北アルプス最北の山旅、その10、ミヤマオダマキ
白馬山荘には早く着いたので、白馬の直ぐ西に見えている旭岳に行ってこようかという話も出たのですが、翌日は何しろ行動時間が長いので、白馬付近の散策程度にしようということになりました。その前に、この日はお弁当を頼んでないことだし、小屋の直ぐ横に、スカイレストランがあるので、先ずはここでお昼を食べようということになりました。
スカイレストランの中には日本一高いところにあるモンベルのショップもあると聞いていましたが、ほんとにその通りでした。
YさんはバンダナとTシャツを1つ買いたいということで、私も山用のソックスがかなり薄くなってきて、足が少し痛みを覚えるので、厚手のソックスを買い込みます。折角、荷物が少し減ったけど、これで元の木阿弥??でも、新しく買ったソックスを履いていたおかげで、翌日のロングコースも楽に歩けたので、これはとてもよい買い物になりました。
お客は誰もおらず、私たちだけの貸切状態です。
私は念願のビールをソーセージとともに頼んで、剣が見える窓際の一等席で飲みました。
去年の鏡平小屋での槍を見ながらのモーニングコーヒーとどっちもどっちと言う贅沢なひと時でした。(^_^;
白馬付近は携帯の電波が入りにくく、Yさんのソフトバンクの携帯は少し下に下った村営の頂上宿舎まで行けば通じるというので、その辺りまで散策に出かけます。
時間はまだまだたっぷりとあります。
白馬山荘も村営宿舎も山小屋にしてはシックな色の建物です。
白馬杓子の杓子尾根と白馬の三合尾根との狭間から下界がはっきりと見えます。
北アルプスって、安曇野が直ぐ下なので、昔も町の灯が良く見えて、妙な気分だったのを思い出します。
下からやってくるのはは白馬大雪渓を登ってきた人たちです。
手前の雪渓が大雪渓の上部になるのでしょうか。
村営宿舎の近くまで下ってみると、そこいらじゅうでミヤマオダマキが咲いていて、嬉しくなりました。
ミヤマオダマキは今まで、北岳の山頂でしか見ていません。
それも1株だけです。
それにしても、ミヤマオダマキは白馬より北に行くと全然見なかったので、ここに散策に来て良かったと思いました。
ここまで来るといっぱい咲いているのです。
白馬山頂付近からではわずか30分ぐらいの距離ですが、それでも植生が違っています。
イワオウギらしき花もそれまで歩いてきた道沿いには見なかったのが、村営宿舎付近では咲いています。
もっとも、朝日岳の下りでも良く似たのを見ましたが、イワオウギの仲間もたくさんあるようなので、ゆっくり画像を見ないとわかりませんが・・。
この花がイワオウギなのかシロウマオウギなのかも、始めてみた私には判別が難しいです。
これはナンブイヌナズナでいいのでしょうか?
7月25日 fu-coさんよりご教示いただき、ヤマガラシと訂正させていただきます。
とても可愛かったです。
白馬へののぼりで見かけたミヤマクワガタよりもっと小さい花で、これは確かヒメクワガタでしたね。
でも、これも初見なのです。
次から次へと見たこともない花が咲いています。
これは北岳でも見たことがあるシコタンソウのように思いますが、まだ咲き始めなので、これも確信はありません。
白馬山荘へと引き返し始めたら、ガスが晴れて、白馬杓子岳と白馬鑓ヶ岳が綺麗に見えました。
白馬岳も入れて白馬三山というのはこの3つの山のことなのです。
屋根が見えているのが白馬村営の頂上宿舎です。
でも、せっかくここまで来たのに、Yさんのソフトバンクの携帯は電波が飛んでなかったのでした(^_^;
私も携帯のカメラでこの眺めを撮影して後から先輩や山友達に写メールしたのでした。
それにしてもでかい山小屋ですね。
そして白馬岳というと、この格好がいちばん有名なのではないでしょうか。
ウルップソウはこの界隈ではごく普通にどこにでも生えています。
散策後は談話室や部屋でのんびりと過ごしましたが、やがて、夕方になると風に加えて雨が降り始めました。
夕食後の天気予報を見ても16日の天気はイマイチ良くなさそうだし、小屋の方にお尋ねしたら「最初は悪いでしょうが、後から良くなるのでは?」とのこと・・・。
もし、風と雨の両方なら、朝日小屋までのロングコースを歩くのはつらいものがありますし、第一、展望も得られず、撮影もままならないので、雨と風の両方がやまないようなら、精々、雪倉までのピストンにして、登ってきた道を引き返そうということにしました。
しかし、宮城から来たというパーティーの方に翌日の予定を尋ねたら唐松岳まで行くと言うのです。唐松岳までというと不帰の嶮を通過するはずです。これだけの強い風雨の中を危険なキレットを通過するというので、思わずYさんと顔を見合わせました。しかもそのパーティーの方たちはどう見ても60ぐらいの女性中心のパーティーなのです。宮城からわざわざ来たからには、雨が降っても槍が降っても予定のコースを歩くのでしょうか?
奇しくも16日というと、大雪山系で大規模な遭難があったときで、このときはそんなことはつゆほど知りませんでしたが、最近の熟年パーティーの方たちは山の怖さを知らないんだね、とYさんと話したことでした。
私はといえば、大学3年のときに秋合宿で赤石~塩見まで縦走したことがあるのですが、3000mの稜線で横殴りの雨に降られたうえ、強風に煽られて、パーティーでどこかの小屋に入ったものの、寒さで1晩中、まんじりともしなかった経験があるので、山で風雨に遭うことの怖さは身に染みています。
ともかく朝の天候次第ですね。
その夜も、夕方7時半には横になり眠りましたが、一晩中、風の音がすごかったのでした。
北アルプスの花紀行、その1から順に読ませていただきました。
とても丁寧で一緒に歩いている気分になります。
白馬は高山植物の宝庫と言われるだけあってお花の種類が豊富ですね~
実は私たちも8月中旬に白馬を狙っています。
20年ほど前に一度だけ大雪渓~山頂~蓮華温泉に下ったことがありますが、その後なかなか縁がなく、今年ようやく行けそうです。
ですが、事情があって一泊しかできず、宿泊先を白馬槍温泉に泊まるか白馬尻に泊まるか迷い中です。
keitannさんが歩かれた北方面も興味がありますが、また次の機会に考えてみたいです。
それにしても、風速20メートルの風はきついですね~
3000mの稜線で風に煽られたら大怪我間違いないですからね~
実は、10年ほど前に私も北アの唐松岳でそのような突風に押し倒され膝に怪我をしたことがあります。
その時は大したことはないと考え、そのまま縦走を続けたために、その後半年間膝の痛みはひどかったです。
完治までには数年を要しました。
もう、歳ですから無理はいけませんね(^^ゞ
黄色いアブラナ科の植物はヤマガラシではないでしょうか?
投稿: fu-co | 2009-07-25 14:28
fu-coさん、こんにちは。
白馬岳方面には学生時代以来、30数年ぶりで訪れましたが、これほど花が多いとは正直
思っていませんでした。
昔は歩いた時期も8月半ばと、花の盛りを過ぎた時期だったせいもあるのでしょうが、やはり
若い頃はまたいつでも来れるという気があるので、一生懸命見てなかったんでしょうね。
白馬だけならともかく、雪倉や朝日岳方面には小屋も少ないですし、天候に恵まれるとか、体力も
それなりに充実している年代でないと難しいと実感しました。
実際、私たちとずっと同じ行程で登られていた九州の熟年パーティーの方々は蓮華温泉になかなか
下ってこないので、心配していたら、数日後、朝日小屋のHPを見ていて、そのパーティーの1人が
木道で滑って転び、膝を強打して歩行不能になったそうで、急遽、朝日小屋に連れ帰り、二日後にヘリで
富山まで運ばれたとか・・。
私と後輩もそれぞれ2度ずつ滑りましたが、まだ若いのか??(^_^;特に怪我もしなかったのですが、
無事に蓮華温泉まで下れましたが、なかなか行程どおりに歩くのも難しいと感じました。
私も今まで幸いにも山で怪我をしたことはないですが、加齢につれて、怪我をする確率も高くなりそうです。
アルプスを歩けるのはいつまででしょうね。
昔のアルプスは中高年なんて、全然歩いてませんでしたものね。
やはり装備が良くなったのと、携帯の普及で歩けている部分が大きいのではないかと思います。
最後にヤマガラシの件、ありがとうございます。
早速訂正させていただきました。
投稿: keitann | 2009-07-25 18:18