槍穂展望の山旅、その2、林道歩き
平湯でKさんと一年ぶりの再会を喜びます。
Kさんとは山行の前には、電話で3度ほど打ち合わせをしてあります。普段はあまり山歩きをしていないようですが、学生時代からタフな人です。今年は新しくザックを買ったそうで、真新しいザックは私のものより一回り大きめで、たくさん入りそうです。
バスターミナルの建物のデッキでお昼を食べます。吹く風は流石に爽やかで、山に来たな~と感じます。連休前とあって、バスの発着もそれほど多くはなく、ターミナルはまだまだ静かなものです。
食事の後、私の車に乗ってもらって、新穂高温泉を目指します。平湯から新穂高までは30分ほどです。標高は平湯のほうが高くて、かなり下ります。13時半、新穂高の無料パーキングに着きました。去年はこのパーキングの場所がわからなくて、探したのでした。この時期はまだパーキングもがらがらで、登山道に一番近い位置に車を置くことができました。
温泉セットなど、山行に必要ないものは車に置いて、必要なものを最終的にパッキングしたら、歩き始めます。
歩き始めて直ぐにキツリフネを見ました。去年はここで見た記憶はありません。四国の山でもまだ見てないので、これが初見になりました。歩き始めは13時45分です。去年は遅い歩き始めで、Kさんが暑さと塩分不足でひどい脱水状態になったので、今年は最初の一泊はワサビ平小屋を予約してあります。ワサビ平までは林道歩きで1時間10分ほど。楽勝です。
新穂高のバスターミナル前から橋を渡り蒲田川左俣の林道を歩きます。
もう直ぐ咲きそうなソバナも見えます。
去年も咲いていたヒメフウロが今年もやっぱり咲いていました。もう営業をしてないホテルの建物の前に咲いていて、誰かがここに植えたのでしょうか。でも、帰りに、道端で咲いていたのでもともと自生していたものを、植栽したのかも知れません。
一般車両は通行止めになっているゲートを通過します。工事用の赤いダンプカーが後ろからやってきます。
去年はわさび平小屋付近でベニバナイチヤクソウの咲き残りを見かけましたが、林道を歩き始めてまもなく、ベニバナイチヤクソウを見かけました。
花の時期には10日ほど遅かったようです。
2002年に私がドライブで新穂高に来たときにも砂防ダムの工事が始まっていたように思うのですが、工事は相変わらずやっているようです。
新穂高温泉は標高1080m、ワサビ平小屋は標高1400mなので320mの登りがありますが、水平距離がかなりあるので、傾斜はゆるやかです。去年は新穂高を歩き始めたのが13時近くになってしまい、この林道歩きも足早に歩いたものでした。この日ははわさび平までなので、のんびりと景色を楽しみ、花の撮影などしながら歩きます。
7月初めに東赤石でたくさん見てきたばかりのネバリノギランなども見えます。
ルートは最初の50分ほどは蒲田川の左岸を歩きます。
やはり四国の山で6月初めに見かけたオククルマムグラの地味な花も咲いています。
ヤマアジサイなども咲いているのですが、帰りに撮影していますので、後ほど紹介するとしましょう。
まさかオオヤマレンゲをここで見ようとは思っていませんでしたが、ブログ仲間の一人の方に、この方面でオオヤマレンゲを見かけたことがあると聞いていましたので、「はは~、このことだったのか」と一人で納得しました。
しかし、もともと南方系の樹木であるオオヤマレンゲを、登山口とはいえ、北アルプスfで見かけたことは、正直、驚きでした。また、去年もまったく同じ時期にこの道を上り下りしているのに、去年は気づかなかったのでした。
コミヤマカタバミの葉があると思ったら、開いてはいませんでしたが、花も見えています。
蒲田川左俣の林道は山側が風穴になっていて、冷気が噴出しているので、ここよりはるかに高山でしか見られない花が咲いているのです。
シャクナゲの木々も多いです。
その冷気の噴出し口付近はどうやら「お助け岩」と名づけられているようです。
去年も目にしたゴゼンタチバナが可憐に咲いています。
ゴゼンタチバナは普通は標高2000m以上で咲いているものですが・・。
岩の隙間からは冷たい空気が流れていて、汗でほてった体に心地よいです。
この日はわさび平までで、特に急ぐこともないので、この涼しい場所で、10分ほど休憩を取りました。
この後、歩き始めたのですが、どうやらカメラの設定を間違っていたようで、画像がほとんど没になってしまいました。
去年はわからなかったのですが、どうもササユリのようです。香りを確かめたら、とてもよい香りです。
検索すると笠ヶ岳の登りなどでもササユリが咲いているそうなので、ここにササユリが咲いていてもおかしくはないのですね。画像の設定を間違っていたことがとても残念です。下山時には、もう花は終わっていました。
丁度綺麗に咲きあがったばかりの花がありました。
ここでオオヤマレンゲを見られるのであれば、四国で見なくとも、毎年、ここに来れば見られる?などと考えてしまいました。
後ほど、鏡平小屋で食事の際に隣に座られたご夫婦にお尋ねしたら、その後夫婦も大峰山にしょっちゅう登られるとのことで、気づかれていたようですが、ほとんどの方はオオヤマレンゲには気づいてなかったようでした。
笠ヶ岳への登山道である笠新道の登り口を15時26分通過です。
画像を失敗したので、画像は去年撮影のものをアップしてあります。
本日の行程はここまでです。
keitann様 こんにちは
カメラの設定ミスはお気の毒なことでした。
しかし、御頭の中には沢山の思い出が詰め込まれたことでしょうから、それでなんとか諦めをつけようではありませんか。
新穂高からワサビ平小屋の間でも早くも沢山の花達が出迎えてくれましたね。
海抜1000mを超えても未だササユリが咲くのですね、オオヤマレンゲといい不思議な感じがしますね。
新穂高では海抜1100mくらいの河原でヤナギランが咲いているのを見て、あれは標高差に神経質な花で大体1500mくらいの場所に集中するのですが、そのときの大雑把さに驚いたことがありました。
温泉が湧くことと何か関連があるのでしょうか。
投稿: ぶちょうほう | 2008-07-21 20:23
ぶちょうほう様、こんばんは。
今回は花を撮影したり、山を撮影したりと、設定を変えることが多く、後で設定ミスに気がついたことが2,3度ありました。
次回からは撮影後に確認する癖をつけないとだめですね。
去年は登りの時は急いでいたし、帰りは林道歩きでは雨に降られたのです。
今回はのんびりと林道歩きができたので、いろいろな花を見る余裕もありました。
ササユリは四国でも標高1000m以上で多く見られるようですね。
しかし、四国でもあまり見たことがないのに(私に限ってはですが)ここで見られたことに、不思議な気がしました。
ヤナギランは南アルプスの前衛の山で見たことがありますが、新穂高でかつては咲いていたのですね。
今回も去年見かけたヤマオダマキが見られないと思ってがっかりしていたら、パーキングに着く直前で見ることができて大喜びした事でした。
冷気の吹き出す風穴は、植生に何か影響しているとは思うのですが・・。
そうそう、このあと、メールをインフォシークのほうから出しておきます。
投稿: keitann | 2008-07-21 23:11
山奥に砂防ダムは必要なんでしょうかね?
防災なんでしょうけど、崩落は自然ですしね、
無駄なお金をバラまいているとしか思えません
(山登りの記事だったのにすいません)
投稿: アコモ | 2008-07-29 19:26
アコモさま、この砂防ダムは7年前に新穂高に行ったときも工事してましたよ。
しかももう1つ奥、小池新道入り口付近も工事が始まっていました。
あの辺は稜線までものすごい傾斜なので、雪崩なども多いんじゃないでしょうか。
地方の工事はたとえば、うちの市内の歩道の工事でも2年の間に2,3度やりかえるというような、
予算消化としか思えない工事も多いようですね。
投稿: keitann | 2008-07-29 21:38