東赤石の夏の花、その3、ツルギハナウド
6月に登った時は、この自然林歩きからタカネバラやフジイバラがあちこちで咲いていて、それは見事だったのですが、今ではすでに実になっていました。タカネバラは花も綺麗ですが実も真っ赤に熟して秋にはとても鮮やかです。で、気づいたことなんですが、6月に花が咲きあがるときは標高の低いところから順番に咲いていたのが、実が赤く色づくのは標高の高いところが先なんですね。先に咲いたから先に色づくというのではないところが、とても面白いと思いました。春の花は標高の低い場所から咲いていきますが、秋の花は山の上から下へと降りてくるのとどこか似ていますね。
何しろ今年は見事な花つきでしたから、実もいっぱいなっています。秋になったら、これが真っ赤になって、実を見るだけでも楽しいのです。
こちらはメギの実です。まだ色づいてはいなくて、緑色をしています。
これも赤く色づくはずです。
橄欖岩がごろごろしていますが、周囲は自然林いっぱいの登山道です。
このコースはアサマリンドウとツルリンドウが多いということは、去年の秋に来てわかっていたのですが、ツルリンドウにはまだほんの少し早かったようで、これが一番良く咲いていたほうです。
しかし、あと10日もすれば花もぼつぼつとみられそうですね。
アサマリンドウのほうは、やはり9月にならないと咲かないのではないでしょうか。
セリ科の白い花は山ではずいぶん多くて、同定に難儀する花の一つですが、東赤石に咲いているのは、たいていはツルギハナウドです。
これがアルプスなんかだと、草丈が1~2mにもなるシシウドが多いのですが、ツルギハナウドは草丈は1mほどです。
画像を見ると、下に虫がくっついてますね。
シロモジの実は熟すると黄色くなります。
花をよく見るとホソバシュロソウです。
そうすると、緑の実はホソバシュロソウの実なんですね。初めて見たかも・・・。花だけなら何度も見てますが・・。
フジイバラの実は普通のノイバラの実と同じ形ですね。花も良く似ていますから、実も似ています。
標高1400mぐらいまで登ってくると、大座礼山方面が見えるはずですが、あいにく曇っているので、あまり良く見えません。
でも、これが晴れていると、この付近から背中に日が照りつけて暑いのです。
画像中央に見えている白い花はリョウブの花です。リョウブは四国では低山から高山まで広く見られる落葉樹で花も綺麗だし、樹形や葉っぱも綺麗で、最近では庭植えとしても人気があるそうです。
白い花には甘い香りもあって、非の打ちどころのない木です。
この付近からオオトウヒレンが見られますが、花にはまだ少し早いようでした。
キク科トウヒレン属。オオトウヒレンは四国にのみ分布しているようですが、ここ東赤石山ではあちこちで普通にみられます。
草丈は1m近くなるものもあり、かなり大型の花です。
ナンゴククガイソウは前回来た時にはまだ咲いてなくて、今回は咲き終わりでした。すべての花を一番きれいな時期に見るためには、半月に一度は来る必要がありますね。
いつもこのコースを登ると、この区間が一番苦しく感じます。岩が多いので、歩幅が一定にならず苦しいのですね。
末っ子は先に行っていて、姿は見えないのですが、道標が立っているところで待っているようにと言ってあります。今回はタカネバラも花が終わっているので、早く歩けるだろうと思ったのに、やはり20日ぶりに歩いたせいか、調子はいま一つです。
シモツケソウなどが見えてき始めて、そろそろトラバース道が近いことを予感させてくれました。
ナガサキオトギリだろうと思います。「下部から直立する枝を多く出す」という特徴が私の図鑑には載っていて、いつもこれで見分けています。
花が終わっているはずなのに、やけに綺麗に咲いているアジサイだなと思ったら、クサアジサイでしょうか。
でも、クサアジサイの装飾花ってこんなに華やかでしたっけ??
こちらも、こんな花はクサアジサイぐらいしか思い浮かばないのですが、いつも見ているクサアジサイとはちょっと違う姿で、何か釈然としない気持ちです。
12時20分、ようやくトラバース道に出ました。13時までに山頂に行けると思っていたのに、今日も13時を過ぎそうです。
まぁ、ここまで来たら、あとはなんとかなるので、ここでおにぎりを一つ食べます。まだ登りが少し残っているので、何かおなかに入れないと、登る力が出ません。
ブヨはこの日はここで一番多くまとわりつきました。しかし、食事もできないというほどではありません。食べたら、すぐに山頂目指して出発です。
見事に花つきの良いリョウブの木です。向こうには平家平方面も何とか見えてきました。
二年前に初めて見た時には何だかわからず困ったクロヅルです。赤い花のように見えるのは翼のある種だそうで、ほんとの花は白いのです。ツル性の植物で、夏の高山ではよく見かけます。
少し色づき始めたヒロハヘビノボラズの果実です。これも秋には真っ赤になって綺麗でした。
6月から何度も登っていると、花と実の両方が見られて、変化が良くわかり楽しいですね。
これを撮影したときは、実は何かわからなかったのです。しかし、今、画像を見たらわかりました。これはリンドウの花芽なんですね。去年の秋にここで咲いていたのを思い出しました。やはり何度も来ていると、いろいろな意味で、役に立つことが多いです。
keitann様 凄いことになっていますね。
実に沢山の花や実に出会われて、観客席の小生たちも見るのが忙しいです。
リョウブ好きはかなり居るものですね、かく言う小生も好意を持って眺めているうちの一人です。
クロヅルは今までに山で出会っているかもしれませんが、小生は気づきませんでした。
クサアジサイ?とされたものは一体何なんでしょうね。
いろいろと面白くなってきましたね。
投稿: ぶちょうほう | 2008-08-10 21:35
ぶちょうほう様、こんばんは。
今夜は映画のレイトショーを見に行っていて、こんなに遅い書き込みになりました。
申し訳ないです。
同じ山に期間を少し開けて登ると、どこに何があったかを覚えているので、花後や実などもよくわかって
植物の勉強になりますね。違う山に次々と登るのもいいですが、私はどうもこういう登り方も好きなようです。
数年前は毎月剣山に通った年もありました。
リョウブは樹肌もきれいだし、葉っぱもいいですね。私も庭植えしようとは思いませんが、好きな木の一つです。
クロヅルは南方系のものなんでしょうか。そういえば、北アルプスではついぞ見かけませんでした。
こちらでは剣山にもよく自生しています。
投稿: keitann | 2008-08-11 01:02