桜、その3
五色台には白峰寺、根来寺という八十八ヶ所のお寺が二カ寺あります。
白峰寺には坂出から車で上がってもそれほど時間がかからないので、年に二度ほど野草散策などに行きますが根来寺はスカイラインを7キロほど東に走らなくてはならず、まだ一度しか訪れたことがありません。桜よりも紅葉で有名なお寺で、秋の紅葉シーズンともなると山の上にちょっとした渋滞ができるほど人気スポットです。
しかし、桜のシーズンは、人もそれほど多くなく、駐車場も空いていました。午後3時を回ったせいもあるでしょうね。
この桜はどうしたと思われますか?
最初見たとき、てっきり誰かが桜の花をちぎって捨ててあるのだと思ったのでした。近付くと・・・・この花房はちぎれたものではなく、しっかりとここに根付いていたのです。
ひこ生えというのでしょうか。樹木の株元から新芽が出てくることはよくあって、桜の場合は、太い幹から直接小さな花房を咲かせているのをたまに見かけます。
うちの庭に植わっているウバメガシなども、よくそんなひこ生えがうじゃうじゃと出てきて剪定のときにやたらと時間がかかります。一体に樹勢の強い木によくあるように思います。
こんな太い株なのです。花房は太い幹の株元からちょこっと出ていて可憐に咲いています。
どういうわけか木には花が咲いていなくて、咲いていたのはこの株もとのひこ生えと幹からちょこっと出た花房だけでした。古木なので弱ってしまって、花を咲かせることが出来ないのかも知れません。ソメイヨシノは樹齢60年ほどだそうですから。
ひこ生えに次の世代の生命を託そうとしているのかも知れません。
根来寺の本堂をお参りした後、石段を下りていると、何やらお念仏が聞こえてきました。
霊場巡りの信者さんたちが小雨のそぼ降る中、揃ってお経を唱えているのでした。
桜の季節はまたお遍路さんの多い季節でもあります。
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