キレンゲショウマ咲く剣山、その4、森の花
刀掛けの松で左に折れると途端に人を見かけなくなった。
これが7月末から8月初めのキレンゲショウマの時期だと、関西方面からバスを仕立てて花見物にやってくるので、このあたりから既に人が多いのだ。ところがお盆を過ぎると事情は一変する。ツアーなどは花が終るといけないので、確実に咲いている8月前半までしか出ないようで、お盆過ぎには私のように個人的に見に来るものだけになる。
という訳で人込みの嫌いな私にはぴったりの静かな山歩きになりそうな予感。
左に折れるトすぐにトリカブトの群生している場所がある。
時期がまだ早いようでほとんど蕾ばかり。しかしよく見ると咲いている株が一つだけあった。咲いたばかりの初々しい花だ。今までシコクブシと思っていたが、四国で咲いているのはほとんどがタンナトリカブトなのだそうだ。
斜面の少し上のほうにも咲いている株があって、何とか望遠で撮影する。
緑の中に青紫色の花が瑞々しい。
道はこんな具合に木々の間を縫うように続く。右手の斜面はテンニンソウがところどころで群生している。
私はヒメフウロを剣山の行場付近でしか見たことがない。小さいフウロだけど、ピンクの花がとても可愛い。
別名シオヤキソウとも言うそうで塩を焼いたような臭気があるそうだ。試しにクンクンしてみると、なるほどちょっと変わった匂い。
可愛い花に似合わない香りかも。
葉も普通のフウロソウとは少し変わっている。
シコクフウロとヒメフウロがなんとかツーショットで撮影出来そうだったのでチャレンジしてみた。シコクフウロの花が花径3センチほどだが、ヒメフウロは1センチもない。
カラカラの下界に比べて、この森はなんとしっとりとしているんだろう。草も木もしっとりと露を浴びて生き生きしている。
倒木の上に苔と一緒にシコクフウロが咲いている。北岳では倒木の上にゴゼンタチバナが咲いていたが、こういう環境は山野草には好ましいらしい。
イワアカバナも先ほどからちらほら咲いているのだが、何しろ小さい花で、私のカメラはこの花が苦手なのだ。
10枚ほどピンボケを続発したが、何とか見られるのはこの一枚だけ。
アカバナ科アカバナ属。去年この剣山にいっしょに来たHさんはキレンゲショウマよりもこのイワアカバナがお気に召したようだった。
Rさんがルイヨウボタンの実を見つけてくれた。とうとう花はこの春には見られなかったが、こんな標高の高いところに生えているのは初めて見た。いつもは標高1000m付近で見るのだ。
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