槍穂展望の山旅、その12、双六岳にピストンのつもりが・・・
双六小屋に着いたら、宿泊の手続きをします。朝食が6時だということで、あまりに遅い時間なので、朝食は頼まずお弁当だけ頼みました。
その時点では宿泊する人はあまり多くはなさそうでした。部屋は去年は二階の突き当たりだったのですが、今回は階段を登ってすぐの部屋で、ベッドは二段になっているようです。
少し一服したら、双六にピストンすることにしました。出発したのは14時ちょっと前でしょうか。
Kさんは稜線を歩いている間は、樅沢岳にピストンしたいと言っていたのですが、気が変わったのか双六に行くことになったのです。
小屋の受付の女の子に尋ねたらルートは去年と同じで、春道を行ってくださいとのこと。
小屋のすぐ西側から登山道がついていて、最初は結構な急登ですが、そこはピストンで荷物がほとんどないので、楽々登れます。ちなみに今回のメインのザックは食料やコッフェル、コンロ、着替えなどで、14キロぐらいでしょうか。
50mも登ると双六小屋と樅沢岳が良く見える場所に達します。
樅沢岳への登りはジグザグが良く切ってあって、登りやすそうな道です。
コケモモとゴゼンタチバナが咲いています。コケモモは花が終わりかけていて、あまりきれいではないです。
去年はこの付近で雷鳥を見たのですが、今年はどういうわけか雷鳥に出会いません。
西穂付近がわずかに見えていますが、槍はもう雲に隠れて見えません。
双六小屋まで歩いてきた道が見えています。
去年は鷲羽岳は見えたものの水晶さえ、姿を現してはくれなかったのです。
山で見かける黄色い花はいくつかあって、最初は花しか見てないものですから、キンバイなどと見分けがつかないのです。しかし、葉っぱを見るとその差は歴然で、比較的大きめのこの葉っぱはミヤマダイコンソウに間違いありません。
帰宅して調べたところ、ハイマツの雄花らしいです。
分岐までやってきました。去年と同じく、ピークへと向かう夏道は雪に覆われていて、歩くことができません。
去年もそれを知らずに行って、ピークへの道がわからず、藪こぎをしたりして苦労したのでした。そして、下る段になって、雪渓沿いに下ってくる春道の存在がわかったのでした。
分岐まできて、去年春道から下ってきたのが中道ルートだったのか、巻き道ルートだったのか、思い出せません。普通に考えると、上のほうが雪渓が残っているはずだから、ここは巻き道ルートを行こうということになりました。
三俣蓮華方面に歩いて行くとミヤマキンバイが可憐に咲いています。
とてもこんな標高の高い所に咲いていそうな感じではないのですけどね。
亜高山に咲くというヒメタケシマランのほうかもしれません。
雪が溶けたばかりのところは、こんな風にショウジョウバカマが咲きあがり、コバイケイソウが芽を出しています。この日はあちこちで金様子を見ました。
進むうちに、去年とは様子が違うことに気付きました。去年見かけた水場も見当たりません。第一、雪渓がかなり残っていて、登山道を覆っています。ピッケルを持ってきていた私はなんとか進めますが、ストックを小屋に置いてきたKさんは雪渓が歩きにくそうです。
去年もこの付近で見かけたキバナシャクナゲをようやく見ることができました。
草丈10銭ちちょっとのまるで草本のように可愛いシャクナゲです。
雪がなく、藪の薄そうなところを登ってみましたが、Kさんがちょっと疲れてきたようです。
無理もない、普段はあまり山に登ってないのですから、その割には行動時間の長い日でした。
諦めて引き返すことにしました。あと50mほどの登りで、ピークに着きそうな感じではありましたけど・・。
こんな高いところにもキヌガサソウが咲いていて、一寸驚きました。
下っている途中で、春道への分岐は中道ルート沿いだったことを思い出しましたが、すでに展望もあまりなくなってきていたので、そのまま下ることにしました。
帰り道で、東のほうを見てみると大天井方面が見えています。北鎌尾根も一部がなんとか見えています。
大天井から北に続く山なみは燕、餓鬼の稜線でしょうか。あのあたりも歩いているはずなのに、なぜか記憶が薄いです。
一方、目を下に転ずると、はるか下に沢と沢沿いの道が見えました。地図で見ると、高瀬川の上流である湯俣川のようです。
赤っぽく見えているのが硫黄尾根でしょうか。
下り道ではこんな木に気付きました。クロウスゴといってスノキなどの仲間です。花も可愛いですが、実も美味しいそうです。
双六小屋は電波状態が悪く、メールなども出せないのですが、双六岳にちょっと登ると電波状態が良かったことを思い出して、確か高松から槍ヶ岳に登るために来ているRさんにメールを出します。
ゴゼンタチバナなどを撮影しながら、双六小屋に帰ってきたのはすでに16時を回っていました。
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