旧友たちと紅葉狩り、②落合峠
落合峠に着いたのはちょうど昼過ぎだった。
Mさんのご主人の話では、峠には駐車場もあり、トイレも整備されているそうだ。
朝方、自宅を出る頃には晴れていた空も、落合峠に着いた頃には曇っていた。天気予報では晴れのち曇りとなっていたから、仕方ない。
車を降りると流石に標高1500だけあって、肌寒い。私とMさん夫婦は持っていた雨具の上着を羽織る。Hさんはトレーナーの上からチョッキを、Kさんはすでに上着を着込んでいたのでそのまま。雨具を着込んで歩いてちょうど良いぐらいの気温。
駐車場から落合峠へはものの5分も歩かない。あたりはすでに盛りを過ぎたススキの穂が風に揺れ、晩秋の光景といっても良い。道の傍らにはツリガネニンジンとシコクフウロがたくさん生えているが、花は一つも咲いてなくて、すでに種になっているのだった。シコクフウロの葉は撮影しそびれてしまったが、真っ赤に紅葉して可愛かった。
↑画像は駐車場から落合峠に向かうまでに撮影した風景。
画像の道標にもあるとおり、落合峠は標高1520m。ちょっとした山よりも標高の高い峠だ。車の乗り入れできる峠では、四国一の標高ではないだろうか?
東祖谷山村と三加茂町を結ぶ峠で、矢筈山や烏帽子山への登山口にもなっている。
その名前だけは何年も前から知っていて、ちょっと憧れていた峠だ。同じく、以前から憧れていた峠に、徳島と高知の分岐である京柱峠という峠があり、こちらは3年ほど前の秋に、走ったことがある。京柱峠も山深い峠道だったが、こちら落合峠も山深さでは負けないようだ。しかし、峠付近は平原になっていて、ちょっと開放的な感じを受ける。
位置的には烏帽子山から矢筈山への縦走路にあるといってもよい。
落合峠からは東に向かって延びている矢筈山方面への山道をほんの70mほど登る。
そこで稜線に出るのだけど、風が吹き曝しでじっとしていると寒そうだ。岩があったので、岩の陰になって風を避けられそうな場所でお昼にする。
時折、矢筈山から下ってきたらしい人が下りて来る。画像向かって右に写っているのが、矢筈山方面から下ってきたであろう人たち。道標には峠から矢筈山には3キロとあるが、コースタイムは出ていない。二時間ぐらいで行けるだろうか?今日は無理だけど、またそのうちに登りに来たいものだ。
お昼はいろいろな話で爆笑しながら、一杯食べた。園芸農家のM産の話は興味深かった。たとえば、台湾の花の種をいただいたので、数千株を育てたところ、株に病気が出たそうで、専門の人に調べてもらったところ、その花には猛毒があって、草の汁が一滴でも目に入ると失明するのだそう。Mさん夫婦は即座にその数千株の花を廃棄処分にしたそうだ。自分たちが育てた花で一人でも失明するようなことがあってはいけないという。私のように趣味で花を育てるのとはまた違う立場で花を育てる人の話は興味深かった。
Hさんがお茶を持ってきてくれたのはいいけど、何と念入りにもクーラーバッグに保冷材入りで凍らせてある。みんな寒くて熱いお茶が欲しいぐらいなので、爆笑してしまう。確かに自宅を出るときは暑いぐらいで、車にも冷房をかけていたのだから、下界の感覚ではそれでおかしくないのだ。
しかし、秋山では標高1500ともなると一旦曇ったり雨になれば、急速に寒くなる。しかも稜線上は風があるので尚更だ。
食後のコーヒーだけはポットに熱いのを持参していたので、皆で熱いコーヒーでほっとする。これからはポットかガスコンロは必須だ。
下ってくるときに落合峠を撮影してみた。峠の向こうのそびえるのは前烏帽子というそうだ。
烏帽子方面から下ってくるご夫婦がいた。よく見ると、駐車場で一緒になった方たちだ。烏帽子まではここから3時間弱だとか。「この辺は自分の庭みたいなもんです」と仰る、元気な方だったが、年齢は70近いとお見受けした。
勿論、本格的に登るなら、朝の8時か9時頃にはこの落合峠を出発したいものだ。逆算すると自宅を6時ごろには出る必要がある。多分この方たちも峠近辺の散策だけされたのではないだろうか。
それにしても聞きしにまさる落合峠の展望のスケールは、曇り空ながらもスケールの大きさを想像できた。次回は是非、晴れた日にもう一度来て見たいと強く思った。
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