大展望の矢筈山、その5、イシダテクサタチバナの果実そして下山
矢筈山への帰り道を歩いていると、何かの果実が目に留まりました。
ガガイモ科の植物の果実のようです。
そのあたりに数株見えていますが、探せばもっとあるようです。
果実が弾けて、中から種子が出かかっているものも見えます。
種子はガガイモの種子とそっくりです。
草姿全体を見てみましたが、葉はもう枯れてしまったのか見当たりません。
このぐらいの草丈でガガイモ科・・・しかもこんな標高の高い場所で自生しているガガイモ科?
なんだろう?
この後、下山の間、ずっと頭の中で考えながら歩いていました。
すると矢筈山を半分ぐらい下った頃、つまりガガイモ科の果実を見てから1時間ほど経った頃「イシダテクサタチバナ」かも知れないと思いつきました。
イシダテクサタチバナは確かガガイモ科だったような気がするし、剣山系に咲く花で、咲いている場所も石立山の自生地と環境が似ています。
帰宅して確かめると、ピンポ~ンでした。
こういうのが草花を見て歩いていて、いちばん楽しい時ですね。
ただただ野草を見て写真を撮ったって、ちっとも進歩はないのです。
芽出しや花後、果実などで植物がわかるようになれば、野草散策の愉しみは広がります。
午後に入っても陽射しが強く、Mさんはとうとう半袖姿になって登り返しを登られています。
私とPさんはもうこれ以上脱げないので、仕方なくふーふー言いながら登って行きました。
先ほどお散歩してきた膳棚を記念に撮影されるPさん・・・。
南面は確かに断崖絶壁のようですね。
膳棚の向かって右側に黒笠山が、そして左には東膳棚その左にちょっと低い山が見えているのは津志嶽のようですね。
遠くにも山なみがたくさん見えていますが、この山域はあまり登ってないのと、手持ちの昭文社の地図には載ってない山域なので、ちょっと自信がありません。
剣山方面を眺めるMさんご夫妻です。
この日は、こうして絶景に立ち尽くすことがしばしばでした。
最後の笹原の登りをえっちらおっちらと登って行きます。
13時12分、矢筈山頂まで戻ってきました。
まだ時間もあることだし、少し休憩してから下山にかかることにしました。
朝に比べると、山々が少し霞んできましたが、それでも大展望には違いありません。
13時42分、下山開始です。
登りで見かけたアキノキリンソウに午後の陽射しが当たっていました。
ブナの葉も黄色く輝いています。
二重山稜のところでは、マユミの実を見つけましたが、今年はいったいに木の実が少ないようです。
↑これは葉の形からコハウチワカエデのようです。
葉柄が長いんですね。
サガリハゲから南に延びる尾根の西面に西日が当たって、なかなか良い感じだったのに、カメラの設定が悪く、目で見た色が出ていません。
見えている車道は落合峠から祖谷方面に下る車道です。
この後、黒笠山へとピストンしてきた若者が私たちに追いついてきました。
矢筈→黒笠のピストンは昭文社の地図では6時間かかるはずですが、その若者は3時間ほどで往復したようです。私たちを追い抜いて行ったあと、あっという間に見えなくなるほど俊足でした。
笹原の向こうに烏帽子の姿が見えだすと、落合峠も近いです。
思った通り、落合峠が見えてきました
峠に置いてある車もはっきり見えます。
嬉しかったのは登りで見かけたリンドウが帰りには開いていたことでした。
もうすぐ落合峠に着きますが、マイクロバスが停まっているようです。
下山は15時19分でした。
早出をしたおかげで、膳棚まで行ってきても明るいうちに下山できました。
マイクロバスは東京方面から四国の山へ登りに来た団体さんの送迎用でした。
なんと、白井~黒笠山~矢筈山~落合峠というマニアックルートを歩いているそうです。
これを聞いてMさんが驚かれていました。
四国の人間でさえあまり歩かないコースを東京からわざわざ歩きに来るんですね。
今はネット検索すれば、どの山でも情報は手に入る時代ですから、こういうことも有り得るんですね。
予定時刻より、下山が遅い様で、運転手さんがちょっと心配されていましたが、その後遭難のニュースなど聞きませんから、無事に下られたようです。
烏帽子方面への登山道にススキが西日に輝いて、朝とはまた違う雰囲気の落合峠です。
山では飲まなかったコーヒーをススキを眺めながら、のんびりといただきました。
帰りの道中では車道の途中から烏帽子に登る登り口もMさんに教えていただきました。
去年だったか、この直ぐ近くで紅葉写真を撮ったのに、全然、気づいていませんでした。
良いルートを教えていただいたので、来年の紅葉時にでもまた登って見るとしましょうか。
伯耆大山まで見えるという素晴らしい展望が得られ、秋の一日をのんびりと山で過ごせて、なんともリッチな一日でした。Mさんご夫妻にはほんとにお世話になりました。
コメント