雨霧山~黒戸山、その2、ナガバノコウヤボウキ
お天気はあまり良いとは言えないものの、山歩きするぶんには寒いぐらいのほうが汗をかかなくて歩きやすいですね。
最初は弥谷寺の参道を登ります。参道は石段が多く、お遍路さんをしているお年よりなどにはなかなかきつい道です。
登り始めるとすぐに、この辺では有名な俳句茶屋があります。↑画像は俳句茶屋の障子に書かれた俳句や絵です。弥谷寺に参拝するお遍路さんたちが書き残したものらしいです。因みに検索してみたら、昨日、地元の放送局がこの弥谷寺と俳句茶屋を放送したらしいです。TVをあまり見ないので見逃しました。残念!
全体の様子を撮り忘れたので、二年程前に撮影した画像でもアップしてみます。
参道をはさんで店の向かい側には緋毛氈の敷いてある床几が3つほど置かれていて、ここで飴湯や甘酒をいただくことができます。いつも女の方がいらっしゃるのですが、この日は男性の方が忙しく立ち働いておられました。見ていると足つきのお膳に幾つものお椀を運んできています。普通はぜんざいなどをいただくために塗りのおわんだと思いますが、それをお遍路さんのお接待用の湯のみ代わりに出すのだそうです。瀬戸物で出来た湯のみは忙しいときに割ったりするけど、これなら平気だからと仰ってました。ここで何かを食べなくても、お茶はお接待なので、来られた方皆さんに出すのだそうです。(四国ではお遍路さんにお茶や食べ物を振舞うことをお接待と言います)
石段を続いて登ります。秋がいつまでも暖かかったので、山門そばのモミジもまだまだ色付いていません。早い年だとそろそろ咲き始めているヤブ椿も今年はまだです。平日だと言うのに、気候が良い時期だからか、早くも参拝を済ませたお遍路さんたちが下ってきます。
本堂の手前で摩崖仏や水場のある場所を通りますが、その辺りに分岐があります。右の矢印の方角には雨霧山城址と言うようなことが書かれています。(撮影し忘れです)ここからは、弥谷寺とは逆方向の右手(東の方向)に歩きます。辺りは鬱蒼としたウバメガシやヤブ椿などの林になっていて、おまけに道の傍らには雨霧城の城主だった香川一族のお墓などがあります。一人ではちょっと怖そうな場所ですが、私は二年前に一人で来ています(^。^;)一旦、山に入るとあまり怖さなど感じないので不思議ですね~。
低山の日陰で御馴染みのミヤマウズラの葉っぱがありました。この山でそれと気付いたのは初めてですが、ミヤマウズラ自体を知ったのが、まだ3年程前のことですから、以前に登った頃は見ても何かわからなかったのでしょうね。
こちらも同じような環境のところに生えているキッコウハグマ。が、ここの株もすべて閉鎖花でした。今年はとうとうどこを歩いてもキッコウハグマの解放花に出会うことがありませんでした。
ヤブコウジもちらほらと見かけます。すべて、この辺りの里山では顔なじみのものばかりです。
薄暗い林の中をしばらく歩くと、やがて周囲が明るくなって、稜線に出たことがわかります。
分岐から稜線にかけてはたいした登りはなく、楽なところです。
以前はその辺りでゴンズイの実を見かけているのですが、今回はどういうわけか見かけませんでした。
こちらは一年ぶりに見かけたツルグミの花です。ちょっと黄色がかった白い花ですが、まるでソバカスのような斑点が入っています。
やはり里山ではよく見かける木です。
稜線に出るまでに善通寺の吉原方面への下り道らしい道ががあるのですが、今回はロープを張って通行止めにしていました。間違って下る人が多いか、それとも道が荒れているのかも知れません。最近は雨霧山に登る人のほとんどが弥谷寺方面から来るようです。
10時35分頃、稜線に出てきました。
懐かしいものを見ることが出来ました。
ナガバノコウヤボウキです。三年ぶりぐらいで見ました。コウヤボウキもそれまでにちらほら咲いていましたが、ナガバノコウヤボウキは花の時期が少し早いので、ほとんどが綿毛になっています。一方、コウヤボウキのほうはまだまだ花が綺麗に咲いています。
コウヤボウキは枝の先に花を一輪だけつけるのに大して、ナガバノ・・・はほとんど節ごとに花をつけてにぎやかなイメージです。
綿毛の感じもどことなく普通のコウヤボウキと違います。
キク科の落葉小低木です。
四国の山ではあまり出会うことがなくて、たいていはコウヤボウキが多いです。
不思議なことにナガバノ・・・の直ぐ隣でコウヤボウキの花も咲いているのです。こちらはコウヤボウキです。まだ花が咲いています。葉の形もナガバノ・・・とはちょっと違いますね。
それにしても両方の種類がこんなに近くで生えていて、よく交雑しないものだと不思議なほどでした。
ラッキーなことにナガバノコウヤボウキの花が一論だけ咲き残っていました。私はここでナガバノ・・の花を見るのは初めてです。
花はコウヤボウキほど広がらずに咲くので少し地味ですね。
葉はナガバというだけあって、長いのがおわかりいただけるでしょうか。
登山道沿いには時折、シロヨメナの花も咲いています。シロヨメナは低山から高山までどの山でもいちばん良く見かけるノギクですね。
ここはコマユミの木も多くて、実は多くはなかったですが、真っ赤に紅葉した木がたくさんありました。
こんばんは!!寒くなって来ましたね~。
なるほど、山に登るのってマラソンに似ているのですねぇ。
どちらもキツイ道程を乗り越えてゴールにたどり着く・・・でもやっぱ山登りの方が楽しそうかな~。
寒くなったとは言え、まだまだ山には見所がいっぱいなんですね!!
投稿: ちゃっぴー | 2007-11-23 00:03
keitann様 今晩は
山に入ると怖さを感じない・・・同じです。
以前甲斐駒の五合目小屋に泊まった時に、一人で登って夜に怖がるのは、明るいうちに悪いことをしているからだ、と面白いことを言われて、変に納得したことが有ります。
「山渓」などで連載をやっていましたね。
「山で出逢った怖~い話」と言うもので、亡者の霊が小屋を訪ねて来て、その山靴の足音が近づいてくると言ったたぐいのものですが、実はタヌキが相当高くまで上るらしくて、擬音が上手だそうですね。自家発電のバッテリーの音までも実に巧みにやってのけるそうです。
扉をどんどんと叩く音も上手いらしいですね。
話がそれすぎました。
今回も沢山の季節の姿を拝見しました。
しかし、季節とは関係ない俳句茶屋の人恋しそうな景色に惹かれること大でした。
投稿: ぶちょうほう | 2007-11-23 21:23
ちゃっぴーさん、こんばんは。
ほんと急に寒くなりましたね~。
昨日などは、まるで冬場と同じだけ着込んでいましたよ。
で、今日は懲りもせずにまた同じ山に登ってきたのですが、お天気が良くてぽかぽかして、気持ちの良い一日でした。
センブリの花の咲き乱れる中でお弁当を食べてきました(^。^;)
山は好きなので、別に苦しいとかしんどいとか言うよりも、楽しんでいろいろな花を見ているうちに知らない間に歩き終わっていると言う感じですね。
マラソンは私も苦手なんですけどね~。
どこかが違うんでしょうね。
投稿: keitann | 2007-11-23 21:40
ぶちょうほう様、こんばんは。
単独で山に入って一人でテント泊まではしたことがないので、そこまではできるかどうかちょっとわかりませんが、昼間の歩きならば、大体の所は一人でOKです(クマの多そうなところは嫌ですけど)
怖さよりも周囲のいろいろなことを楽しむほうが勝ってしまうのですね。
↑にも書きましたが、今日は高校時代の友達がセンブリを見たいというので、同じ場所を案内してきました。(コースは半分ほどにショートカットしましたが)
良いお天気で気候も良いからかずいぶんとお遍路さんが多くて賑わっていました。なのに、俳句茶屋は店が閉まっていました。多分親類の法事か何かがあったんでしょうね。この茶屋の草もちが美味しいそうなので、帰りに一服して食べるのを楽しみにしていたんですけど(^。^;)
低山ですけど、ケヤキなどの大木があって、深山の趣があるんですよ。
投稿: keitann | 2007-11-23 21:48
こんにちは。
偶然、今日コウヤボウキを見てきましたが、なるほどナガバノコウヤボウキというのもあるんですね。葉が長いのが何となくわかりますが、二つ並べてみないと難しいですね。
投稿: 多摩NTの住人 | 2007-11-24 11:53
多摩NTの住人様、こんばんは。
コウヤボウキは低山でもよく見かけることが出来ますが、ナガバノコウヤボウキはあまり見かけないですね。
この雨霧山にもコウヤボウキと両方があるのですが、数が多いのは普通のコウヤボウキです。
葉が長いことでも見分けがつきますが、何より違うのは花のつき方ではないでしょうか。綿毛もコウヤボウキの綿毛ほど広がりませんし・・。
綿毛のついたナガバノコウヤボウキは被写体としても、素敵だな~と思いました。
そちらでも見つかるといいですね。
投稿: keitann | 2007-11-25 01:15