初めてのアルプス単独行、その9、タカネグンナイフウロ
急登でもなんでもないだらだらとした登りのトラバース道は、結局、この日いちばん疲れの出た辺りでした。花が多いというのを言い訳にして、かなりのゆっくりペースで歩きます。時間は幸い、早発ちのおかげでそれほど気にしなくても良いのが有難いです。
先ほどからガスが取れてきて、鏡平の小屋が見え始めていたのですが、ここまで来ると小屋周辺の池とともに、すっきりと見えてきました。
美しいですね・・・・。
槍穂が見えていると、そちらにばかり目がいくのですが、幸か不幸か槍穂が見えないので、この日は鏡平小屋に視線が釘付けでした。
こちらはその少し前に撮影した画像で、赤いザックの人が鏡平に下っていくところです。
鏡平からちょうどあの場所まで登ってくると槍穂がばんと見えてくるのです。
この辺りで標高はすでに2500ぐらいあります。高山性の植物がどんどん現われ始めるころですね。
少し下でも撮影しているのですが、そちらは少々草臥れた株でしたが、ここで咲いているのは見ごろの花でした。
タカネグンナイフウロは北岳や仙丈ケ岳といった南アルプスの山では見ていますが、北アルプスで見たのはこれが初めてかもしれません。
普通は紫色の花が多いですが、ここで咲いていたのは白花でした。
5年ぶりぐらいで見ることができたタカネグンナイフウロにすっかり気をよくしたのでした。
ニッコウキスゲは斜面の上のほうで群生していますが、道沿いでもところどころで顔を見せてくれます。
オタカラコウのようです。
周囲の植物はほぼ高山性のものになってきましたが、オタカラコウは四国の山でも良く見る花です。
意外とこんな高山にも咲くんですね。
このちょっと前からシナノキンバイも咲いていましたから、いよいよ高山のお花畑を彩る花たちの登場です。
入り混じってハクサンイチゲも咲いてますが、白に黄色のしべで花だけ見るとどちらも同じように見えます。
上のほうに道標が見えています。
ガスがかかっているほうに歩いていくと笠ヶ岳方面です。
稜線直下の残雪がずいぶん少なくなってますね。
後一週間もすれば解けてなくなることでしょうね。
13時10分、弓折岳分布に着きました。いわゆる弓折乗越といわれるところです。
ここで、少し休憩を入れることにしました。
コースタイムで1時間10分のところを、1時間半もかかりました。
やっぱり花が多いと、てきめんに時間オーバーになります。
おあつらえ向きにベンチがあるので、腰掛けて水分補給したり行動食を食べたりしながら、ガスが晴れるのを少し待つことにしました。
青空も垣間見えて、なんだか良い雰囲気になってきました。
西鎌尾根方面のガスも晴れてきそうな感じです。
鏡平の向こうには奥丸山のピークが見えているのですが、その向こう側の穂高の西斜面もほんの少しですが見えてきました。
双六小屋までは後はゆっくり歩いても1時間ちょっとです。
そう思ったら、ずいぶん気楽な気持ちになって、ここで少しゆっくりしてもいいかという気持ちになりました。
穂高の稜線もあと少しで見えそうなのですが、結局、この後もこれ以上見えることはありませんでした。
keitann様 こんにちは
此処まで来ると高山植物がどんどん出てきて、気持ちが高揚しますね。
今回の記事を見て第一印象は随分涼しそうに感じましたが、実際はどうでしたでしょうか。
小生ならさしずめ大汗掻いて、思い切り薄着に切り替わっている場面かもしれません。
しかし、こんな空模様でも、肌の日に焼け方は意外と厳しいですね。
ゆったりした山旅を堪能されているようで、静かな充実感が伝わってきます。
投稿: ぶちょうほう | 2011-08-04 09:56
ぶちょうほう様、こんにちは。
標高2500m近くなると、亜高山から高山性の植物が次々と出てくるのに加え、森林限界を超えますので、視界が開けてきます。気分はどんどん高揚しますね。
ただ、このときの登りは疲れも結構出てきていて、花が多いのを言い訳にして、ずいぶんゆっくりペースの歩きでした。
この日は終日、直射日光に照り付けられることがなかったので、歩きやすかったようです。標高2000mぐらいまでは樹林の中の蒸し暑い中での歩きで、相当汗はかきましたが、直射日光による暑さよりは楽でした。
私はもともと暑がりなので、この日は朝から半そで一枚で歩いていたのですが、それでちょうどよいぐらいでした。
雨具を着た人も多く見ましたが、雨粒は落ちてこなかったので、必要ないと思いました。
途中で日焼け止め等が出てきたときはほっとしました。
投稿: keitann | 2011-08-04 15:03