初めてのアルプス単独行、その8、クロユリ
鏡平の少し手前から、睡眠不足の疲れが出てきて、その日の泊まりはもう鏡平の小屋でいいかな~などと日和見的な考えが頭をもたげていました。
いったん、鏡平の小屋に入って、宿泊受付の用紙に記入までしかけたとき、小屋の方が「今日は布団が一人に一枚当たらないかもしれませんけど・・・」とおっしゃるのです。90人の団体さんがこの後、やってくるのだそうです。え~、それは困りました。ただでさえ、睡眠不足の上に二日目も睡眠不足では次の日歩けません。「双六小屋まで行けばそれほど混んでないと思います」と小屋の方。仕方ありません、気力を出して双六まで歩くとしますか・・・。鏡平から双六小屋のほうに今夜の宿泊の手配をお願いしてもらいました。同じ系列の小屋ですから、その辺はすんなりとやっていただけます。多分、花が多くて撮影に時間がかかりそうなので、遅くなるかもしれないということも伝えてもらうよう頼みました。
外に出たら、黄色い雨具にバンダナを巻いた男性に「がんばって双六まで行きましょうや」と励まされました。
鏡平小屋の前のデッキですわり行動食を少し食べておこうと思い、ザックの雨蓋を開けたら、化粧道具と洗面道具の入ったポーチが出てきました。やれやれ・・・これで、日焼け防止と歯磨きができます。早速日焼け止め防止に塗りたくります(^_^;
11時38分、鏡平を出発しました。双六小屋までは2時間ちょっとのコースタイムですが、ちょっと疲れが出てきているので、もっとかかることでしょう。
歩き始めに早速、イワカガミの綺麗なのが出てきました。
鏡平から弓折岳の稜線までは約300mの登りで、後半のヤマ場です。これを越えると、あとは登りはもうないはず・・・。
嬉しいことに、登りのしょっぱなでオオバキスミレの花を見ることができました。
先ほどから花芽は嫌というほど見てきたミヤマキノキリンソウもここに来て開花株を見ることができました。
この付近は3年前に朝の槍穂を見るために鏡平から登って来た場所です。
3年前の同じ場所からの槍穂の大展望です。雪もかなり残っていますね。
アオノツガザクラも先ほどから咲いてますが、ここで撮影しました。
12時23分、弓折中段を通過します。
急な登りはここで終わり、後はだらだらとした登りになりますが、さすがに疲れが出てきて、ペースがかなり落ちています。
道はここからはトラバース気味になり、晴れているときは槍や穂高を横目で見ながらの素晴らしい歩きができる場所ですが、あいにくの天気なので、花を見ながら歩きます。
道沿いにはここでもオオバキスミレが小さな群落を作っていました。
この辺りは標高2500ほどありますから、ミヤマキスミレというほうが良いのかも知れません。
一昨年と去年は見ませんでしたから、3年ぶりにの再会です。
咲きあがったばかりで綺麗でした。
この谷は左俣谷といって、弓折岳の稜線と奥丸山から千丈沢乗越にいたる尾根との間の谷です。
道の上の山側で咲いているので、こういう風な撮影も可能ですね。
弓折岳の稜線の少し下をトラバースするように道がついているのですが、上を見上げると稜線直下にはニッコウキスゲの群落が見えます。
行く手の道の上のほうの斜面にはコバイケイソウの群落が見えます。
これ、バイケイソウの花後ではないですよね?
ちょっと疲れてて、確かめるのを忘れました。
展望が出てくると、嬉しくなりますね。
赤い服や青いザックの人が歩いています。
穂高のほうは相変わらず見えませんが、こちら側でも少し見えてきたので、ちょっと気分が高揚してきました。
keitann様 こんにちは
やはり双六小屋まで頑張ることになりましたね。
寝不足気味な身体が、踏みこたえて円滑に運動してくれているようで何よりですね。
実際小屋ですし詰めに会い、寝るスペースも満足に取れないなんてことになると悲劇的ですね。
小生はそれが嫌で日帰り山行にばかり傾きますが、それですと今度はゆったりした山行が楽しめなくなります。
今回は天気が勝れないようですから、小屋のすし詰めは無さそうですね。
天気が悪くても、道中をたくさんの花たちが慰めてくれますから、悪いことばかりでもありませんね。
こうして拝見すると小池新道も魅力ある場所ですね。
投稿: ぶちょうほう | 2011-08-03 10:59
ぶちょうほう様、こんにちは。
このときは鏡平の小屋が満員だったので、仕方なくという感じで双六まで歩くことになりました。
問題はお天気で、翌朝晴れれば、大展望を楽しみながら歩くということもちらっと考えたりしたのです。
鏡平~西鎌尾根も決して歩けない距離ではないですから・・。
でも、結果的にはこの日双六小屋まで歩いていて正解でした。この後の双六小屋までの歩きで、少しは展望も楽しめたし、雨の中でお花畑を歩くようなことにもなりませんでしたし・・。
双六小屋は、わりと空いていて、良い人たちと同じ部屋になり、それもまた楽しい思い出です。
花の上に槍穂の展望があれば、いったい撮影枚数がいくらになってたのだろう?と恐ろしいです(^_^;
投稿: keitann | 2011-08-03 13:38