« 初夏の東北の旅、その8、早池峰山頂へ | メイン | 初夏の東北の旅、その10、早池峰山のサンカヨウそして下山 »

2012-06-21

初夏の東北の旅、その9、早池峰山のヒメイチゲとイワウメ

先輩方は早池峰山に本当に登れるとは思っていなかったらしく、ほんとに大喜びしていました。

ある先輩は娘さんに写メール送ったり、皆さん、ちょっと興奮状態でした。

私も登る前には、途中で誰かが脱落したりしたらどうしよう?と少々不安だっただけに、皆でそろって山頂を踏めて一安心でもあり、皆さんに山歩きの喜びを思い出してもらうことができて良かったとか、いろいろな思いで胸がいっぱいでした。

1人で山を登ることのほうがある意味、簡単かもしれませんね。

雨の中ですので、お昼ご飯は当然、小屋の中でいただくことにしました。

私たちが小屋に入った時はまだ空いていたのですが、食べているうちに続々と登山者の方が入ってこられて、20分もしないうちに小屋の中は結構な人数となりました。

食後は娘に借りてきたポットのお湯で暑いコーヒーを入れて皆で分け合って飲みました。ほんとはプリムスを持参したかったのですが、飛行機の中にはガスボンベは持ち込めないのであきらめたのです。

12時42分、下山にかかることにしました。小屋の管理人らしき方にお尋ねしたところ、やはり小田越ルートのほうが時間もかからず、安全だということです。下りの際は岩場が多いので、ストックを使うよりも手を使うほうが確実で安全だとも言われました。

P6090326

小屋を出てすぐのところが御田植場と言うのらしいですが、ここに小さい雪渓が残っていました。

P6090327_2
先輩たちのうちKさんとAさんは雪渓歩きは卒業以来初めてのようです。

アイゼンが要らないことは事前に確認済みだったので、それほど心配することもなく歩きます。

ほんの10mも歩けば終わってしまうような小さな小さな雪渓でした。

P6090329
雪渓を越してすぐのところに咲いていたショウジョウバカマです。

河原の坊コースではショウジョウバカマは見ませんでしたから、やっぱり違うルートを下るのは正解ですね。

P6090330
やはり山頂直下で咲いていたミツバオウレンです。

これも登りでは見かけませんでした。

P6090331
何やら赤い実がと思ったら、愛媛の東赤石や北アルプスでもお馴染みの植物となった感のあるホソバツルツゲでした。

花は何度か見ているけど、実を見たのは初めてのような??

P6090333
下り始めて少し経ったところで、木道が出てきました。

辺りは完全にガスってしまってます。

木道は北アルプスの朝日岳の下りで、滑りやすい木道で参りましたが、ここ早池峰の木道はまだ新しく、それに滑り止めのために溝が何か所も刻まれていて、滑る心配がなくて助かりました。

この辺りは所々、風が強くて、雨具のフードが吹き飛ばされそうになりました。気温もかなり低目だったようです。

P6090334_2
13時4分、最初の梯子場を通過します。

去年7月の槍の梯子場と状況が同じです。

先輩方も槍はたいていの人が何度か登っているので、こういう場所は初めてではない筈です。

P6090336
最初の梯子場をクリアしたと思ったら、すぐに次の梯子場が待ち構えていました。

P6090339_3
ようやく普通の登山道になったと思った頃、登山道沿いに白い小さな花を見つけました。

大好きな花、ヒメイチゲです。

これも北アルプスでほぼ毎年のように見ている花ですが、去年の槍の西鎌尾根歩きではとうとう見ることができなかったので、二年ぶりの再会ですね。

ところが雨のため、カメラのレンズは曇るわ、ヒメイチゲの花も雨であまり良い状態ではなかったのでした。

でも、好きな花に会うのはどんな状態でも嬉しいものです。

P6090350
イワウメの花も出てきました。

この花は花弁が分厚くてしっかりしているので、雨に打たれても平気ですね。

岩の上でマット状に広がっています。

P6090354
雪倉岳山頂で見て以来、二度目に見るクロミノウグイシカグラです。

イワウメにしてもクロミノウグイスカグラにしても、北アルプスや南アルプスで見るより、標高にして1000mは低い場所で咲いています。

P6090357
イワウメの群生は素晴らしく、アルプスで見るよりはるかに規模が大きいです。

P6090362
それにしても、イワウメを見られた時の状況って、こんな風なガスっていたり小雨の時が圧倒的に多いですね。

北岳でもそうだったし、鹿島槍でもそうでした。

P6090363
こんなにたくさんのイワウメを見たのは初めてなので、雨の中でも夢中で何枚も撮影しました。

イワウメの中に所々緑の葉っぱが見えているのは、これもアルプスでお馴染みのウラシマツツジです。

P6090358
こんな樹高の低い、まるで地面を這っているようなヤナギらしき樹木も見かけましたが、これはミネヤナギと言うヤナギ仲間のようです。

コメント

こんにちは。
凄いところを歩いているんですね。
本当に行動力に感服します。
イワウメはもちろん見たことがありませんが、見事な群生ですね。

keitann様 こんにちは
ついにガスの中での下山になりましたね。
ガスの中、こういうハシゴ場を一人で降りるのは不気味感が付きまといますが、皆さんと一緒なので、割合心強いですね。
柳の高山型も判別し難いものですね。

今回もホソバツルツゲ・クロミノウグイスカグラなど珍しい名前が出て来ました。

イワウメの大群落も凄いですね。

多摩NTの住人様、こんばんは。

凄いといえば凄いのかもしれませんが、ファミリーで来ている人もいて、10歳以下の女の子も見かけましたから、ここを通っていると思います(^_^;
山を歩いていると、鎖場や梯子場は時折出てくることがありますので、かつてそういう場所を歩いた経験がある人は何とか歩けるものですね。
イワウメの群生は素晴らしかったです。
秋田駒のコマクサやチングルマもアルプスの群生よりはるかに大規模でしたから、東北や北海道のお花畑ってすごいですよね。

ぶちょうほう様、こんばんは。

この日は午後から雨と言う予報でしたので、半ば覚悟はしていました。
登りの間はほぼ降られずに済んだだけでも良しとしなければならないでしょうね。
はしご場の下りは確かに単独だと、ちょっと嫌なものかもしれません。
小田越への下りは河原の坊への下りに比べると1時間ほど短縮できるのでありがたいですが、梯子場があるとは思いませんでした。
でも、さすがに内心はびびっていても、怖いということを口に出す方は一人もいらっしゃらなくて、皆さん淡々と下りましたよ。
ホソバツルツゲやクロミノウグイスカグラは目立たない地味な花ですが、何度か見ていると、妙に親近感がわくものですね。

コメントを投稿

フォトアルバム
Powered by Six Apart

私のもうひとつのブログです。よろしく

更新ブログ