので、近くでいて、しかも婿養子のご主人さんがご両親に気兼ねなく折れる場所が欲しかったそうです。
取り壊して新築するより、柱などはしっかりしているので、それを利用して手を入れたほうが、ずっと長持ちする住宅に仕上がると勧められたそうです。確かに梁などは太くて立派です。
手前に敷いてある石は彼女のご主人が石を買ってきて敷いたそうです。
この石もご主人が敷いて、二人でいろいろな花を植えたとか・・。丁度斑入りのギボウシが綺麗に咲いていました。
黒っぽい玉砂利もHCで買ってきたのを敷き詰めたそうです。
彼女のご主人はかなり年上で、今春、定年退職されたとかで、自由な時間をうまく利用されたようです。
広さは10畳と8畳だったかな?
床の間は我が家と反対側にあります。逆勝手だったか、本勝手だったか・・。
欄間の作りも我が家と似ていますが、我が家のほうがもう少し古いので、彫り物がもう少し凝っているかも・・。
正面の丸い窓は友人の注文でつけてもらったそうで、遊び心ですね。ほんとは窓から見える景色が額縁の絵のようであればいいのでしょうが、残念ながら窓の向こうに生えていた松を切られたそうです。
この日、集まったのは、仲間の一人のお母さんが5月末に急にに亡くなったので、ほんとはお参りさせてもらうのが筋ですが、彼女のご実家には彼女のお姉さんが跡を取って住んでらっしゃるので、別の友人宅で集まってご仏前のお線香や果物を渡すのが目的でした。
台所はIHヒーターを組み込み、こじんまりしてはいますが、使い勝手が良さそうでした。
並べているのは囲炉裏の上です。囲炉裏は友人のご主人の希望で作ってもらったそうですが、夏場なので板で蓋をしてあり、今は座卓と同じように使っているそうです。
料理は綾歌在住の友人が来る途中の田舎の産直のお店で買ってきてくれました。私はお供えの果物調達を頼まれたので、来る途中で果物を買った高知系のスーパーで、カツオやアジのタタキとカンパチなどのお刺身などを買いこんできました。タタキはやっぱり高知のものが美味しいですね。
手前に置いてあるのはバラ寿司ですが(讃岐の郷土料理です)ジャガイモや穴子入りの豪勢なものでした。因みに主人の叔母もジャガイモ入りのバラ寿司を作ります。うちの母は5月にはソラマメや竹の子、里芋の季節には里芋を入れて作っていました。ほかにも牛蒡、油揚げ、こんにゃく、ニンジン、小海老、レンコンなど具沢山なのが讃岐のバラ寿司の特徴です。
デザートはうちの畑で今朝もいだばかりの西洋イチジクと横浜の友人が送ってくれたはまなしです。(横浜産の立派で美味しい梨)
5月末になくなった友人のお母さんは、全身にガンが転移していて、自宅でそれまで過ごせたのが不思議なぐらいの末期だったそうです。彼女とお姉さんは悩んだ末、ガンのことをお母さんに告知したのだそうです。最近では本人にもガンを告知する傾向にあるそうですが、告知をされた時の反応はほんとに人ぞれぞれらしいです。生への執着を露にする人も多いそうですが、彼女のお母さんは涙一つこぼさず「わかった、それなら私にもしておかないといけないことがあるから」と言って、娘たちに頼んで翌日には銀行でお金を下ろしてもらい、目の前でお姉さん、お兄さん、彼女に分けたそうです。そしてその10日後に亡くなったそうです。お年寄りがお金に執着して、亡くなった後、醜い兄弟間の揉め事になるのをお母さんは見たことがあったので、そういうことを避けたかったのでしょうね。
考えてみれば、ここ数年、仲間のお母さんが立て続けで亡くなり、この1月には仲間の息子さんまで海で死んでしまいました。そういう年代になったということもあるでしょうが、私たち自身もそろそろ死というものに向き合って生きなければならない年代に入ったのですね。
最近は、都会で生活し、自分の親や配偶者の親の老いていく姿を目の当たりに見ない人も多いようです。しかし、こうして親の面倒をきちんと看る田舎の生活こそほんとうの意味での生活なんだな~と、友の話を聞きながら感じたことでした。
余談になりますが、友人宅の玄関にはさりげなく男物のと女物の下駄が置かれていて、庭を見せてもらうのに、ちょっと履かせてもらったら、履き心地が抜群でした。足にしっくり馴染むのです。訊いたら、直ぐ近くのお店で製造直売しているというので、帰りに寄って、一つ買い求めました。
鼻緒は友禅柄の可愛いもので、下駄の材料は桐だそうです。お店の前に霧の木片を積んであったので、あれが下駄になるのでしょう。一足2500円というお値段は安いのか高いのか、よくわかりませんが、うちの庭にも似合いそうです。鼻緒が傷んだら、すげ替えてもらえるとか・・。実家の近くなので、また立ち寄ろうと思います。
買ってきた下駄を母屋への靴脱ぎ石の上において見ました。良い感じですよ~。新品なのに、足に馴染みます。
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