010年、扇沢~鹿島槍、その10、イワウメと鹿島槍北峰
鹿島槍南峰には先に出発されていた北海道の方たちもすでに到着されていましたが、山頂はもちろん私達2人と北海道の2人だけです。
それまでにも五竜方面から縦走されて来る方は皆無でした。結局、この日、鹿島槍界隈を歩いていたのは私達4人だけだったようです。
種池山荘で作っていただいたおにぎりのお弁当を山頂でいただきます。
ガスがかかっていて天気は悪いのですが、風がないのでじっとしていても寒くはありません。標高2900m弱にしては暖かいですね。北海道組は、この後、小屋まで帰られるとのことでしたが、私たちは時間もあることだし北峰まで行ってみることにしました。もっとも、展望は期待できませんが・・・。しかし、南峰を下り始めた途端、それまで見かけなかった花が咲いていて、結局、花を見るためには北峰行きは正解だったのでした。
12時22分、北峰に向けて出発しました。
数十年前に歩いているコースだというのに、まったく記憶が残ってないというのも不思議ですが、たぶん写真が残ってないということは、そのときも今回と同じガスの中を歩いたのでしょう。何しろ、白馬で台風のために2日も停滞したのですから、その前も決して天気は良くなかったのだと思います。
南峰を下り始めた途端、Yさんが「こんなところにテントウムシがいる」と言います。
大きいのでテントウムシではなくてカメムシだろうと思いましたが、帰宅してから調べるとクロボシツツハムシというようです。
でも、高山性の昆虫というわけではなくて、どうしてこんな高いところにいたのか不思議です。
不思議といえば、南峰への登りの途中で、先に歩いていた北海道の方たちがサルを見たのだそうです。四国ではサルなんて珍しくないのですが、北海道にはサルはいないので、珍しかったそうです。コマクサは珍しくないけど、サルは珍しい・・・・やはり所変われば・・・ですね(^_^;
サルといえば、南アルプスでライチョウが激減したのはサルが南アルプスの高山にまで上がってくるようになったかららしいと、先輩に聞いたのが仙丈に登った5年前のことでした。今回、鹿島槍や爺ヶ岳の山頂付近でライチョウが見られなかったのも、もしかしたらサルが原因なのかも知れません。そもそも、標高2900m近い場所までサルが上がってくる原因は何でしょう?
今回の山旅では結局、ライチョウを一羽も見ることが出来ませんでしたが、この日見かけたというサルもそれと無縁ではないような気がしています。
南峰の下りは結構な岩場で、岩が濡れているので、少し緊張しました。
イワオウギとミヤマクワガタが水滴をまとって、良い雰囲気で咲いています。
しかし、岩場の下りは神経を使う場所もあるので、撮影はなるべく帰りにしようという感じです。
ガスで下が見えないだけ、まだましなのかも・・・(^_^;
でもまぁ、岩場の上り下りはYさんも私も特に苦手ではないので、淡々と進みます。
昔は重いキスリングを背負って、ここを歩いているはずですし・・。
と思ったら・・・
すでに咲いている株もボツボツと見受けられました。
地図には「牛首尾根に迷い込まないように注意」とありますが、岩に赤ペンキなどがありましたから、大丈夫でしょう。
ミヤマシオガマの濃いピンクの花はガスの中でも結構目立っています。
だけど、Yさんが待っているので帰りにしっかり撮影することにしましょう。
岩陰では目立たない花、ミヤマタネツケバナがひっそりと咲いていました。
ハクサンイチゲはあちこちで見ましたが、ここのものが一番雰囲気が良かったです。
隣にクロトウヒレンも見えますね。
なんだかコケモモの花にしては白っぽい花と思い、撮影してみましたが・・・・よく調べてみるとコメバツガザクラのようです。
花の先がすぼまっています。
見たときに、ちょっと雰囲気が違うと思ったときはやはり撮影しておくに限りますね。
コメバツガザクラを意識して撮影したのは初めてだと思います。
ヒメクワガタですね。
今回のコースではミヤマクワガタはたくさん見ましたが、ヒメクワガタはここでしか見なかったように思います。
でも、残念なことにまだ花芽です。
五竜方面へ向かう縦走路と鹿島槍北峰との分岐にやってきました。
時刻は12時50分です。
大昔、ここを歩いたときは、北峰に登ったのでしょうか?
見事なほど記憶がありません。(^_^;
9月にOB会があるので、当時のリーダーをしてたS君に尋ねてみなくては・・。
この縦走路をそのまま辿ると不帰の嶮へと向かうわけです。
北峰への登りの途中でこんな色違いのツガザクラを見かけました。
萼の色が違うみたいですね。
見事なツガザクラの大株の手前にハクサンイチゲが咲いていて見ごたえがありました。
撮影時間なしだと分岐からだとほんの5分程度でしょうね。
Yさんがやはり待っていてくれました。
撮影はほとんどしないYさんにはいつも待ってもらうばかりで申し訳ないですが、私は写真係ということで勘弁してもらってます(^_^;
北峰の山頂表示はちょっとお粗末ですね。
待ってもらっていたので、北峰山頂では私は休憩はせずに直ぐに南峰へと取って返します。
ガスで視界は50mも利かなくなって来ました。
イワウメは大好きな花なので、帰りにはしっかり撮影しますが、雨とガスのために花が透けています。
岩に張り付くようにして咲いている姿はいつ見ても健気で可憐そのものです。
北峰に向かう途中でも気付いていましたが、下りでの撮影は危険なので、登りで撮影したキバナシャクナゲです。
岩場に点々と咲いていましたが、これは登山道の直ぐ横で咲いていた株です。
高さは2m以上はあります。
シラネアオイにもクロユリにも気付かなかったYさんが、珍しくミヤマオダマキの花芽の姿に気付いてくれました。(^_^;
ミヤマオダマキは去年の白馬の村営宿舎付近ではこれでもかというほど咲いていましたが、このコースではここで見たきりでした。
こんな細い岩場の通り抜けもありますが、昔は幅が75センチもあるキスリングを背負ってたのですから、きっと身体を横にしてすり抜けたのでしょうね。
岩場ではよくザックが引っかかったものでした。
ミヤマガラシらしき黄色い花が見えますが、さすがに近くに寄る気はありません。
この頃になると風が出てきて、弱い雨も降り始めました。
カメラは相変わらず首からぶら下げてますが、濡れるといけないので、雨具の上衣の中にまるでカンガルーが赤ちゃんを仕舞いこむように入れてみました。これが、カメラが濡れず、しかも岩場でもカメラが揺れずに歩き易いということを発見しました。
これからはあまりひどい雨でなければこの手が使えそうですね。
20mほど上をYさんが登っています。
この辺りが下りでちょっと緊張した辺りですが、登りは下りに比べるとはるかに楽です。
ただし岩が滑りやすいので、気は抜けませんが・・。
下りの時にも白い花に気付いてはいたのですが、登りで良く見てみたら、チシマアマナです。
この花とはいつもこんなガスや小雨のときにめぐり合います(^_^;
13時44分、再び、南峰へと帰ってきました。
ここからツベタ小屋までは、下りだし何の危険もないルートなので、花を楽しみながら歩くとしましょう。
今晩は。
初めて訪問させて頂きました。
ブログ二つ作っているんですね。
扇沢~鹿島槍まで縦走…全部見ていないけど(後から見ます)、素適な写真ばかりですね。
鹿島槍…若い頃に登っていますが、素晴しい山ですね。
花もたくさんあるし、私も再度登ってみたくなりました。
今後も宜しくお願いします。
投稿: 立山の麓から | 2010-07-25 01:14
立山の麓さん、こんにちは、そして始めまして。
先ほど、HPのほうとブログを少しだけ拝見してきました。
やはり山歩きとガーデニングの両方のご趣味をお持ちなんですね。
以前は山と育てている花、どちらも同じブログで扱っていたのですが、
気持ちの切り替えがうまくいかないので、3年ほど前に分けました。
でも、私と同じように山歩きも花を育てるのもどちらもお好きな方
結構いらっしゃるようですね。
立山も昔、大学2年のときに、大日岳~剣岳~立山~薬師と縦走しました。
このときは天気が良くて写真もたくさん残っているので、記憶がはっきりして
います。
それ以来、8年ほど前にドライブで富山方面に行った際に、室堂を訪れてからは
1度も行っていませんが、懐かしいですね。
この時期は東京在住の後輩と登るため、信州側から登ることが多いですが、四国
からだと富山も結構身近です(そんなことを言うのは私だけかもしれませんが)
また、そちらのブログも拝見させていただきますので、よろしくお願いいたします。
投稿: keitann | 2010-07-25 15:30