トサコバイモに出会う
昨日は、別のことを確かめたくて、午後からある山に行ってきました。
目的の花は確かめられたのですけど、折角出向いたことでもありますし、その付近を少し見てきました。
意外にいろいろな花に出会えて、そろそろ帰ろうとしていたとき、何気なく見上げたらトサコバイモの花が見えました。トサコバイモは今年、出会いたい花のナンバー1候補でした。トサとはつきますが、実際は高知、愛媛、香川の3つの県で咲くらしいということは知っていました。
山の名前も大体調べはついていて、そろそろその山を訪ねようと思っていた矢先でした。
まさか、この山でこんなに偶然に出会えるとは思ってもいなかったので、嬉しさでいっぱいになりました。野草散策を始めてもう直ぐ9年目になりますが、初めて見る花はほんとに嬉しいものです。特にそれが、今年は何とかして会いたいと思っていた花だったのですから・・。
山には誰もいません。コバイモの仲間は一輪咲いていれば、その付近に小さい群落を作ります。早速調べたところ、私が見ただけでも20輪ほどは咲いているようでした。
この画像にはピンボケのも含めて4株のトサコバイモが写っています。
株元に見えている緑の一枚葉は未開花株です。つまり幼株なのです。
他にも幼株はかなり見られましたから、来年も何かない限り、この場所で咲いてくれるはずです。
コバイモの仲間は下を向いて咲くので、たいていは花の中を覗き込むのが難しいのですが、何とか一輪だけが葯の色を見ることができました。
葯が紫色をしているのがトサコバイモの特徴です。
花の形は細長い筒状で、ホソバナコバイモと良く似ています。しかし、ホソバナコバイモは葯が白色、トサコバイモは葯が紫色ということではっきりと区別できます。
花の外側にある模様はトサコバイモでは網目模様です。模様がよくわかる画像を選んでみました。
因みにこちらは3月17日に岡山で見てきたホソバナコバイモですが、ホソバナコバイモには網目模様はほとんどなくなく、代わりに条線というものがあります。
再び、トサコバイモに返って、この個体は草丈もわずか5センチほどと小さく、花冠の長さも短くて、ずいぶん可愛い個体でした。
アワコバイモもユキワリイチゲと同じ場所に良く咲いていますが、トサコバイモ同じですね。
湿り気のある、落葉樹の下を好むということでしょう。
それにしても、今年見たい花を、これほど呆気なく見てしまい、今後は見たい花を何にしましょうか?
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