ユリばあちゃんの岬
何度か書いたけど、私はTVはあまり見ない。
お風呂上りの深夜12時ごろに、ケーブルTVを引いているのでスターチャンネルなどで映画を観る程度だ。
14日の夜もお風呂上りに何か面白い映画でもしているかな?とTVをつけたら、たまたま最初に出た場面にくぎ付けになった。
それはおばあさんが背中に昆布を一杯背負って、浜辺を歩いてくるシーンだった。
昆布を背負っていることで、北海道だと言うことはすぐにわかったけど、しばらく見ていたら、それが知床の岬だということもナレーションでわかった。
知床と言えば、およそ30年前に山登りの同好会の夏合宿で訪れた場所。
番組は既に前半を終えているようだったが、ぐんぐん引き込まれた。
79歳のユリばあちゃんは夏ごとに番屋で生活して昆布を拾う。粗末な建物で生活し、時にはヒグマが小屋を襲うこともあるそうだ。実際、カメラはヒグマが小屋にやってきたときの様子を撮影していた。しかし、ばあちゃんは小屋に逃げ込むでもなく、クマと対峙する。二匹の犬がばあちゃんを守る。
ヒグマが野生の鹿を襲い鹿が餌食になるという、目をそむけたくなるような場面もあった。
しかし、ばあちゃんは死ぬまでこの番屋に来たいという。町に帰る日が近付いたある日、
ばあちゃんは岬の突端まで歩いていく。浜辺にはエゾオグルマの花が群生している。
「ここがいちばん落ち着く、海を見ているといちばん落ち着く」
ヒグマの恐怖やたった一人の不便な番屋での生活・・・しかしそれさえも凌駕する、自然の中で生きていたいという気持ち。
ほんの少しだけど、ばあちゃんの気持ちがわかるような気がした。
興味のある方はこちらをどうぞ。
画像は30年前の国土地理院の羅臼5万図。実際は硫黄山を越してルサ川を下る予定だったが、これも悪天候で羅臼岳までしか行けず。
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