010年夏、扇沢~鹿島槍、その14、下山
種池から下ってしまうと、もう立山も見えなくなるので、名残惜しかったのですが、9時58分、いよいよ山とお別れです。
下山したときよりも、稜線を後にするときがいつも何故か淋しいです。これから恐らく1年間、アルプスにはもう来れないでしょうから・・。
稜線をしばらく眺めた後、下り始めます。
Yさんの上に見えるのが爺ヶ岳です。
往路で撮影を失敗したカラマツソウですが、帰りにも葉っぱを撮影するのを忘れて、なんというカラマツソウなのかわかりません(^_^;
この花は雨の日はくっついて見栄えがしないのです。
あれほど咲いていたシラネアオイにもとうとう気付かなかったというYさんにようやくシラネアオイの花の場所を教えてあげました。
登山道の直ぐ傍らでこんなに綺麗に咲いているんですから、ヤブを掻き分けて下る必要はないと思うのに、ヤブには踏跡がついていました。
最近、若い人にも山がブームなのだそうです。
私の大学時代は山ガールばかりでしたけど(^_^;
中高年登山者はほぼ皆無でしたね。
登りでは気付かなかったのですが、ブナを数株ですが見かけました。
四国の山を思い出しました。
途中で1本取ろうかとも思いましたが、結局、ケルンまで一気に下ってしまいました。
ケルン着が11時39分でした。
ケルンの近くでは山道の補修を2人の男性がしてくださってましたが、ほんとに頭が下がりました。
登りではまったく見えなかった扇沢の駐車場が下りでは何度も見えました。
でも、車は思ったより少ないですね。
八つ見ベンチなんていうのがあることも、登りのときはわかりませんでした。
ここからは晴れていれば八ヶ岳が見えるのでしょうね。
ギボウシの花も登りでは雨が降っていたので、防水のコンデジで撮影しました。
今度はちゃんと一眼で撮影です。
この花だけはいまだに見ていません。
登山口から10分もかからないような場所で、単独のかなりの荷物を背負った女性とすれ違いました。
そろそろ1時になるという時刻で、この暑さです。
去年の白馬大池の登りでの私のようにばてなければいいのですが・・・。他人事ながら心配になりました。
やれやれ・・。でも、去年の朝日岳からの下山に比べると、楽でした。
去年は蓮華温泉まで、歩きかねるほど、くたくたでしたっけ。
柏原新道入り口の駐車場には、私たちが車を置いたときはかなり余裕がありましたが、さすがに下山した日は10台ほど駐車してあって、満杯でした。車内は暑いかと思いましたが、それほどでもなく車の温度計は23℃を表示してました。一応、標高1350mだけのことはあります。
一息ついた後、温泉に向かいました。
最初は大町温泉郷で汗を流すつもりでしたが、途中で「葛温泉」という標識を見たら、気が変わって、葛温泉に行くことにしました。
道を曲がったとたんに空き地にいたサルです。
20頭ほどの群れを作っていましたが、車が通っても逃げる風もなく、もしかしたらこのサルが鹿島槍まで上がってきてるサルかな?などと思ったり・・・。
葛温泉は車で10分ほど走ったところにありましたが、ここでも入浴客は私たち2人だけでした。
ついでに何か食べたかったのですが、予約してないと無理だとか・・・。
防水デジカメを持っていることを思い出して、撮影してみた葛温泉の露天風呂です。
秘湯らしいですよ。
後でわかったのですが、この葛温泉は七倉ダムまで後ちょっとという場所にあって、七倉ダムというのは七倉岳や烏帽子岳など北アルプの中でも静かな山域への登山口になっているんですね。
これで北アルプスの土地勘がまた少しできたかなと思いました。
ガスのため、どこが見えているのかはっきりしませんでしたが、この後は運転に専念したので、アルプスをはっきりと見ることは叶いませんでした。
去年と同じくYさんを松本駅まで送っていき、高速に乗ったのは17時前だったでしょうか。
ドリンク剤だのエスプレッソコーヒーだのを飲みながら、我が家にたどり着いたのは翌17日の午前3時過ぎでした。
自宅に帰りついたら、すっかり梅雨明けしていて、その日のうちに洗濯物がすべて乾いたのは去年となったく同じでした(^_^;
出かける前にはきっと毎日降られるだろうと覚悟したにもかかわらず、行動中に降られたのはわずか1、2時間という運の良さで、しかもこれほど静かなアルプスを歩けるとは思ってもいませんでした。そういう意味ではほんとに幸運でしたが、去年のコースのハードさがちょっと懐かしいような気もします。
来年はもう少しハードな歩きにしようかななどと、罰当たりなことを考えているところです。
素晴らしい花の山旅ありがとうございます
私にとって読むたび感動で・・・・・
立山の友達が送ってくれる花・山々の写真と貴女のブログで私は地図を広げ楽しんでおりました。
私はもう本格的な登山はできないので、来夏には室堂から奥大日岳を目指し花の写真とスケッチを頑張ろうと思っています。
こんな気持ちになったのも貴女の丁寧な山・花の説明からです。
貴女が楽しんだ分私も楽しませてもらいました。
ありがとうございます。
先日の「ま」だけはまるかみでした。未だ不慣れなもので・・・(苦笑)
これからも、時々のぞかせてくださいね。
投稿: まるかみ | 2010-07-27 17:14
keitannさん、こんばんは~。
今年の北アルプスも素晴らしい山行だったようですね。
私は義母の介護と言う仕事で、お山はしばらくお休みです。
代わりにkeitannさんのブログで楽しませて頂きました。
お花もたくさん咲き、羨ましい限りです。
お天気はいまいちだったと思うのですが、無事にご帰宅で良かったです。
とても丁寧な文章・お写真で私もご一緒させて頂けたような気分でした。
毎日拝見させて頂いておりましたが、今日は最初から一気に読ませて頂きました。
次のお山も楽しみにさせて頂きますね。
投稿: ミャーのママ | 2010-07-27 19:11
毎日楽しみにしていた連載も終わっちゃいましたか。
それとも、まだ番外編があるかなあ(^o^)/
まあ、とにもかくにも最悪のお天気に遭わずによかったですね。
私もミャーのママさんと同じく、次回作を楽しみにしています。
投稿: 加納@新潟 | 2010-07-27 23:01
まるかみさん、こんばんは。
もう山から少し離れていらっしゃるまるかみさんに、再び山への思いを感じて
いただけたら嬉しいです。
私もインターネットを始めた10年前に山のHPを見るにつけ、山への重いが沸々と
湧き上がってくるのを感じました。
それをきっかけに再開した山歩きですが、おかげさまで山にはいろいろなものを
与えてもらいます。
来年の奥大日行き、楽しんでこられるといいですね。
投稿: keitann | 2010-07-27 23:47
ミャーのママさん、最近、山のほうに行かれてないな~と思ったら
介護に時間を取られているんですね。
介護する方が、またリフレッシュできて、介護に頑張ろうという気持ちを
もたれるのが理想ですね。
そのためにもどうぞ、山行きが続けられると良いと思います。
今年のアルプスも、終わってみれば、懐かしいですよ。
そのうち、ご一緒できるといいですね。
投稿: keitann | 2010-07-27 23:50
加納さん、残念ながら、番外編は今年はありません。
でも、9月の初めに上京するので、そのときにもしかしたら山に登ってくるかも
しれません。
アルプス行きが終わると、私の夏も半分終わったような気になるから不思議ですね。
投稿: keitann | 2010-07-27 23:52
二泊三日楽しまれましたね。
ゆきたいと思っている山なのでしっかり読ませていただきました。
お花も詳しく説明があり 堪能しました。お天気が少しだけの雨で
登山者も少なくらっき--でしたね。
こちらからは関東ですが北アルプスあたりは 近いというほどではないのですが
交通の便が良いので 登っています。。。鹿島槍はまだですので
しっかりメモしました。 ありがとうございます。
それにしてもひとりで 毎年長距離運転 ただただ感心しています。体力抜群ですね。
投稿: tkomakusa1t | 2010-07-28 15:57
keitannさん、おつかれさまでした。
とても2泊3日の山行きとは思えないほど中味がいっぱい詰まりましたね。
私が好きなのは、ガラガラ岩の間に咲くクモマスミレです。茶色い角ばった石ころと可憐な黄色い小さい花、丸くて濃い緑の葉っぱ。白い霧。自然の組み合わせにはかないません。
稜線の先をどんどん行ってしまわれる友人の方が良いアクセントで画像に収まっていて、雰囲気が分かりやすいです。
物足りなくて来年はもっとハードに?さすが。
投稿: noi | 2010-07-28 21:27
komakusaさん、こんばんは。
おかげさまで、こんなに静かな歩きをアルプスで楽しんだのは初めてでした。
同じ時期、南アルプスに行かれた方は風雨が強くて難儀されたようですが
鹿島槍方面では、雨は主に夜しか降りませんでした。
同じアルプスでも南の北岳や、北アでも白馬や槍穂はメジャーなのでいつも人
が多いみたいですが、鹿島槍や針ノ木というのは、山の好きな人でなければ
登らない山かも知れません。
運転はおまけみたいなものですが、公共の交通機関だと予約や運行時間の制限が
あって、思うように予定が立たないので、車にしています。
自宅を一歩出たときから山旅が始まるというのも、いいものです。
体力は普通ですが、山登りは総合的な体力や判断力が求められますね。
投稿: keitann | 2010-07-28 22:24
noiさん、こんばんは。
2泊3日でも、山旅は日常とはかけ離れた異次元の世界みたいで
心身ともにリフレッシュできます。
クモマスミレ、noiさんはもうご覧になりましたか?
確か中央アルプスでも見られるそうですが・・・。
クモマスミレ・・・私もお気に入りのスミレです。
コマクサよりも好きかも・・・。
良くこんなところで頑張ってるねと、撫でてやりたいぐらい。
大自然の中で咲いている花はほんとに可憐でいてたくましいですね。
人間もそうありたいものですが・・。(^_^;
Yさんとは20歳ごろから一緒に山を歩いている仲間でですから、お互いに
お互いの力をわかっているし、体力も山に対する知識も同等ですから
良いんでしょうね。安全な区間では、多少、距離が開いても、お互いに
このぐらいは大丈夫と信頼してますから。
投稿: keitann | 2010-07-28 22:33