ゴヨウツツジを見に筒上に登る、その6、ヒカゲツツジ
10分ほど休憩したら、12時20分に出発します。登りはじめたら、いきなり上から20名ほどのパーティーが下ってきたので、しばし待ちます。山登りの際のルールはほんとは登りが優先で、下りの人が登りの人を待つのが普通なのですが、最近はそういうこともあまり知られてないようです。
特に人数の多いパーティーを単独のものや2人ほどの少人数で待つのは時間のロスが大きいので、気をつけて欲しいと願っているのですが・・・。
休憩した場所はたまたまゴヨウツツジが一旦途切れる場所だったようで、そこから上ではあまりゴヨウツツジは見ませんでした。標高は1750ぐらいでしょうか。そして、代わりにシャクナゲの花がぼつぼつと見られるようになってきました。
去年はシャクナゲは裏年だったか、このルートを歩くのが早かったせいか、筒上の尾根道でシャクナゲを見た記憶がありませんでした。でも、今回は上から下ってくる人に山頂付近ではシャクナゲとヒカゲツツジがまだまだ綺麗だと聞いていたので、楽しみにしていました。
私はその前の週もシャクナゲ、ヒカゲツツジを見ていますが、初めてこのコースを歩くHさんはどちらも見てないので、是非見せてあげたかったのでした。
3年前にこの尾根道を下ったときも、そういえば、ヒカゲツツジが多かったことを思い出しました。
この付近のブナは標高は高い場所にあるのですが、日当たりが良いせいか、葉っぱがかなり展開してますね。
ヒメシャラも芽吹きが始まっていて、ヒメシャラの若葉は意外と濃い目の緑でした。
四国の標高1500以上の山ではブナ、ヒメシャラ、ゴヨウツツジがセットで生えているところが多いようです。
2年前に登った中東山もそうでした。でも、中東山のほうが木が大きかったように記憶しています。何しろ、クマが生息している山ですし・・。
バックの赤いシャクナゲをボケにしてヒカゲツツジを撮ってみました。
尾根から少し東に入ったところに花つきの良いシャクナゲがありました。
近づけないので、望遠で撮影です。
この木などはまだまだ花芽が多かったですから、5月末か6月初めまで花を楽しめそうでした。
登っていくうちに、ものすごく花つきの良いヒカゲツツジも見ました。
しかし、花が多い木は撮影が難しいですね。
どう撮ってよいか悩みます。
そろそろ岩場が多くなり、ワチガイソウやコミヤマカタバミなど足元の花にも注目しなければなりません。
シロバナエンレイソウも咲いていますが、シロバナエンレイソウが咲き進むと紫色になるのかも知れません。
夏にはたぶんオオマルバノテンニンソウが群生する場所でしょう。
カニコウモリの葉も多くて、剣山の行場などと雰囲気の似ている場所です。
もう少し日が差していれば全開してくれるのですが・・・生憎と午後になって日が翳ってきたようです。
道はこの付近からいよいよ急登になってきます。
その辺の松よりもよほど幹周りが太いです。
それなのに、この幹は高さ2mほどで朽ちていて、ゴヨウツツジの株の上からミツバツツジが生えているのです。
ミツバツツジの幹はすべすべしていて、ゴヨウツツジとは全然違うので、見分けがつきます。
つまりこのゴヨウツツジはミツバツツジに乗っ取られているのです。
また、こんな木も見ました。ある木の幹に、ほかの木が食い込みそうになっています。
自然界ではいろいろな面白い木が見られます。
山頂が近くなったのか、ようやくアケボノツツジが見えてきました。でも、花盛りではなく、すでに終盤の姿です。
それでもアケボノを見るのが初めてというHさんは一生懸命撮影しています。
この後、歩いていると、いつの間にか「土小屋への尾根コース」という小さい道標が目に入りました。道も下っているようです。
あれ、ピークも踏んでないのに、なぜ下ってるのだろう?と思い、後方から来た人に「山頂は通過されましたか?」と尋ねると「勿論、山頂から下っているところです」と返事が・・・。
あらまぁ、花の追っかけに夢中で、いつの間にか花を見るための踏跡を辿ってきてしまったようです。急いで山頂方面に引き返します。この前もピークを踏んでないので、今回はピークは踏んでおきたいのでした。
keitann様 こちらも 前記事と似たような話になりましたので、コメントさせていただくことにしました。
若い頃、秩父の両神山で、こちらのアケボノツツジとソックリのものをたくさん見ています。
それはアカヤシオと言いました。
これもネットで引いて見ると(本当に便利の良い世の中になりました)、母種がアケボノツツジで、アカヤシオは変種の関係にあるとのことで、納得です。
ヒカゲツツジは此処暫らく花を見ていませんが、クリーム色がソフトで素敵ですね。
ミヤマエンレイソウの紫花は、仰言る通りかもしれませんね。
というのは、先日見たミヤマエンレイソウは花が遅くて、全て紫色に変わっていましたから。以前来た時には、花は真っ白だったのです。
ゴヨウツツジにチャッカリ悪乗りしたミツバツツジの話は面白く拝読いたしました。しかし、あれだけの大木が惜しいことをしましたね。元気だったら天然記念物ものですね。
投稿: ぶちょうほう | 2009-05-30 12:03
ぶちょうほう様、こちらにもコメントをいただきまして、ありがとうございます。
アカヤシオは中部以北に見られるのでしょうか。私はこの眼でアカヤシオはまだ見たことがないのですが
シベに毛があるかないかという違いだけのようで、アケボノツツジとアカヤシオとはほとんど見分けがつかないそうですね。
ムラサキヤシオと言うのは去年、北アルプスではじめて見ました。
アカヤシオもその季節に行けば見られるのでしょうね。そのうち、いつかは見られるかもしれません。
石鎚山系の山ではアケボノ、ゴヨウ、ヒカゲの三種とシャクナゲは割合ポピュラーでよく見られるようです。
知人にもヒカゲツツジが一番好きと言う人もいますし、好みでしょうね。
私はやはりゴヨウツツジが一番好きです。
白い花が好きなのだと思います。
エンレイソウは私の図鑑では「内花被片が淡紅紫色を帯びるものをムラサキエンレイソウという」と書いてあって
白いものが紫色に変化するとは書いてないのです。
でも、同じところに白い花と紫の花が咲いているのですから、先進むと色が変わると考えるのが自然なのでは
ないかと思いました。
幹が途中で朽ちているゴヨウツツジの株はほんとにすごかったです。
これに花が咲いたら、どんなに素晴らしかったでしょうね。
投稿: keitann | 2009-05-30 22:27