槍穂展望の山旅、その6、キヌガサソウ再会
北アルプスの記事更新の前に、一言だけ、記しておきます。
今日、アクセス数が200000を超えたようです。検索から来られた方が多いようですが、正直、これほど長く続くことになろうとは、自分でも意外でした。いまのところ、山歩きにも花を見ることにも、まだまだ夢中なことには変わりませんので、これからも何か深刻な事態が起こらない限り、ブログ更新が続くと思います。どうぞよろしくお願いします。
さて、記事の続きです。
シシウドガ原と思われる箇所を越えて、再び、樹林の中を登り始めます。
この付近から、いろいろな花が多くなります。
ベニバナイチゴです。恐らく日本海側などの豪雪地帯に多い種類でしょうか。私は秋田駒では見かけましたが、南アルプスでは見てないように思います。
秩父沢に着くより前に見ていたのですが、花がまだ開いてなくて、ここでようやく開きかけたものに会えました。キイチゴ属の小低木で、白や黄色が多いイチゴの仲間には珍しく、赤い花です。北アルプスでは珍しくなく、歩いているといくらでも目に付きます。が、登る時期が毎年、この時期なので、実のほうはまだ見てなくて、勿論、お味見もまだですね。
黄色花は高山では結構多くて、シナノキンバイなども同じ仲間ですが、シナノキンバイは花が大きいのでなれると見分けがつきます。
もう少し下のほうでもみかけたものの、すでに種になっていたので、時期が遅かったかと心配していました。
それにしても、去年はこの付近の登りは、午後からの新穂高歩き始めで余裕がなく、オオバキスミレもようやく撮影したという程度でした・・。つくづく、花撮影には、時間的な余裕が欠かせないと痛感しました。
去年もこの付近で、初めて、キヌガサソウを見たのでした。
私は山に登るときに、取り立ててその山に咲く花のリサーチなどはしないので、去年はまったく意外な出現に喜んだものでした。
今年は雪渓の様子があまりにも去年と違っていたので、花の開花時期がずれているのでは?と心配したりしましたが、それは杞憂に終わったようです。
相変わらず、女王様のように見事な咲きっぷりです。
少しいったところでは、すでに花色がピンクに変わったキヌガサソウも見られました。
キヌガサソウは咲いてしばらく経つと花色がピンクに変わり、真っ白な花もいいですが、ピンクに変わったのも素敵です。
今回の山行では、キヌガサソウはずいぶん多く、去年見た数の倍ほども見たでしょうか。
ミネザクラも咲いています。ミネザクラは去年は秩父沢で見かけただけでしたが、今年はやはり稜線上でもよく見かけました。
一体に去年より花が多かったように感じました。
ミネザクラは高山性のサクラで、今でこそ、毎年南アルプスや北アルプスに登っているので、この時期にサクラを見ても驚かなくなりましたが、7月半ばを過ぎて、まだサクラの花が見られるのは、なんと言っても山歩きをするものだけが見られる特権でしょうか。
サンカヨウは雪渓が解けた場所に逸早く芽生え、花を咲かせるようです。雪渓とサンカヨウは私の頭の中ではセットになっています。
どうやらシシウドガ原が近くなったようです。
陽射しの下で咲いているオオバキスミレは、なんだか私のイメージするオオバキスミレとはちょっと雰囲気が違いますね。
やはりオオバキスミレはしっとりとした雰囲気が好ましいです。
時刻は8時12分。すでに一時間以上歩いていることだし、ここで一本とることにしました。
私たちの前を歩いている人は誰もいないようです。
休憩していると単独の男性が一人だけ、先に歩いて行かれましたが、ほかには誰もおらず、この見事な眺めを二人占めとはなんとも贅沢な話ですね。
ミヤマハンノキと思われる枝の向こうには大ノマ岳方面が見えます。
空はまるで秋空のような雰囲気です。
休憩している直ぐそばに、なんとテンナンショウの仲間が見えます。四国ではどこででも見かけますが、アルプスでテンナンショウを見たのは初めてかも・・。
一見、ミミガタテンナンショウに似ていますが、この仲間は固有種が多いのです。葉がまだ展開してないので、同定は難しいです。
辺りは雪解け後に出てきたいろいろな葉っぱが見られて興味深かったです。
エンレイソウなどもそこかしこに綺麗に咲いていました。
シシウドガ原は、去年は一面の大雪渓に覆われて、夏道はとても歩ける状態ではなかったのですが、今年は雪渓も小さく、去年とはずいぶん様相が変わっていて、驚きました。
keitann様 こんにちは まず、区切りの数字が出たようでおめでとうございます。
これからも生きの良い記事を発信し続けられますように願っております。
ベニバナイチゴの花が随分赤いですね。こういう実を当てにしている鳥獣は随分沢山いることでしょうから、人間様は遠慮するのがいいのでしょうが、小生も食い意地が張っていますので、実を見れば必ず・・・・・・・。
ベニバナイチゴの実は粒が強くて、余り美味しくは感じませんでしたね。
でも食べないよりはマシ・・・・こんなことではアテにしている鳥獣に気の毒すぎました。
キヌガサソウは豪華なものですね。こんなのが群生していたら、見惚れてしまいますよね。
それと空が明るくて山の端付近がとても際立ちますね。
此処の森林限界は一体どの辺なのでしょうか、鏡平の小屋辺りよりも未だ上なのでしょうかね。
推移を楽しみにして読んでおります。
投稿: ぶちょうほう | 2008-07-24 21:23
keitannさん、こんばんは。
私は3年前にこのコース、下りに使ったことがあります。
前日は黒部五郎小屋泊し笠ケ岳まで歩くつもりでしたが力尽き、新穂高温泉の誘惑に引き寄せられたことを思い出しました。
疲れていたので、とてつもなく長く感じたものです。
こんなにたくさんのお花が咲いていたのですね~
翌年、リベンジで裏銀座から無事笠ケ岳に登頂することができました。
双六から弓折までは同じ道、同時期だったのにお花の種類も咲きっぷりも違うのに驚きました。
keitannさんの今後の展開が楽しみです♪
投稿: たんべぇ | 2008-07-24 23:43
ぶちょうほう様、こんにちは。
アクセス数というのは、それほど気にはしてないのですけど、それでも一日に何かの形で300名ちょっとの方が見てくださっているというのは、不思議なものですね。
ベニバナイチゴ・・・花はきれいですけど、実のお味はいま一つでしょうか。
今回はノウゴウイチゴにも出会い、こちらは美味しいと聞いていますが、やはりお味見しようと思うと8月半ばでしょうかね。
キヌガサソウはあれだけ綺麗なお花ですけど、意外とあちこちで見かけました。標高2000mぐらいから双六岳の山頂近くまで・・。標高3000m近くになるとこれだけ大きな花は見かけないものですが、キヌガサソウは例外のようですね。
森林限界・・・少なくとも鏡平小屋付近はかなり樹木がありました。
そして、稜線まで出ると樹木はもう見かけませんでしたから、標高2400ぐらいが森林限界ということになるでしょうか。
投稿: keitann | 2008-07-25 16:20
たんべぇさん、こんにちは。
ようこそつたないブログにいらっしゃいました。
黒部五郎から笠ヶ岳までって、ものすごい距離ではないですか?
双六からなら考えられるのですが、黒部五郎小屋からだとコースタイムは、8時間40分になってますよ。
それに休憩時間など入れると約10時間?かなりのロングコースですね。
それと双六小屋~三連までは巻き道を使えればいいのですが、7月半ばはまだ雪渓が溶けてなくて、巻き道は使えないと聞きました。
黒部五郎小屋~新穂高温泉でもかなりの距離ですよね。その後の四国までの運転のことを考えると、双六小屋からぐらいが限度だなと感じました。
今回、18日が晴れていれば、いろいろとあそこも行きたいここも行きたい状態だったんですけど、なにせ、ほぼ一日降られましたから・・。同行の後輩は笠には絶対行きたいと言っています。私も、双六から西鎌経由の槍、あるいは笠、どちらか、歩きたいですね。来年は法事がないので、久々に梅雨明け後に歩くのもいいかな?なんて・・。
でも、お花と眺めを見ながらの~んびり歩きも捨てがたいですよね。
投稿: keitann | 2008-07-25 17:16