新緑の徳島の山へ、その2、テンナンショウの仲間
去年、この山に来たときもウラシマソウのような葉っぱを確認していました。花が咲いてなかったので、ナンゴクウラシマソウかな?と思っていましたが、今年もやっぱり同じ葉っぱが目につきました。
しかし、今年は花の咲いているものに会えました。
テンナンショウの仲間は四国の山ではよく見かけますが、種類も多く、地味な花なので、あまり積極的に覚えようと言う気も起こらず、ユキモチソウだの、ウラシマソウだの、ミツバテンナンショウというわかりやすいものしか覚えてなかったのでした。
それが、たまたまこの一週間ほど前にTさんを待っている間に、山野草のお店に並んだ植物を眺めていて、これと同じテンナンショウを見たことを思い出しました。仏炎苞が緑色をしたアオテンナンショウは山では良く見かけるのですが、茶色のものは見たことがなかったので、野草店の方に尋ねたところ「これは絶滅危惧種のシコクテンナンショウで、剣山系の山にしか自生しない」とわかったのでした。確かにユキモチソウなどは山道を車で走っていると結構見かけますが、こういう仏炎苞は見かけたことがありません。丁度、その姿をじっくりと見た後だったので、山で見て、これはシコクテンナンショウだと思いました。
ところが、この記事を書くに当たって、いろいろと検索をしてみたら、「シコクテンナンショウは主軸から出る葉の枝が一本しかない」とあるのです。私が撮影してきた画像では葉の枝は2本出ています。ここで、また元の木阿弥に戻りました。その後、いろいろと検索するうちにコウチテンナンショウ(ヨシナガマムシグサ)というものがあり、どうやら、このテンナンショウはコウチテンナンショウらしいと言うのが、私の出した結論でした。
何しろ、希少植物で、ネット上に画像がほとんどなく、私の手持ちの「レッドデータプランツ」という図鑑にも記載はありません。
唯一見つけた画像のアップしてあるサイトはこちらです。
Tさんに仏炎苞の垂れた先っぽを持ち上げてもらって撮影しました。
付属体はこん棒状のようです。
またこの株の葉は斑入りでした。
赤褐色で筋が入っています。
この株は花は咲き終わっていましたが、葉に鋸歯のようなものがあって、珍しいと思いました。
上記のサイトに記載してあった解説によるとコウチテンナンショウは葉が出る前に開花するそうで、この株もすでに花は終わっています。
これもすでに花は終わっていました。
見れば見るほど、テンナンショウの仲間も奥深く、難しいものですね。因みに18日に登った山でもオモゴウテンナンショウらしき株を見ているのですが、こちらも良く調べてみないと、うかつなことはかけないです。
香川の山でもたまに見かけますが、高知や徳島など暖地の山では特によく見かけます。
常緑樹には珍しく、若葉が伸びると古い葉が一斉に落ちることから、この名がついたようです。ここでは杉林の下草として育っていました。
同じく、杉林でよく見かけるクロモジです。花の名残が微かに残っていますが、葉もすっかり大きくなっていました。
こちらはシロモジの木ですが、シロモジもすでに葉を展開し終わっていて、この姿になると、もはや、クロモジと間違うことはありませんね。
コメント