8月の野草、その1、フジカンゾウなど
8月は平野部ではさすがに猛暑のため花もあまり見られませんが、それでもちょっと山間に行くと、初夏からずっと咲いている花の咲き残り、それに初秋の花なども見られて、それなりに楽しめるものです。
滝の近くではオオキツネノカミソリが咲いていました。
先日登った東赤石山の山裾にも5年ほど前には咲いていたはずなのに、今年は見ませんでした。野草も同じ場所に半永久的に咲くかと言うとそうでもないようで、5年以上も見ていると、同じ場所で減ったり消えたり、また増えたりと、いろいろになっています。
おしべが花から長く突き出ているので、オオキツネノカミソリのようです。キツネノカミソリより葉や花が大型なのだそうですが、キツネノカミソリのほうを見たことがないので比べることができません。
小さくて目立たない花ですが、私の好きな花、ムラサキニガナも咲いています。
ちょうど綿毛が見えていて、花の時期はすでに終盤に差し掛かっているようでした。
うちの近くの低山でも見かける花ですが、何しろ8月はなかなか低山には足が向かないので、毎年見られるというわけではありません。初めてムラサキニガナを見たのは、なぜか比叡山でしたが、薄暗い所に咲くこの花はピントが合わず、コンデジではまず思うようには撮影できない花でした。色の名前がついたニガナにはウスベニニガナというのも高知に咲きますが、普通は黄色い花が多いニガナの仲間だけに、ピンクや紫色があると、嬉しくなってしまいます。
花の部分はこんなマメ科の花です。花だけ見ているとまるでヌスビトハギやアレチヌスビトハギみたいな花です。
今年に入って、まだヌスビトハギを見てないのですが、どうも葉っぱがヌスビトハギとは違うようです。
マメ科であるのは間違いないので自宅に帰ってから図鑑のマメ科を一通り目を通しましたが、それらしきのがありません。そこでネット検索したらフジカンゾウが出てきました。フジカンゾウは名前は聞いたことはありましたが、初めてみる花でした。
全体像です。やはり葉っぱがヌスビトハギとは全然違いますね。フジカンゾウの葉は奇数羽状複葉です。
なかなかきれいな花でした。
ところで、近くにはこんなヌスビトハギの果実のような実もなっていました。花のほうをきっちり撮影してないのですが、ヤブハギが所々で咲いていたので、多分これはヤブハギの実のようです。
フジカンソウの実もヌスビトハギやヤブハギと同じような鉤のある実をつけるそうで、次回来た時に見られればいいのですが・・。
行き道では全然気づかなかったのですが、シギンカラマツも咲いていました。
カラマツソウもいろいろな種類がありますが、シギンカラマツは西日本で見られる種類です。
草丈は50センチほどでそれほど大きくはなりません。
この画像ではあまり目立っていませんが、去年徳島で見たシギンカラマツは花芽がピンク色をしていて、とても愛らしく綺麗だったです。
こちらもあまり綺麗な画像ではありませんが、シギンカラマツです。
繊細な花が多いカラマツソウの中でも一番繊細なイメージがあるように思います。
ヒメキンミズヒキなどもすでにどこかで見かけた記憶があるのですが、ヒメがつかないキンミズヒキは株もがっしりしている感じです。うちの畑でもいつのまにかはびこって困っているほど強い野草ですが、今年は日照りが続いているせいか、我が家の畑ではいまだに花を咲かせていないようです。
キンミズヒキはどことなくシモツケソウなどと似ていますが、バラ科なんですね。
一方、同じミズヒキでも金がつかない紅白の花を咲かせるミズヒキのほうはタデ科で、日陰に生えています。
キンミズヒキもミズヒキも我が家の庭にはいくらでも生えてきますが、野山でもごくふつうに見られる野草です。
草姿が大きいのと、花もユリの仲間としてはあまり華麗な花ではないので、咲いていても注目されない花のようです。
これは種で増えるようで、野山ではほんとによく見かける花です。
夏の強い日差しを避けて森に入ると、いろいろな野草に出会えますね。
キツネノカミソリを意外なところで見つけて、一人喜んだりしています。
投稿: 多摩NTの住人 | 2008-08-17 10:19
多摩NTの住人様、こんにちは。
日が短くなって、さしもの猛暑も昨日ぐらいから少しはましになってきました。
山に入ると、暑くても野草が咲いているのはほんとに感心するばかりです。
こちらで見かけるのはオオキツネノカミソリがほとんどですけど、そちらではキツネノカミソリが咲くんですね。
投稿: keitann | 2008-08-17 17:45