« 北岳に登る、その1、広河原まで | メイン | 北岳に登る、その3、ヤグルマソウなど »

2006-07-16

北岳に登る、その2、ミヤマハナシノブ

野呂川の吊り橋を渡ると直ぐに、いかにも山小屋風の作りの広河原山荘の建物が目に付く。

この日の泊まりは白根御池小屋で、御池小屋には樹林経由のルートが直接小屋に通じているが、暑い時期だし、沢沿いのほうが涼しいとだろうと言うことで大樺沢(オオカンバサワ)経由のルートを取ろうと前もって話し合っていた。

トップを後輩のSさんに歩いてもらい、次に先輩のOさん、そして私。

Sさんは北岳には卒業後も家族で2度ほど登っているらしい。ルートも良く知っているので安心だ。広河原山荘の直ぐ横に道標が立っており、それにしたがって進む。

Dsc01467_2

バイカウツギの花が私たちを出迎えてくれた。四国では一ヶ月前に見た花だが、ここ広河原付近では7分咲きで、丁度見頃だ。ルートは最初は沢の左岸についている。

Dsc01466_3 足元にはこれまた四国でも見慣れたタニギキョウの花。季節を丁度一ヶ月ほど遡ったような感覚だ。

Dsc01469_1

バスの中からも時折見かけたホソバキリンソウ。どちらかというと乾燥した場所を好むようで、大樺沢沿いでは登り始めの辺りだけで見かけた。

Dsc01472_1 トップを歩くSさんがこんなものを見つけた。クワガタだ。たまに自宅付近に飛んでくるものより大きいようだ。しかし、寒さのせいかあまり動けないようだ。普通はもう少し低山にいるものではないのだろうか?

Dsc01473_2 歩き始めて少ししたら、タカネグンナイフウロが咲いていた。去年、仙丈に登る藪沢新道で初めて見た花だ。シコクフウロなどに比べると大きめの花で濃い紫色の花はとても美しい。

Dsc01475_3 逆光というわけでもないけど、花に向かい合うと花弁が透けたように撮影できて、なかなかシックな花だ。

Dsc01477 どう見てもこれはオドリコソウとしか思えない花が一箇所に群生している。普通、オドリコソウというとピンクの花だが、草姿や花の作りなどから見ても、間違いなさそうだ。ここの花はごく淡いクリーム色。(後で、小屋で北岳の高山植物という本で確認したら、オドリコソウで間違いなさそうだ。)

これなど四国で見たときからすでに2ヶ月は経っているだろう。

Dsc01478 道はしばらくは沢の左岸を進む。Sさんの話ではかなり以前に左岸の道が途中から歩けないような状態になり、途中は右岸を通っているのだとか。

雪解けの水と前日の雨のせいか、水量は多いようでゴーゴーと音を立てて流れている。

Dsc01482 茂みの中に

淡いブルーの花が咲いている。これはハナシノブだ。もう3年ほど前から毎年のように育てているハナシノブの自生の株だ。ここ、北岳では自生のハナシノブが咲いているというのは知識としては知っていたが、こんなに簡単に登山道沿いに咲いているとは・・。

Dsc01483_2

まだ開花して間もないと見え、葯の黄色が鮮やかだ。それに花弁の色が淡いブルーとも紫ともつかない微妙な色合いでとても好みだ。

花は思っていたよりずっと大きく、むしろ自宅で育てているものより、大きな花だ。

見られればいいなぁと思っていた幾つかの花なのだけど、こんなに早くも簡単に見つかるとは・・。

Dsc01485

他にも花つきのよい株がいくらでも咲いている。

それにしてもアルプスでは白馬とここにしか咲かないそうだ。

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://bb.lekumo.jp/t/trackback/1251/6425825

北岳に登る、その2、ミヤマハナシノブを参照しているブログ:

コメント

keitann様 昨日は予告というおねだりをしてしまい、済みませんでしたね。
何かワクワクが強すぎて、思わず突っ走ってしまいました。
そしてそれに応えていただけた柔軟性に感謝します。
今回大樺沢のコースを採られたとは意外なことでした。
今年の雪の多さの影響はこれから先も続くのでしょうか。
バイカウツギから始まりタカネグンナイフウロ・ミヤマハナシノブと綺麗どころを有難う御座います。
次に出てくる花が楽しみであります。

タカネグンナイフウロ、きれいですね
シベの形が面白いです

ミヤマハナシノブも今頃咲いているのですね
ここも随分遅いほうですが、それでも1ヶ月前には咲いていました
(エゾノかヒダカだと思いますが)

オドリコソウはこの辺りでは白がメインで、たまにピンクを見つけると喜びます

高山で見るお花たちは、また格別ですね
次回が楽しみです


ぶちょうほう様、ミヤマハナシノブがそろそろ出てきそうだということがおわかりになるというのが素晴らしいですね。もう北岳は何度も歩かれているのでしょうか?
あまり事前に何もかも調べてしまうと花との出会いに対する喜びが薄れそうで、丹念にどこに何が咲いていると言うことは知らないままに登り始めました。
ですからミヤマハナシノブとの出会いもほんとに感激しました。
同じような山域なのに、去年の仙丈では一輪も見なかったのです。逆に仙丈で見た花で北岳では見なかったのはハクサンシャクナゲぐらいです。
私たちは今までに大樺沢コースしか歩いたことがないので、ごく普通にこのコースを選びましたが、本来の北岳の登山道は樹林コースだそうです。雪は二俣のちょっと下辺りからすごく多かったです。幸い御池小屋泊にしてあったので、二俣からは樹林帯の中を巻きましたので雪の影響はまったくなかったです。
しょっぱなからミヤマハナシノブなど、美人に会えたので、もうワクワクでしたよ。

こんにちはyuukoさん。(ですよね?)
タカネグンナイフウロは花が大きいので、見応えがあります。ミヤマハナシノブも意外と大きい花でビックリでした。
北海道にも数種類のハナシノブが自生するようですね。これは四国では自生がないので、ほんとに珍しく感じました。
オドリコソウは花を見てすぐにわかりましたよ。

コメントを投稿

フォトアルバム
Powered by Six Apart

私のもうひとつのブログです。よろしく

更新ブログ