天狗塚~牛の背、雄大な稜線を歩く、その5、牛の背三角点
この日の当初の予定では天狗塚に登り、登った道を下ると言うものでした。時間的にはかなり余裕があるので、天狗~牛の背のコースを歩いていない私としては、牛の背までピストンしても良いかなという気もありました。しかし、昭文社の地図のコースタイムを見ると、牛の背までは片道約1時間、往復すると2時間です。そうすると下山時刻が4時半頃になりそうです。
Hさんのパーティーでもその後の予定をどうするかということで、なかなか話がまとまらないようです。Hさんは牛の背の三角点を踏みたいという気がおありのようで、どこが牛の背の三角点でしょうかと、尋ねられました。聞くともなく聞こえて来る話では、どうやた牛の背に向かって天狗を下り、途中の鞍部に池があるので、とりあえずそこまで行かれるようです。
画像は天狗塚ピークから落合峠、矢筈山、烏帽子山、寒峰などを眺めた画像です。
対面の祖谷山系との直線距離は10kmちょっとでしょうか。
牛の背のだだっ広い姿をバックに立ってらっしゃるのが84歳のHさんです。このパーティーのリーダーはなんとHさんなのだそうです。
山友達のTさんの話では登山口までの運転もHさんがされていたそうです。
かくしゃくという言葉はHさんのためにある言葉だと思いました。
山頂から見ていると、邪魔するもののない笹原なので、下を歩いている人もはっきりと見えます。牛の背方面から3,4人のパーティーがこちらに向かってくるのも見えますし、天狗峠方面から単独の女性や、その後から、3人のパーティーが歩いてくるのも見えます。
私たちの一足先に、まず、Hさんのパーティーが牛の背方面に下っていかれました。そこへ、単独の女性が登ってこられ、カメラのシャッターを押してもらえるよう、頼まれましたので、押して差し上げ、代わりに私たちも珍しく山頂での記念写真と思い、シャッターを切ってもらいました。山頂で写真撮るなんて、いつ以来でしょう?
12時10分、私たちもとりあえず牛の背との鞍部にある天狗の池まで行こうということで、山頂を下り始めます。
聞くところでは池から天狗峠まではトラバース道があるので、天狗塚を登り返すことはないとのこと・・・。
お昼を食べているうちに、東の三嶺方面はすっかりガスに巻かれてしまいました。
下り始めて直ぐに、綺麗なコツクバネウツギを見つけました。
この付近の木々はどれも低いですが、このコツクバネウツギも樹高わずか30センチほどです。
でも、花は初々しくて綺麗でした。
100mほど下を下っているのは勿論Hさんのパーティーです。
下ると、そこから牛の背に向かって気持ち良さそうな一本道が笹の中を通っています。
しかし、天狗の下りはかなり急勾配の下りで、これは登りたくないな~と思います。
そして、後方にはいつの間にか、山頂でシャッターを押して差し上げた単独の女性が私たちにぴったりついて下られていました。聞くと高松から来られたようです。
道から7,8m離れて、急斜面にツルギミツバツツジの咲き残りが見えました。
ここに来るまでにもツルギミツバツツジの木はたくさん見ましたが、残念なことに花には遅すぎたようです。
そしてその向こうのだだっ広い鞍部では、牛の背から歩いてきたパーティーがお昼休憩されているようです。
辺りは茫洋たる笹原で、それだからでしょう、か、なんとものんびりとした光景に見えます。
こういう笹原にはお昼寝がいちばん似つかわしいですね。
この辺りはコースの中でもいちばん広くて、まるで運動会でも出来そうとか、建売住宅が何十軒も建ちそうとか、冗談ばかり言い合いながら通過しました。
私たちも池まで下ってきましたが、水は生憎と溜まっていません。
水がたくさんあれば、水面に逆さ天狗の姿が写るそうですが・・。
その間に、Hさんのパーティーは牛の背から歩いてきたパーティーとなにやら話し込んでいるようです。
ルート状況でも尋ねているのでしょうか。
やがて、目の前にHさんたちのパーティーが見えてきました。
トップを歩かれているのは、やはり84歳のHさんです。
ここでも、三角点の位置を尋ねられました。
のっぺりとしている上、道標も何もないので、初めて来る分には三角点の位置はわかりにくいです。
keitann様 シランからこちらまで読みあがってきました。
花の点からみれば、収穫の多くはない山域だったようですね。
それでもツマトリソウや素敵な野バラ(何でしょうかね)があったり、はては蛇のオブジェまで飛び出しましたね。
ここは山歩きと言うよりも高原逍遥といった趣でしょうか。
関東なら、神津牧場ならこんな感じが味わえるところでしょうか。
これまでの山とは一味違った、これはこれで素敵な山だと思いました。
投稿: ぶちょうほう | 2009-06-15 17:08
ぶちょうほう様、こんばんは。
こちらにもコメントをいただきありがとうございます。
この山系は剣山系で、東の端に位置する剣山には深い森があるので、植生が豊かです。
それに対して、西ノ端に位置するこちらの山々は笹原の山です。
この山域には熊が棲息し、鹿が多いことも知られています。
鹿が多いと、笹を食い荒らしたり、木々の樹皮まではがされたりと、森は少し荒れているようでした。
石鎚山系の山々のほうが鹿が少ないだけに、まだ植生が豊かなままで残っています。
仰るとおりで、この辺りの山々は、広々とした笹原歩きを楽しむ山だと思います。
石鎚山系のように、東西に一ならびになっているだけではなく、周回コースを楽しめるところが
いちばんの魅力でしょうね。
投稿: keitann | 2009-06-16 00:34