フクジュソウのお花見、3
お腹もいっぱいになったら、後は下るだけです。
Tさんの足慣らしという事で、この日は山頂は目指さない予定です。
荷物を撤収し始めたら、私のプリムスの着火用のプッシュ棒というか、黒い棒状のものがなぜかありません。さっきまであった筈なのに・・・その辺中を探しますが見つかりません。そんなに簡単に外れ落ちるものなのでしょうか?イワタニにメールして部品注文する折に、聞いてみなければ・・。
13時過ぎに下り始めます。
一年ぶりの山だというのに、登りは息が上がる事もなく登ってきたTさんですが、下りは膝に力が入らないので踏ん張る事が出来ないから、ゆっくりでお願いしますとのこと。
途中数箇所、厳しい箇所もありましたが、何事もなく下る事が出来ました。空は朝方よりも薄日が射して来て、見晴らしもよいです。天候が回復途中のようです。
14時15分、登山口付近まで下ってきました。神社に下るつもりだったのに、トップの私がぼーっとしていて、神社近くの民家の裏に下ってしまいました。しかし、それが幸いしたようです。
先ほどから何回か見かけていたショウジョウバカマの白い花が咲いていたのでした。
香川や愛媛で見かけるショウジョウバカマはピンクの花が咲くものがほとんどで、気のせいか姿や葉の様子もどことなく違うように感じます。ツクシショウジョウバカマという白花のショウジョウバカマが九州方面に自生するそうで、画像の花はそれかも知れません。
それにしても2月にショウジョウバカマの開花を見たのは、私の記憶の中では一番早いです。香川の標高900mではたいてい4月にならないと咲かないのですから。
登る前に出会った近くの民家の方が丁度畑仕事をされていました。
その方の家の裏にもフクジュソウがあちこちで咲いています。
民家の石垣の間からもフクジュソウが一輪、可憐に咲いています。
四国に自生するフクジュソウはシコクフクジュソウ、フクジュソウ、ミチノクフクジュソウなどらしいですが、同定は難しいそうです。
見事に群生しているフクジュソウです。
セツブンソウが栗畑の下に群生していた様子が、英田のセツブンソウ自生地を見に行ったときに印象に残っているのですが、ここもまた栗の木下でした。
住民の方の話では、去年よりも花は増えたそうです。
地下茎と種の両方で増えているようです。
私たちにはとても珍しい光景ですが、地域の人たちにとっては雪解け後の当たり前の光景なのかも知れませんね。
でも、高知から来る人に花を譲ってくれといわれる事があるとか・・。高知の日曜市には山野草も出るそうなので、その関係でしょうか?裏山を少し登って群生地まで案内してくださった民家の人はほんとに気の良い方で、こちらまでほのぼのとしました。
咲いているかどうか心配していた福寿草も咲き始めの姿から満開に近いものまで様々な姿を楽しむ事が出来ました。
あとはその辺りでフキノトウを夜のおかず用に少しだけ摘みます。Kさんは花よりも山菜のほうが楽しみなようです。四国ではフキノトウを食べる習慣はないので、あちこちにいくらでも出ています。
登山口ふきんから寒峰頂上が見えています。Kさんが言うように山頂付近はなだらかな笹原になっています。例年だと雪が50センチほども積もっているはずなのに、どこにも雪は見えませんね。
3時ごろ、車に乗り込んで山を下り始めました。
後は香川までまっしぐらと思っていたのですが・・・Tさんが突然「車をとめて」と叫びます。どうしたのかと思ったら、フクジュソウらしきものがちらりと見えたそうです。車をバックさせて皆で外に出てみます。見えます見えます。福寿草の群生です。
なんと山に登らなくとも車道の近くで咲いているのです。これならお年寄りの方や山に登れない人でも十分お花見が出来ます。
昔は日本各地でごく当たり前にフクジュソウが見られたそうですが、これだけ普通に咲いている場所を目の当たりにすると、それも納得がいきます。
それにしても山のフクジュソウ、山里のフクジュソウ、車道そばのフクジュソウ、フクジュソウのオンパレードの一日でした。
帰りの車内ではKさんやTさんが今まで登った山の話を面白おかしく聞かせてもらい、琴平の近くの民家の立派な枝垂れ梅もちらりと見ることが出来ました。
まさに一足早い花巡りの一日となったのでした。
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