奥物部の山、その2、林道歩き、そして稜線へ
登り始めた位置でKさんが高度計を見ます。登り始めは標高約900mです。
辺りに咲いている花はキブシとツルギミツバツツジらしき赤っぽいミツバツツジ、それに道路法面に可愛いスミレ。
撮影したいところですが、林道歩きが余分になっただけ、時間の余裕がないので、花の撮影は諦めて歩きながらバシャバシャと撮れる風景にします。
北西の方向にちょっとしたピークが見えますが、これが1468.7m峰のようです。白髪山はそのまだ北に位置します。天気は幸い、段々良くなってくるようで、展望は申し分がありません。日陰はひんやりですが、陽射しのあるところでは汗ばむほどです。山も春めいてきました。
橋を渡って間もなく東屋が見えてきました。付近の概念図が書かれた説明板がありました。
山肌にはミツマタがところどころで咲いています。山はまだまだ早春なのですね。
途中、垂直距離にして50mほど上方の山肌で猿を見ました。4~5匹の猿が私たちを見て驚いたか、針葉樹の中に逃げ込んでいきました。
山肌は後でわかったのですが、ブナなどの落葉樹のグレーの木々の中に杉の植林などの針葉樹が混じった混合林になっています。芽吹きの気配はまだまだありません。
途中、かなり広い空き地があって小屋のようなものが建っていました。後でわかったのですが、ここがジル沢沿いに下ってきた林道の終点になっているのでした。
道は何回か大きなカーブを描いているので、思ったより時間がかかります。しかし、ようやく白髪峠がはっきりと見えてき始めました。
車は方向転換をして駐車してありますので、大きな土砂崩れのために前進が妨げられているのがはっきりとわかります。
土砂崩れは1箇所だけではなく3~4箇所ほどありました。
9時55分、ようやく登山口に着きました。約1時間半の林道歩きをしたことになります。距離にしたら6キロ近くは歩いたのでないでしょうか。
ここで一旦休憩を取ります。Hさんがタバコに火を点けようとするのですが、風があるのかライターを使ってもマッチを使っても風で消えてしまい、なかなか火が点きません。休憩していると上から中年のご夫婦が下ってきました。聞くと白髪峠に車をとめてそこから白髪山に登り、こちらの登山口に下ってきたとか。白髪峠から西の林道は通行止めもなく、入れたとか・・。やはり、道路状況の下調べは必要ですね。
さて、休憩を入れたら、登り始めます。10時10分。いよいよここからが本番の登りです。今日はそれほどきつい登りはあまりなく、白髪山分岐までのこの300Mの登りが一番きつい登りです。
しょっぱなから急登が続きます。アキレス腱がぐーっと伸びきるほどの結構な登りで、最近楽な歩きしかしていない身にはこたえます。トップを歩くHさんは今日は体調も良いようでトップとの間がどんどん開きます。Hさんは身長180センチはある大柄な人なので150センチあまりしかない私とは歩幅も全然違うので、間が開くのは仕方ないと言えば仕方ないのですが(^^;)
途中にこんな木が現れました。樹皮が剥がされていて、その植えに爪跡のようなものが見えます。鹿が木の皮を剥いで食べたり、角を木にこするつけたりすると言うのを聞いていますが、それでしょうか?そうだといいのですが・・。辺りには何やら大量の糞も落ちていて、もしかしたら「クマ?」という思いが脳裏を横切ります。Kさんも同じことを考えているようで、「この木の剥げたのは何だろうね?」と言います。
しかし、下山してきた夫婦連れの方たちは何も言ってなかったので、まぁ、気にしないでおこうと思い直しました。それにたとえクマであっても、KさんやHさんはクマ除けの鈴をザックにぶら下げているし、これだけペチャクチャ喋っていれば、クマのほうも除けてくれるでしょう。
やがて道は東方向にトラバース気味に変わり、あれほどの急登もようやく終わりになったようです。
稜線が見えてきました。なんという雄大な眺めでしょう。ワクワクします。100mほど向こうにあの大柄なHさんが小さく見えています。
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