010年夏、扇沢~鹿島槍、その12、剣が見えた
翌16日はいよいよ下山の日です。
前日に起床が5時を過ぎてしまったので、今度こそ早起きしなければと思っていたのですが、目が覚めたのは4時45分という、ほどほどの時刻でした。あまり早起きすると、四国までの帰りの運転が地獄の睡魔に襲われるので、その辺りが難しいですね。
実は15日の夜は一晩中、雨音が聞こえ、おまけに風の音までしていたので、去年の白馬山荘での夜の再来かと心配していました。白馬山荘での夜とは、トムラウシの遭難が起きたときのあの猛烈な強風と雨の夜です。
16日の朝、5時45分にツベタ小屋の前で撮影した画像です。東側は雲海でした。
朝食はこの日も、ガスコンロでお湯を沸かしてコーヒーやスープ、クッキーなどで済ませました。私はクッキーと間違えて、ピンチフードのカロリーメイトを開封してしまったので、カロリーメイトが朝ご飯です。食料はこの他にもかなり持参していましたので、結局半分ほどは持ち帰ることになりましたが、それを使う事態にならなかったことに、今年も感謝です。
ツベタ小屋でも宿泊者には1人1リットルずつの水をもらえるのですが、朝食用に1リットル弱使っても、Yさんも私もまだ充分にお茶やポカリが残っていたので、お水は辞退しました。考えたら、今回の歩きはほとんど曇っていて2日目も汗をかかなかったので、体が水分を要求しなかったのでした。
地面は昨夜の雨で濡れていますが、爺ヶ岳の姿が見えるので、気持ちよく歩き始めました。
3日目の歩き始めは6時17分でした。
北海道のお2人は結局、少しでも登りを避けたいということで、爺ヶ岳の登りが始まる手前の冷乗越から赤いわ尾根を下るそうで、この日は私達より遅く出発されるようでした。
歩き始めたときにはツベタ小屋の上空には青空まで見え始めました。
この山行を通じて初めて見る青空でした。
歩き始めてしばらくすると剣岳方面が見えているではありませんか。
テンションが嫌が上でも上がってくるのを感じます。
Yさんは何よりも展望を優先する人なので、立山や剣を、えらく気にしていますね。
今日は彼女も展望を楽しむためにゆっくり歩くはずです(^_^;
剣や立山にかかった雲が取れそうな気配なので、少しでも高みに急がねば・・・。
立山から眺める有名な姿や去年、白馬から眺めた姿とも違っていて、えらくごつごつとした出っ張りがいくつも聳えている感じです。
そして、その間には雪がべったりとくっついていて、あの雪渓をスキーで滑り降りる人がいるそうですが、スキーをしない私にはとても信じられないような光景です。
ツベタ小屋のほうを見下ろすと、先ほど歩いてきた冷乗越に北海道のお2人が、佇んでいるのが見えました。
やっぱり、剣と立山の姿を眺めているようです。
赤岩尾根を下ると、もう立山方面は見えないので、最後の姿をまぶたに焼き付けてらっしゃるのでしょう。
こちらも、何とか剣が見えている間に、爺ヶ岳に登らなくてはと思い、また歩き始めます。
道の傍らではアカモノが可愛く咲いています。
昨日、種池から鹿島槍へと向かっていたときにも見かけていたのですが、帰りに撮影しようと思っていたエゾシオガマが見えてきました。
エゾとはつきますが去年も蓮華温泉から白馬大池への登りで見ています。
樹林の間から、剣の全容がやっと見えてきました。
でも、この後、またガスに隠れ始めたので、この画像が山行を通じて、いちばんよく剣が見えた画像です。
この場所から写した画像4枚を繋ぎ合わせてパノラマ画像を作ってみました。
南は種池山荘から北は剣岳までを入れています。
そろそろ朝日が射してきそうです。
高度を上げるに連れて鹿島槍も見えてはきましたが、山頂のガスがなかなか取れません。
稜線東側には昨日の鹿島槍と同じく、雪が残っているところがありました。
7時42分に爺ヶ岳中峰に着きました。
ようやく山頂からの展望を楽しむことが出来そうです。
右側には恐らく赤沢岳などが見えているのでしょう。
しかし、10分ぐらい眺めていましたが、立山や鹿島槍は、爺ヶ岳の巻き道で見た以上には見えませんでした。
岩の手前にミヤマダイコンソウが写して下さいと言わんばかりに咲いていました。
こちらも中峰の下りで見た鹿島槍をバックに咲いているミヤマダイコンソウ。
この日は後は下るだけなので、それほど急ぐこともなく、のんびりと歩きます。
Yさんはそろそろ南峰への登りに差し掛かっています。あの辺りにコマクサが咲いているはずです。
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