裏寒風を登る、その5、イヨノミツバイワガサ
山頂には最初は1組の方たちがいらっしゃるだけでしたが、私たちがお昼を食べている間に次々と登ってこられます。私が以前来たのは平日だったので、静かな山頂でしたが、日曜ともなると、人気の山なんですね。
何しろ、高知側の寒風茶屋から登れば2時間半で登れるので、お手軽な山といえばいえます。
伊予富士が見えないのが残念ですが、覚悟していた雨にも降られることなく、山頂は吹く風も爽やかで、下界の暑さを忘れてのんびりします。
Eさんがホットコーヒーを勧めてくださいましたが、さすがにホットコーヒーよりもRさんが食べているお素麺のほうが好ましく思える気温です。山に来て熱い食べ物や飲み物が恋しくならないのは、このときが今年初めてだったかも・・・。
もう、夏山ですね。
それほど広くない山頂に次々と登ってくるので、食事を終えたところでしたが、早々に下ることにしました。
この日は私も夜に用事があって、それもあってアプローチの短い寒風山を選んだのでした。
下山をし始めたのは11時7分です。
山頂直下には、笹ヶ峰への縦走路を示す道標があります。
まだ寒風山と笹ヶ峰の間を歩いたことがないのですが、そのうちいつか歩いてみたいものですね。
逆の日もあって、石鎚山系を境に高知側と瀬と内側とでは天気ががらりと変わることもあります。
下り道はニガナとアザミが黄色とピンクで華やかに咲いています。
このアザミ、トゲアザミというそうです。
アザミは種類が多すぎて、とても覚え切れませんが、ノアザミの次に覚えられそうです。
この前、権現越への下りでチクチクと痛かったのもこのアザミに違いありません。
下りは、予定通り、正規の登山道を下ったのですが、こちらもドウダンが多いですね。
目の前にぶら下がった花に頬が緩みます。
そうそう、寒風山にはブナも生えていたのを思い出しました。
裏寒風ではブナは一つも見ませんでしたが、やはり稜線を好む木なんでしょうかね。
やがて岩場に差し掛かると、やはり覗いて見ないわけにはいきません。
以前来たときも岩場にはセンダイソウなど珍しい植物を見ています。
今回はユキワリソウがほんの少し咲き残っている程度でしたが、スダレギボウシの葉も見えています。
再び登山道を下り始めると、ツクバネソウもまだ咲き残っていました。
ツクバネソウも今年は良く見ました。
というか、四国の山にはツクバネソウが多いんですね。
鞍部のようなところまで下ってきたら、寒風山の尾根の一つが見えてきました。
傾斜がかなり急なので、私たちが登った尾根とは違う尾根のようです。
もしかすると裏寒風のもう一つの登山口、トンネル北側の出口から登るという超急登コースのほうの尾根かもしれません。
尾根の岩場のところで、2,3人の方が登られているか下られているかしていたようですが、この日は一眼を忘れてきたので、とても撮影は無理です。
イヨノミツバイワガサは東赤石と寒風山にだけ自生するという貴重種だというのを、ついこの前ネットで見たばかりなので、ほんとに寒風山にも咲くのを確かめることが出来て嬉しかったです。
しかし東赤石では普通種並にそこいら中に咲いてるのですが、寒風山では私が見たのはこれだけでした。
東赤石と寒風山は植生が似通っているようで、ユキワリソウやタカネマツムシソウなど共通の花も多いようです。
でもこれは鷹ノ巣山方面へと続く尾根のような気もします。
ショウマは同定が難しくて、いつも頭を悩ませますが、葉を見ると2回3出羽状複葉のようなのでヤマブキショウマのように思います。
葉には多数の平行脈があるというのも、図鑑の記載と一致するようです。
keitann様 こんにちは
改めてこのシリーズの一番最初の地図を眺めました。
こういう方法をとると、この山域の特徴を網羅できるようなそんな歩き方になりましたね。
岩場でユキワリソウが咲いていたのには驚きました。
稀少植物のイヨノミツバイワガサの生育を確認できて良かったですね。
ヤマブキショウマ トリアシショウマ の区別は難しいですね。
小生は写真に撮らないようになってしまいました。
小生の図鑑では心皮(雌しべ)数による区別方法が記載されていますが、あまりにも細かくて無理です。
投稿: ぶちょうほう | 2011-07-19 09:04
ぶちょうほう様、こんにちは。
今日は大型台風が高知の足摺辺りまで来ているようで、この辺りでも強風が吹いています。
寒風山を西尾根から登ることによって、おっしゃるように寒風山の様々なルートを歩くことができました。
この山は花の山と言われているにもかかわらず、今までこの時期にあまり登ってなかったのは、いつも東赤石ばかりに登っていたのと、本州の山への遠出があったからだと思います。
しかし、ウチョウランやテバコマンテマなど貴重な野草が咲くと聞いていますので、また足を運ぶことになりそうです。
トリアシショウマは四国には自生しないそうですので、ヤマブキショウマと考えたのですが、もっと詳細な画像を撮影するべきでした。
投稿: keitann | 2011-07-19 15:20